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ティーチングとは? 〜意味や効果、具体的なやり方を詳しく解説〜



わたしたちは物心がついたころから、いつも誰かに何かを教わってきました。

幼い頃は家族から、そして学校や塾の先生、社会に出てからは上司や同僚と、
わたしたちは幼少期から成人までの数えきれない経験によって、
誰かから教わるという習慣がしっかりと身についています。

最近ではインターネット上にさまざまな分野の専門家が存在し、私たちが知りたいと
思うものがあれば、インターネット上の文章や動画から教わることができます。

しかし、そんな恵まれた環境を
誰もが有効に活用できているかと言えば、そうとは限りません。

インターネット上にあらゆる分野を網羅する情報や知識があったとしても、
その情報群から自分に必要なものを見つけること、
解説されている文章や動画を正しく理解すること、
そして目的のためにそれを応用する方法を考えること、
これらをひとりでおこなうには限界があります。

ビジネスパーソンにとっては、ただ知識を蓄積するのではなく、それをどのように
自分の見識にし、仕事に活かしていくかが、自身の成長と評価に繋がります。

そのため、何かわからないことがあり、それを誰かから教わるとき、
何をどのように教わるかはとても重要です。

今回のテーマは「ティーチング」です。
ビジネス環境におけるティーチングの効果的な手法と、注意点などについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.ティーチングとは
  2. 2.ティーチングの役割
    1. 2.1.知識を伝達する
    2. 2.2.実践を通じてアドバイスをおこなう
    3. 2.3.気づきを与える
  3. 3.ティーチングとコーチングの違い
    1. 3.1.コミュニケーション方法
    2. 3.2.目的
  4. 4.なぜビジネスパーソンにティーチングが必要なのか
    1. 4.1.知識とスキルの伝達
    2. 4.2.ティーチングに関わる社員の成長
  5. 5.ティーチングの進め方
    1. 5.1.1.ティーチング計画(対象カリキュラムとゴール設定)
    2. 5.2.2.ティーチング準備(カリキュラムの詳細検討と教材作成)
    3. 5.3.3.ティーチングの実施
    4. 5.4.4.ティーチングの効果測定
  6. 6.ティーチングのさまざまな手法
    1. 6.1.インタラクティブワークショップ
    2. 6.2.ケーススタディ法
    3. 6.3.グループプロジェクト
  7. 7.ティーチングを効果的におこなうための3つの注意点
    1. 7.1.一方通行のコミュニケーションにしない
    2. 7.2.現実の業務と乖離した内容にしない
    3. 7.3.学習者のレベルと乖離した内容にしない
  8. 8.社員育成ならカスタムメイド研修をご利用ください
  9. 9.エナジースイッチのティーチングを身につける研修事例
    1. 9.1.■新任管理職向け『マネジメントベーシック』研修
    2. 9.2.■OJTリーダー養成研修(動画視聴型)+フォローアップ研修

ティーチングとは

企業における「ティーチング」とは、従業員のスキルと知識の向上を目的とした活動です。

このティーチングの活動には、
専門知識の伝達、実践的なトレーニング、メンターのサポートなどが含まれています。

教材やカリキュラムは教える前に予め決められていることが多く、
教える側の先輩や上司、外部セミナー講師などが主導するかたちでおこなわれます。

教える内容は、業務内容の基礎、より専門的な知識、仕事で使用するツールの使い方、
対人スキルやリーダシップなど、業務知識からヒューマンスキルまで多岐にわたります。

ティーチングの役割

先ほどご紹介したとおり、ティーチングの活動には、
専門知識の伝達、実践的なトレーニング、メンターのサポートなどが含まれます。

つまりティーチングの役割は、以下の3つにまとめることができます。

・知識を伝達する
・実践を通じてアドバイスをおこなう
・気づきを与える

知識を伝達する

ティーチング、という言葉の意味から最もイメージしやすい役割です。

専門知識や業界知識、商品知識、お客様情報をはじめ、
会社内で使われている用語やマナー、言葉遣い、目標設定の考え方など、
相手が知らないことや足りないことを教えます。

知識を伝達することで、相手のレベルの「底上げ」を目指します。

実践を通じてアドバイスをおこなう

仕事の実践を通じてアドバイスをおこなうことで、相手の成長をねらいます。

相手が仕事に慣れていなかったり、
仕事の進め方のレパートリーが少ないときなどに有効です。
 
仕事でどうしていいかわからず困っているときや、相手から質問をされたときに、
自分の経験や会社が積み上げてきたノウハウ、大切にしている考え方などをもとに、
アドバイスをおこないます。

