シニア人材のやる気を引き出すためには ~活用のポイントと施策の具体例〜
誰でも目標が持てなかったり、やりがいを感じられない仕事をすることは、
ときに苦痛を感じることもあり、また仕事へのモチベーション自体を低下させてしまう
要因にもなります。
こうならないためにも、仕事では何らかの目標を持ったり、やりがいを感じられるような
働き方をすることが、より良い仕事をしていく秘訣といえます。
しかし、これまでの仕事で大抵のことはやり尽くしてしまい、
新たな目標を見つけるのが難しいと感じる人、
普段の仕事からは刺激を受けづらくなり、やりがいも感じられなくなってしまった人、
そんな人たちが、シニア世代の人の中には少なからずいるものです。
少子高齢化で労働人口が減少していく日本では、
シニア世代の社員は、企業にとって貴重な資産です。
豊富な経験と専門知識を持つ彼らのやる気を引き出すことは、
組織の生産性と活力を向上させる鍵となります。
しかし、モチベーションを高めるためには、適切な環境整備や個別対応が不可欠です。
今回のテーマは「シニア人材のやる気」です。
彼らのやる気を引き出すために、職場環境の改善やスキルアップ支援、
コミュニケーションの強化など、詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.シニア人材の活用が求められる背景
- 2.シニア人材のメリット
- 3.シニア人材のやる気を引き出すために
- 3.1.シニア人材の価値観を尊重する
- 3.2.シニア人材の内発的動機を引き出す
- 4.シニア人材の職場環境改善
- 4.1.シニア人材の作業環境
- 4.2.風通しの良さで帰属意識を高める
- 4.3.健康面のサポート
- 5.シニア人材のスキルアップとキャリア開発支援
- 5.1.シニア人材のスキルアップ
- 5.2.シニア人材のキャリア開発
- 5.3.仕事へのマンネリ化を防ぐ
- 6.シニア人材のリーダーシップ
- 6.1.1on1ミーティング
- 6.2.シニア人材のリーダーシップ開発
- 6.3.責任のあるポジション
- 7.シニア人材の育成ならカスタムメイド研修をご利用ください
- 8.エナジースイッチのシニア人材向けカスタムメイド研修事例
- 8.1.■55歳キャリアデザイン研修
- 8.2.■60歳社員『キャリア』研修
シニア人材の活用が求められる背景
総務省の『労働力調査年報』からも分かるとおり、
少子高齢化が加速度的に進んでいる日本では、この先、55歳以上のシニア人材が増え続け、
34歳以下の若手人材は減り続けることが決まっています。
※総務省『労働力調査年報』を参考に作成
そして、同じく総務省の『労働力調査年報』によると、
60歳を迎えた人材の4人に3人は、働き続ける選択をしています。
※総務省『労働力調査年報』を参考に作成
これは、年金受給時期の後ろ倒しや、年金受給額の減少のような
個人の生涯設計の問題もありますが、一方で企業においても、
2013年には希望者全員を65歳まで雇用する義務が課せられ、
2021年には70歳までの就業機会確保が努力義務になったことも背景としてあげられます。
少子高齢化が進む一方で、国民の健康寿命はどんどん長くなるなか、
企業においてはシニア人材の活用が求められているのです。
シニア人材のメリット
昨今、日本における少子高齢化の進行にともない、
労働人口の減少が深刻な問題となっています。
この状況下で、企業が持続的な成長を遂げるためには、
50代以上のシニア人材の活用が不可欠です。
シニア人材は豊富な経験と専門知識を持ち、企業の生産性維持に大きく貢献します。
シニア人材の長所①「豊富な経験と高い能力」
シニア人材は長年の経験と専門知識を蓄積しています。
この長年のキャリアで得た知識と、新しい技術や価値観を融合させることで、
企業の競争力を大幅に強化することができます。
たとえば、新しいデジタル技術の導入に際しても、
・どのような業務がそれを必要としているのか?
・どのような場面でそれを使うのが最も費用対効果があるのか?
