ロジカルシンキングのトレーニング法 〜自然に思考の質が向上する5つの習慣を解説〜
ビジネスパーソンにとってロジカルシンキングは、
仕事のあらゆる場面で必要とされる基本的なスキルです。
しかし、誰でも仕事をしていれば自然にスキルが身につくかと言えばそうではなく、
ロジカルシンキングに関する基本的な知識と、日常での意識的な練習が求められます。
また、「ロジカルシンキングは難しい」という先入観もあり、
それが必要なことだとわかっていても、
なかなか本腰を入れてスキル習得に踏み出せない人もいます。
今回のテーマは「ロジカルシンキングを鍛えるコツ」です。
日常のちょっとした場面を、ロジカルシンキングを鍛えるきっかけにする方法を紹介します。
これによってロジカルシンキングがもっと身近になり、苦手意識がなくなります。
そして自然と思考の質が向上し、あらゆる状況での考察や意思決定がスムーズになります。
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ロジカルシンキングとは
ロジカルシンキングは日本語に訳すと「論理的思考力」というように、
この言葉のとおり「論理的に考える力」という意味です。
この論理的に考える力とは、何かについて考えるとき、
道理や筋道に則ってより客観的な結論を導く力であり、
また、結論を導く際に必要な情報を細かく分析したり、ものごとの因果関係を
正しく整理する力も、この論理的思考力のなかに含まれます。
▼ロジカルシンキングの基礎やフレームワークを知っていただける記事はこちらです
なぜロジカルシンキングが重要なのか
仕事では多くの人と関わりながら、さまざまな情報を扱います。
顧客の要望を汲み取り、それに応えるアイデアを出したり、
問題が発生したときは、原因を分析し的確な対処も必要です。
また資料作成や報告の場では、的確でわかりやすい説明が求められます。
このような日々の仕事の現場では、
客観的に捉える視点、因果関係や情報を整理する力はなくてはならないものです。
つまり、ロジカルシンキングを身につければ、
ビジネスにおけるさまざまな課題の解決に役立てることが可能なのです。
ロジカルシンキングのトレーニング法
ロジカルシンキングに苦手意識をもつビジネスパーソンは少なくありません。
そこでここからは、日常のちょっとした場面を活用して、
ロジカルシンキングを実際にどう鍛えたらいいのかをご紹介します。
ロジカルシンキング関連書籍や問題集を活用する
ロジカルシンキングを習得したいという人にとって、
関連書籍や問題集を活用することが、一番手っ取り早い方法といえます。
このアプローチの最大の利点は、本の中で体系的に構成されたカリキュラムに沿って、
基礎から応用まで段階的に学習できる点です。
難易度も自身で選択できるので、理解できそうなところから始めたり、
あえて難しいところにチャレンジしたりすることもできます。
また、自分のペースで学べるため、忙しい日々の中でも学習を継続しやすく、
比較的低コストで始められる方法ともいえます。
しかし、この方法にはいくつかの限界も存在します。
書籍や問題集のみの学習は、
自分の理解度や間違いに対する直接的なフィードバックが得られません。
そのため、自身の勘違いから誤った思考パターンを続けてしまうリスクがあります。
また、ロジカルシンキングを仕事で活用するための実践的な方法についても、
自分ひとりで考える必要があります。
実践的な経験が不足している場合、書籍や問題集だけでは、
理論や問題解決のスキルを実際の状況に応用することが難しいかもしれません。
関連書籍や問題集を活用する場合は、
本の中だけで学習を進めるのではなく、誰かからのサポートを受けたり、
実践的経験からの学習を同時並行で進めていくことが好ましいです。
時事ネタから現状と理想のギャップを考える
ニュース番組や時事ネタの記事を題材にし、
現状と理想、両者のギャップを埋める方法を考察することが、
日頃からロジカルシンキングを鍛えるためにはとても有効です。
たとえば、環境汚染、教育格差、経済、政治、生活など、
あらゆるジャンルでニュースはあり、
ここには必ず現在の状況と、問題が解決した理想が存在します。
これを整理し自分なりの結論を導き出す工程で、
論理的な分析と批判的な評価の両方が鍛えられます。
▼クリティカルシンキングの基礎や鍛え方を知っていただける記事はこちらです
また、問題解決思考の向上にも効果があります。
この方法は、まずニュースや時事関連の記事、世界中で発生している様々な出来事や問題を
ピックアップします。
世界中のニュースは日々更新されるため、ネタに困ることもなく、
テレビやニュースサイト、SNSなどで目にする機会もたくさんあります。
これらのニュースから得られる情報を用いて現状を分析することから始めます。
ここでは事実の収集と整理、
重要な情報の抽出という基本的なロジカルシンキングのスキルを鍛えることができます。
次に理想の状態を想像し、将来に向けてどのように改善または対処すべきかを考えます。
ここでは現状分析の結果に対して仮説なども加えて考える必要があるため、
仮説思考力も自然と鍛えられます。
最後に現状と理想のギャップをより具体的に特定していきます。
ギャップを埋めるための創造的かつ実行可能な解決策を考案する必要があるため、
問題解決能力や戦略的思考力が強化されるだけでなく、
より良い将来を目指すための具体的な行動計画を立てる能力も高まります。
ニュースや時事ネタを題材にした学習は、単に知識を得ることを超え、
論理的かつ批判的な思考力を鍛えるとても良い機会になります。
そして現代社会で直面するさまざまな問題に対応する能力を身に付けるためにも
有効な方法といえます。
▼あわせて読みたい!問題解決能力の身につけ方・鍛え方!