気づきを与える

相手をさらに高めたいときに有効なやり方です。

思考が硬直しかけているときに別の切り口から質問をしたり、
自分の経験をシェアすることなどを通じて、相手の視野を広げます。

そうすることで、相手が自分で考えるように促し、
さらなる成長をしてくれることを目指します。


ティーチングとコーチングの違い

ティーチングとよく対比される方法に、コーチングがあります。

ティーチングと検索してもコーチングの方法が出てくるように、
最近ではコーチングが注目されがちです。

ですが、この2つの方法は、優劣があるものではありません。

ケースバイケースで2つを活用することで、双方の効果を高めることができます。
そこでここからは、ティーチングとコーチングの違いを簡単にご紹介します。

コミュニケーション方法

ティーチングとコーチングの最も大きな違いは、コミュニケーション方法です。

ティーチングは「伝える」ために、
コーチングは「引き出す」ためにコミュニケーションをおこないます。

ティーチングでは、自分の経験や引き出しのなかから、
知識やスキル、ノウハウ、仕事の進め方、考え方、戦略などを相手に伝えます。

自分の主観を一方的に伝えるのではなく、再現性を出せるように、
客観的な事実をもとに伝えるとより効果的です。

一方コーチングでは、答えは相手がもっている、
ということを前提に適切な質問をすることで、相手の意見を引き出します。

目的

コミュニケーション方法が違いますので、
ティーチングとコーチングの目的も自然と異なってきます。

ティーチングは知識やスキルを伝えたり、相手に気づきを与えたりすることを通じて、
問題解決や目標達成を促すことを主な目的とします。

一方コーチングは、対話や問いかけを通じて
相手の成長を促進することを主な目的とします。

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なぜビジネスパーソンにティーチングが必要なのか

知識とスキルの伝達

業務の遂行に必要な知識やスキルは、OJT(On-the-Job Training)をおこなうことで、
実際の仕事の中でも身につけることができます。

しかし、ティーチングによって、仕事の背景や関連する専門知識など、
仕事を経験するだけでは得られないものを教わることができれば、
それを教わった人にとっては、その仕事に対する考え方や、
考慮できる範囲が広がり、仕事の質そのものが向上するきっかけになります。

また、上司や先輩社員から後輩社員への知識やスキルの伝達は、
後輩社員の育成という意味だけでなく、
これまで会社として積みあげてきたノウハウの継承の意味もあります。

問題が発生した時の対処法や、顧客との付き合い方など、その場にいた当人たちでしか
わからないことは、担当者が変わることでリセットされることがないように、
しっかり次の世代に継承されなければなりません。

ティーチングに関わる社員の成長

ティーチングを受ける新人や後輩社員が、
新しい知識やスキルを得ることによって、その人の業務遂行力が向上します。

そしてそれは、職業人としての成長にも繋がることは言うまでもありません。

しかし、ティーチングの取り組みは、
教える側の先輩社員やリーダーを成長させる効果もあります。

なぜなら、人に教えるという役割は、普段の仕事にはないシチュエーションであり、
この役割を果たすためには、教えるための事前準備や、
相手の理解度を見ながら話すなどの意識が必要となるからです。

<ティーチングによって教える側も成長できる主な理由>
・教えるために自らの知識の再整理をおこなうきっかけになる
・「人に教える」というシチュエーションでの、コミュニケーション実践トレーニングになる
・先輩社員としての自覚が芽生える
 
このようにティーチングを始める際に、この取り組みは
「教える側にとってもステップアップの機会になる」ことを教育担当に伝えると、
そのティーチングの機会は両者の成長にとってより効果的なものになります。

ティーチングの進め方

ティーチングは基本的に以下の手順で進められます。

1.ティーチング計画(対象カリキュラムとゴール設定)
2.ティーチング準備(カリキュラムの詳細検討と教材作成)
3.ティーチングの実施
4.ティーチングの効果測定

1.ティーチング計画(対象カリキュラムとゴール設定)

ティーチング計画は、教育の目的と対象となるカリキュラムを決定するプロセスです。

何を教えるか(カリキュラム)、
そしてその教育で達成したいこと(ゴール)を明確にします。

特にゴール設定は重要であり、ここが不明確なままティーチングの活動が
見切り発車してしまうと、教える内容が教育担当のさじ加減で決まってしまい、
組織全体のティーチングの効果としても中途半端なものなってしまいます。

2.ティーチング準備(カリキュラムの詳細検討と教材作成)

ティーチング準備では、
カリキュラムの具体的な内容を検討し、それに応じた教材を作成します。

たとえば、業務で使用するツール類の使い方を教える場合では、
そのツールについて何を解説するか、
実際に操作してみる機会を設けるかなど、
何をどのように教えるかを考えます。

そしてカリキュラムに応じたテキストの作成や、
実地訓練のためにそのツールを操作できる環境を用意します。

3.ティーチングの実施

計画に沿ってティーチングのカリキュラムを実施します。

ここで注意すべきは、
その計画どおりに各カリキュラムが予定どおりに実施されるかどうかです。

カリキュラムを実施するためには、通常、
教える人と教わる人の両方がスケジュールを合わせる必要があります。

しかし、両者にはティーチングよりも優先しなければならない日常の業務があります。

両者が同じ部署にいたり、同じプロジェクトに参画している場合は、
スケジュールの調整もしやすいですが、そうでない場合は、
日常業務の予定や状況も踏まえてスケジュールを調整しなくてはなりません。