と考えられるのは、日々の業務に対する知見が十分に備わった人しかできません。
シニア人材の洞察力や問題解決能力は、日々の仕事の推進だけでなく、
企業にとって新しい価値観を取り入れる際も、必要とされる貴重な資産といえます。
シニア人材の長所②「仕事に対する真摯な姿勢」
シニア人材は若手社員に比べて安定した職務姿勢を持ち、離職率が低い傾向があります。
これは企業にとって彼らが信頼性の高い人材であることを意味します。
若手社員がキャリアの初期段階で転職を考える一方で、
シニア人材は長期的な視点で企業に貢献する姿勢を持っています。
これにより、企業は安定した労働力を確保し、業務の継続性を維持することができます。
国税庁が公表した「令和4年分民間給与実態統計調査」によると、
企業全体の平均勤続年数は12.7年でした。
企業において若手社員は必要不可欠ですが、
50歳の社員が65歳まで働き続けてもらうことも同じくらい重要です。
また、シニア人材は組織内での知識継承と育成にも大いに期待されています。
長年の経験から得たノウハウや業務プロセスを若手社員に伝えることで、
組織全体のスキルアップが図られます。
このように今の会社で長年働いてきたからこそ、育まれてきた仕事への姿勢や、
若手社員の育成にも役立つノウハウは、シニア人材だからこそ持つことができるものです。
企業イメージアップにも繋がるシニア人材活用の取り組み
シニア人材を積極的に活用する企業は、社会的責任を果たすことにも繋がります。
高齢者の雇用促進は社会全体の福祉向上に貢献し、企業のイメージ向上にも寄与します。
そしてシニア人材の活用は、単に労働力を補充するだけでなく、
企業の競争力を高めるための戦略的な施策です。
シニア人材の活用に成功する企業は、生産性向上、持続的成長、イメージアップと、
企業そのものを発展させることができると言っても過言ではありません。
シニア人材のやる気を引き出すために
企業の発展にも寄与するシニア人材ですが、彼らは長年働いてきたからこそ、
新たな目標が持てなかったり、仕事自体のモチベーションが低下しているというような
問題を抱えているケースが多いです。
この問題を解決し、彼らのやる気を引き出すためには、
彼らの価値観や人生経験を尊重することが大切です。
また、画一的なマネジメント手法では彼らのモチベーションを十分に引き出すことは
難しいため、個別対応が不可欠となります。
シニア人材の価値観を尊重する
シニア人材それぞれの価値観や人生経験を尊重することが重要です。
シニア人材は、若手社員とは異なる視点や価値観を持っています。
彼らの過去の経験や成功体験を踏まえたうえで、その価値観を理解し、
尊重することが求められます。
たとえば、家庭や地域社会への貢献を大切にする社員には、
仕事とプライベートのバランスを取りやすい勤務制度を提供することで、
より高い満足度を得られるでしょう。
また、シニア人材の意見や提案を積極的に取り入れる場を設けることで、
彼らの知見を活かしながら仕事を進めていく流れを作ります。
こういったことから、シニア人材は自分の存在価値を会社から認められていると
感じられるようになります。
シニア人材の内発的動機を引き出す
内発的な動機とは、自己成長、達成感、貢献感など、
自らの内側から湧き上がる動機のことを指します。
シニア人材が自身の経験やスキルを活かせる仕事やプロジェクトに参加することで、
自己実現の機会を提供することができます。
たとえば、若手社員のメンターとしての役割を担うことで、
シニア人材は自身の知識を伝える喜びや達成感を得ることができます。
さらに、シニア人材自身も新しい技術や知識を学び続けることで、
シニア人材は自己成長を実感し、やる気を高めることができます。
実は、年長者ほど自己改善に前向きになるといわれています。
シニア世代と呼ばれる年代になっても、自分自身がアップデートされていく感覚を
得られれば、彼らの成長への内発的動機はさらに高まります。
シニア人材の職場環境改善
シニア人材のやる気を引き出すためには、職場環境の改善が重要です。
シニア人材にとって働きやすい環境を整えることで、
彼らの持つ豊富な経験と知識を最大限に活用することができます。
シニア人材の作業環境
シニア人材にとって快適な作業環境を提供することが重要です。
適切な照明、椅子、デスクの配置など、身体的な負担を軽減する設備を整えることで、
シニア人材が快適に仕事を続けられる環境を作ります。
長時間のデスクワークによる身体的ストレスの軽減は、彼らの健康管理に寄与します。
また、適切な照明の確保は、目の疲れを防ぎ、集中力の維持に直結します。
風通しの良さで帰属意識を高める
シニア人材の意見や提案を積極的に取り入れる仕組みを作ることが必要です。
シニア人材は長年の経験を持ち、業務改善や効率化のアイデアを豊富に持っています。
定期的な意見交換会やアンケート調査を実施し、シニア人材の声を反映させることで、
彼らのモチベーションを高めることができます。
これにより、シニア人材は自分の意見が尊重されていると感じ、
職場への帰属意識が向上します。
さらに、フレックスタイム制度やリモートワークの導入など、
柔軟な勤務制度を整えることも重要です。
シニア人材のライフスタイルに合わせた働き方を可能にすることで、
仕事と家庭のバランスを取りやすくなります。
家族の介護が必要な場合や、自身の健康管理のために柔軟な勤務時間が必要な場合にも
対応できるようになります。
健康面のサポート
ストレス管理やメンタルヘルスケアのサポートを充実させることも不可欠です。
シニア人材が心身ともに健康であることが、
長期的なモチベーションの維持には欠かせません。