コメントに対して理由をつけ加えてみる
テレビのコメンテーターや番組が提供する意見や見解は、一つの視点からの結論であり、
その背後には多くの前提条件、データ解析、そして推論が存在します。
そのため、これらの意見に対して「なぜその結論に至ったのか」という疑問を持ち、
みずから理由を考え付け加えることで、
その結論がどのような論理的構造に基づいているのかを深く理解することができます。
たとえば、ある番組が気候変動に関する政策の必要性を強調している場合、
その結論の背後には気候科学の研究、歴史的気候変動のデータ、影響評価、
および政策効果のシミュレーションなど、多岐にわたる前提条件と推論が存在します。
もちろん、それらの情報を自身で収集することは難しいですが、
ニュースで述べられた事実や結論をもとに、これらを推察することはできます。
この関連する情報を結論と結びつけるために、ロジカルシンキングが求められます。
このアプローチには、以下の3つの要素があります。
どれもロジカルシンキングのレベルアップには欠かせません。
このアプローチで鍛えられる3つの要素
①前提条件の特定
結論に至る前に、どのような前提があるのかを特定します。
これにより、論理的な議論の基盤と
なる要素を明確にします。
②推論の理解
結論に至る過程で用いられる推論を論理的に理解することで、
思考の流れを追いやすくなります。
論理的な矛盾や飛躍がないかを検証する能力も鍛えられます。
③自身の見解
提示された意見や結論に対して、自分なりの理由を付け加えることで、
そのコメントを評価しそこに自分の見解を付け足すことができます。
この過程で、異なる情報源から得た知識や自身の理解を統合し、
よりバランスの取れた視点を形成する力が鍛えられます。
このように、テレビのコメンテーターの意見に対してみずから理由を考えることで、
そのコメントを単に受け入れるだけでなく、アクティブに情報を処理し、
自分なりの理解と見解を形成することができます。
この手法を繰り返すことで、
論理的思考力だけでなく、情報に対する多角的な視点を養うことができます。
連想ワードを5つあげるトレーニング
1つのワードから複数の連想ワードを導き出すトレーニングです。
連想した1つのワードから、次々と連想を繋げていくゲームは昔からありますが、
このトレーニングで連想するものは、1つではなく5つです。
たとえば、「バナナ」から連想したら、果物、細長い、黄色、スムージー、猿などです。
連想するためには、
対象を多角的に分析し、その特徴や関連性を深く理解する必要があります。
そのため、このトレーニングは、単なる連想ゲームを超えて、
複数の視点から物事を考察する能力を養うことにつながります。
たとえば、あるワードに対して5つの連想ワードを考える際、
その対象の見た目(外観、色、形)、目的(使用目的、機能、役割)、
構成(素材、部品、構造)、関係者(使用者、製造者、販売者)など、
異なる側面からアプローチすることが要求されます。
これにより、対象に対する包括的な理解が必要となります。
そして、それぞれの側面がどのように相互に関連しているかを考えることで、
論理的思考力が鍛えられます。
さらに、5つの連想ワードを考える過程は、思考の柔軟性を高めるとともに、
創造的な思考も促します。複数の視点から対象を考えることは、
一つの角度だけでは見えない新たな発見や解釈をもたらしてくれるので、
問題解決やアイデアを考える上でとても役立ちます。
このように、複数の連想ワードを導き出すトレーニングは、
思考を深め、視野を広げるために有効です。
異なる視点から対象を捉え直し、それぞれの特徴や関連性を統合的に理解することで、
ロジカルシンキングの基盤を強化し、より複雑な思考プロセスに対応できるようになります。
▼あわせて読みたい!思考を柔軟にするラテラルシンキングのコツ!