繁忙期やトラブルなどが生じれば
一旦決めたスケジュールを変更しなければならないこともあります。

また、教わる側が複数名いる場合は、ティーチングの実施日当日に参加できない人もいます。

ティーチングの計画どおりに進まないときは、適宜、現状にあわせた調整が必要です。

4.ティーチングの効果測定

ティーチングのカリキュラムの実施によって、
計画で掲げたゴールに到達しているかを確認するプロセスです。

ここではティーチングを受けた人からのアンケートや、
知識やスキルを確認するための小テストなどを用意して、ティーチングの効果を確認します。

そして効果測定の結果をもとに、より効果的なティーチング内容にするために、
計画や教材のブラッシュアップをおこないます。

ティーチングのさまざまな手法

ティーチングには、セミナーや学校の授業のように講義形式のものだけでなく、
さまざまなやり方があります。

インタラクティブワークショップ

テーマに沿ったロールプレイや
グループ内で議論を交えたワークショップを中心におこなう形式です。

教わった方法をワークの中で実際にやってみたり、
その場のフィードバックから、さらに上達するために自分なりの工夫を考えたりします。

このワークショップでの疑似体験によって、より実践的なノウハウが身につきます。

ケーススタディ法

実際のビジネスシナリオや過去の事例から、
そこでの具体的な問題に焦点をあてて、原因分析や解決策を検討します。

教える側は自らが経験した問題解決のアプローチを教えたり、
その際に苦労した話などを学習者と共有します。

この学習法では、単に過去の事例を知るだけでなく、
問題解決のための分析力や、解決策を考える力を養うことができます。

グループプロジェクト

ティーチングの学習者がチームを組み、特定のプロジェクトや課題に取り組みます。

教える側はプロジェクトの進行状況によって適宜アドバイスをしたり、
結果に対して客観的な評価をおこないます。

この取り組みは、学習者の知識やスキルの向上だけでなく、
参加メンバーのチームワークの醸成や
コミュニケーションスキルの向上にも効果があります。



ティーチングを効果的におこなうための3つの注意点

一方通行のコミュニケーションにしない

教える側から学習者に対して、一方通行のような教え方をしてしまうと、
学習者が内容を理解できない時や、モチベーションが減退している時に、
その状態を感じ取ることが出来ません。

そしてこの状態を教育担当が感じ取れないまま、カリキュラムを次に進めてしまうと、
せっかくのティーチングの取り組みが効果の低い形式的なものになってしまいます。

ティーチングをおこなう際は、教える側と教わる側での会話を大切にし、
両者で同じゴールに向かう意識が必要です。

現実の業務と乖離した内容にしない

実際の仕事に直結しない内容は、
実務で応用するイメージが難しいだけでなく、彼らの関心すら引けない場合があります。

時には気分転換も兼ねて雑学について学ぶことも良いですが、
ティーチングのカリキュラム内容は、本来の目的を踏まえつつ、学習者にとって
「学ぶことでメリットを感じられる」内容にする必要があります。

学習者のレベルと乖離した内容にしない

ティーチングで教わる内容が難しすぎたり、テキストの情報量が多過ぎたりすると、 学習者は「ついていけないかもしれない」という不安にかられます。

しかし、これが逆に簡単すぎる内容だと、
「学習のための時間を無駄に使っているかもしれない」という別の不安が生まれます。

ティーチングで教わる内容は、難し過ぎず簡単過ぎず、
誰かにフォローをしてもらいながら何とか習得できるという
難易度がちょうど良いレベル感です。


社員育成ならカスタムメイド研修をご利用ください

中堅社員や管理職、OJTリーダーなど、ティーチングを身につけさせたい社員に向けた
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エナジースイッチは、研修成功の2大要因である
「研修プログラム」と「トレーナー」の両方を、フルスクラッチでゼロから提案している、
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エナジースイッチのティーチングを身につける研修事例

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あらゆる研修に対応いたします。

ここからは、そんなカスタムメイド研修のなかから、
ティーチングを取り扱った研修事例を2例ご紹介します。

■新任管理職向け『マネジメントベーシック』研修

プレイヤーとしては優秀ですが、人を動かして仕事を進めることを苦手とする 管理職の方は非常に多くいらっしゃいます。

そこでこの研修では、プレイングマネジャーとして活躍することを期待されている
新任管理職の方が、ティーチングやコーチングを活かし、
人を動かして成果をあげられるようになることをねらって実施した研修事例です。
 
▼詳しいカリキュラムは以下のページから知っていただけます。
https://energyswitch-inc.com/solution/custom/100

■OJTリーダー養成研修(動画視聴型)+フォローアップ研修

OJTが属人的になってしまうと、新入社員のモチベーションを下げてしまうばかりか、 忙しい時間の合間を縫って教えているOJTリーダーの成長にもつながりません。

そこでこの研修では、OJTリーダーに必要なコミュニケーション方法を
動画で何度も学べるようにしながら、フォローアップ研修で、
実際に起こっている問題の改善策を具体化できるようにしました。
 
▼詳しいカリキュラムは以下のページから知っていただけます。
https://energyswitch-inc.com/solution/custom/039

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