企業はカウンセリングサービスやリラクゼーションプログラムを提供し、
ストレス管理を支援する体制を整える必要があります。
定期的な健康診断などを通じて、シニア人材の健康維持をサポートすることが大切です。
以上のように、シニア人材のやる気を引き出すためには、
快適な作業環境の提供、意見や提案の取り入れ、柔軟な勤務制度の整備、
ストレス管理とメンタルヘルスケアのサポートなどが重要です。
これらの施策を実施することで、シニア人材が働きやすい環境を整え、
企業全体の生産性と士気を高めることができます。
シニア人材のスキルアップとキャリア開発支援
シニア人材のやる気を引き出すためには、スキルアップとキャリア開発の支援が重要です。
彼らの豊富な経験と知識を活かし、さらに成長し続けるための環境を整えることで、
企業全体の競争力を高めることができます。
シニア人材のスキルアップ
シニア人材に対して定期的な研修やセミナーを提供し、
最新の知識や技術を習得する機会を与えることが重要です。
急速に変化するビジネス環境に対応するためには、
常に新しい情報やスキルを身につける必要があります。
企業は、社内研修だけでなく、オンライン講座や社外研修も活用し、
シニア人材が多様な学習機会を得られるようにサポートします。
これにより、シニア人材は自己成長を実感し、モチベーションを高めることができます。
シニア人材のキャリア開発
シニア人材には、これから先のキャリア目標に合わせたキャリアプランの策定が必要です。
個別のキャリア相談を通じて、具体的なステップを明示し、成長を支援することで、
シニア人材が自分の将来像を明確に描けるようにします。
たとえば、新しいプロジェクトへの参加や専門分野の知識をより高めることを目指す場合、
具体的なスキルや知識を習得するための計画を立て、その進捗を定期的に確認します。
これにより、シニア人材は自己実現に向けた明確な道筋を持ち、
やる気を維持することができます。
また、経験豊富なシニア人材が若手社員を指導するメンター制度の導入も有効です。
シニア人材は自身の知識や経験を若手社員に伝えることで、
組織全体のスキルアップに貢献します。
これは若手社員の成長だけが目的ではありません。
この活動によって、シニア人材はメンターとしての役割を通じてリーダーシップを発揮し、
自己成長につなげることができます。
仕事へのマンネリ化を防ぐ
社内異動や新しいプロジェクトへの参加は、
シニア人材のモチベーションを高めることができます。
新しい役割や責任を与えることで、シニア人材は自分の能力を発揮する場を得ると同時に、
新たな挑戦に取り組む意欲を持つことができます。
これにより、シニア人材はマンネリ化を防ぎ、
常に新しい目標に向かって努力し続けることができます。
シニア人材のリーダーシップ
シニア人材のやる気を引き出すためには、
信頼関係の構築とリーダーシップの育成が重要です。
これには定期的なコミュニケーション、一貫したフィードバック、
そして適切なトレーニングと役割の提供が欠かせません。
1on1ミーティング
シニア人材との信頼関係を築くために、
定期的な一対一のミーティングを実施することが重要です。
このミーティングでは、シニア人材の意見や悩みを丁寧に聞き、
彼らの経験や視点を尊重する姿勢を示すことが大切です。
そして定期的な対話を通じて、シニア人材は自分が組織にとって重要な存在であると感じ、
モチベーションが向上します。
また、こうした対話の場は、企業がシニア人材の潜在的な問題を早期に発見し、
対応するための重要な手段でもあります。
ミーティングでは、ポジティブなフィードバックと改善点をバランスよく伝えることが
求められます。
シニア人材の強みや成果を認めるとともに、成長のための具体的な改善点を提供することで、
彼らの成長意欲を高めることができます。
たとえば、プロジェクトの成功例を称賛する一方で、次のステップとして改善すべき点を
明確に示すことで、シニア人材は自分の役割と期待される成果を理解し、
さらに努力する意欲を持つことができます。
シニア人材のリーダーシップ開発
シニア人材がリーダーシップを発揮できるようになるために、
リーダーシップ研修やマネジメントトレーニングを提供することが必要です。
これにより、シニア人材は最新のリーダーシップ理論やスキルを学び、
実践に活かすことができます。
具体的なトレーニングプログラムとしては、リーダーシップスタイルの理解、
効果的なコミュニケーション技法、問題解決のフレームワークなどが含まれます。
シニア人材がリーダーとしての役割を果たすことで、
自己成長と同時に組織全体のパフォーマンス向上にも寄与します。
さらに、共同作業やグループディスカッションを通じて、
協力体制を強化することも重要です。
シニア人材と若手社員が共に取り組むプロジェクトやディスカッションの場を設けることで、
相互理解が深まり、協力関係が築かれます。
シニア人材の豊富な経験と若手社員の新しい視点が融合することで、
創造的な解決策や新しいアイデアが生まれやすくなります。
責任のあるポジション
シニア人材にプロジェクトリーダーやメンターポジションなど、
責任ある役割を提供することも重要です。
これにより、シニア人材は自分の経験と知識を活かす場を得て、
組織への貢献度を実感できます。
責任ある役割を担うことで、シニア人材は自分の仕事に対する誇りと達成感を持ち、
モチベーションが向上します。
また、メンターとして若手社員を指導することで、
シニア人材自身もリーダーシップスキルをさらに磨くことができます。
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