さまざまな文章を要約してみる
ニュース記事や解説書、誰かのコメントなど、どんなものでも要約する習慣をつけることは、
ロジカルシンキングを鍛える上で非常に有効です。
この習慣は、情報を効率的に処理し、その本質を理解する能力を高めることに直結します。
要約する過程では、以下のスキルが養われます。
要約する過程で養われるスキル
①情報の選別と整理
要約をおこなうには、テキストから主要なアイデアや事実を選び出す必要があります。
この選別過程で重要な情報とそうでない情報を区別する能力が鍛えられます。
論理的思考においては、この区別が明確になればなるほど、
より効果的な意思決定が可能になります。
②本質の把握
要約するためには、コメントや文章の核心を簡潔に表現することが求められます。
このプロセスでは、複雑な情報やアイデアをシンプルな形で理解し、
表現する能力が鍛えられます。
ここで特に求められるのが、ものごとを抽象化する力です。
具体的な事象を抽象化し、シンプルかつ本質をついた表現に変えて理解することができれば、
知識の取り込みや伝達もスムーズになり、学習や仕事の効率も高まります。
③論理的構成の理解
記事やニュースを要約する際には、
その内容がどのような情報で構成されているかを理解することが重要です。
それぞれの情報の流れや構造的なつながりを捉えることで、論理的思考力が鍛えられます。
また、情報を整理し、その構造を明確にすることは、
自らの思考や議論を整理する際にもとても役立ちます。
要約の習慣を身につけることで、
情報に対する深い理解と、その情報を効果的に他者に伝える能力が向上します。
これらのスキルは、ビジネスコミュニケーションはもちろん、
日常生活でのさまざまな場面での意思決定や問題解決においても非常に有効なスキルです。
情報が溢れる現代において、効率的かつ効果的に情報を処理し、行動する能力は、
ますます重要になっています。
エナジースイッチのロジカルシンキング研修事例
エナジースイッチは、研修成功の2大要因である
「研修プログラム」と「トレーナー」の両方を、フルスクラッチでゼロから提案しています。
これまで提案したプログラムにひとつとして同じものはなく、
協力いただいている外部のトレーナーも450名以上と非常に豊富です。
対応しているテーマも幅広く、階層別研修やテーマ別研修、キャリア研修など
あらゆる研修に対応いたします。
ここからは、15年の実績があるカスタムメイド研修のカリキュラムのなかから、
ベーシック版とアドバンス版のロジカルシンキング研修を2例ご紹介します。
どちらも研修後、実務につなげられるように、ワークを中心に進行する、
超・実践型の研修プログラムです。
■ベーシック版ロジカルシンキング研修 ~『提案力と影響力の強化』編~
ロジカルシンキングを体系的に理解し、「相手に伝える」ことを焦点において、
情報整理の技術とロジカルコミュニケーションの技術を重点的に習得するプログラムです。
詳しいカリキュラムは、以下のURLからすぐに知っていただけます。
https://energyswitch-inc.com/solution/custom/081
■アドバンス版ロジカルシンキング研修 ~『問題解決力の強化』編~
ロジカルシンキングを活用して「問題解決」をできるようにするために、
情報を集め、整理し、解決方法を考え、
さらに相手を動かせるよう伝えるスキルを習得するプログラムです。
詳しいカリキュラムは、以下のURLからすぐに知っていただけます。
https://energyswitch-inc.com/solution/custom/082
今回ご紹介した以外にも、
エナジースイッチのカスタムメイド研修の導入事例は、
こちらのページで多数ご紹介しております。
https://energyswitch-inc.com/solution/custom
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フルスクラッチでゼロから提案している、業界でも非常に珍しい研修会社です。
「研修をカスタマイズします」というのはどの研修会社も使っていますが、
その中身は実は会社ごとにまったく異なります。
せっかく費用をかけて研修を実施するのであれば、
自社にできる限りフィットした研修を実施していただきたいと考えています。
以下の資料に、自社に100%フィットする研修会社の選び方をまとめています。
ぜひご活用ください。