集合研修のメリットとは ~オンライン研修・e-learningとの比較やメリット・デメリットをご紹介~
人的資本経営という言葉が投資家などから注目を集めている昨今、
社員への“投資”施策のひとつである、教育研修の重要性が増しています。
企業がおこなう研修には、新入社員研修や管理職研修、
テーマ別におこなわれるスキル研修やキャリア研修など、数多くの種類があります。
そこで研修担当者の頭を悩ませている問題のひとつが、最適な研修形式の選択です。
これは、研修を対面で実施するか、
オンラインでライブ配信するか、あるいはe-learningで実施するか、
どの選択肢が企業や受講者にとってベストか、ということです。
新型コロナウイルス感染症の流行により、オンライン研修やe-learningが根付きましたが、
一方で集合研修の効果や重要性が見直されています。
そこでこのコラムでは、集合研修のメリットやデメリット、
集合研修を効果的に活用するポイントをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.集合研修とは
- 2.集合研修のメリット
- 2.1.①実践的なトレーニングができる
- 2.2.②受講者同士のコミュニケーションが活発になる
- 2.3.③受講者同士の関係構築が早く、深い
- 3.集合研修のデメリット
- 3.1.①コストが高くなりやすい
- 3.2.②手間がかかる
- 3.3.③打ち上げ花火のようなイベントで終わりやすい
- 4.オンライン研修とは
- 5.e-learningとは
- 6.集合研修とオンライン研修、e-learningとの比較
- 6.1.①コスト
- 6.2.②研修場所
- 6.3.③事務局の負担
- 6.4.④向いている研修
- 6.5.⑤研修受講回数
- 6.6.⑥受講姿勢
- 6.7.⑦講師との関わり
- 6.8.⑧インタラクティブなやりとり
- 6.9.⑨受講者同士の関係構築
- 7.集合研修を最大限効果的にするポイント
- 8.エナジースイッチのカスタムメイド研修ならどんなニーズにも対応
- 9.エナジースイッチのカスタムメイド研修導入事例
- 10.まとめ
集合研修とは
集合研修とは、
研修講師と複数の受講者が同じ場所に集まり、対面形式で実施する研修のことです。
一般的に、数名~24名程度が一箇所に集合しますが、
30名以上、多いときには数百名が一度に集まるケースもあります。
コロナ禍までの研修といえば、この集合研修がほとんどでした。
研修には階層別でおこなうものやテーマ別でおこなうもの、
キャリア研修のように同世代を集めるものなど、さまざまな種類があり、
その目的や内容はさまざまです。
また、社内で企画し社内で実施する研修もあれば、
社外に委託して実施する研修もあります。
関連するコラムもぜひご覧ください。
■階層別研修と選抜研修の違いと効果的に実践するためのポイント
https://energyswitch-inc.com/archives/_colume_hierarchical_training
■研修効果を高める研修会社の選び方と外部研修のメリット・デメリット
https://energyswitch-inc.com/archives/column_choose-training-company
集合研修のメリット
ここからは、集合研修の代表的なメリットを3つご紹介します。
①実践的なトレーニングができる
研修は学んで終わりではありません。
多くの研修担当者が、
研修で学んだことをひとつでもいいから実際に活かしてほしいと願っています。
集合研修では、演習やロールプレイを通じて、
より実践に近いシーンを再現してトレーニングすることが可能です。
②受講者同士のコミュニケーションが活発になる
せっかく受講者を集めて研修を実施するのであれば、有意義な研修にしたいですよね。
研修を有意義にするためのポイントのひとつが、グループワークです。
集合研修では、グループワークの様子を研修講師が俯瞰してみることができます。
盛り上がっていないグループに介入したり、
視野が狭くなっているグループの思考の幅を広げることで、
グループワークでの意見交換を活発にできるのが、集合研修の大きなメリットです。
また、質問にその場ですぐに答えたり、気になる点をフィードバックしやすくもなります。
③受講者同士の関係構築が早く、深い
集合研修の目的のひとつに、受講者同士の交流を通じた人間関係構築があります。
脳科学では、オンラインでのコミュニケーションだと共感が生まれにくい、
というデータもあります。
相手と対面で会えると、関係構築が早くなり研修も盛り上がりやすいですし、
お互いをより深く理解しあうことができます。
その結果、
「集団で考えたからこそ、自分で思っていたよりも良いアウトプットが生まれた」
「自分ひとりでは思いつかなかったようなアイデアを生むことができた」
「自分では納得いかない考えもあったが、視野を広げるいい機会になった」
など、集合するからこそ得られる効果を、対面でさらに高めることが期待できます。
また、研修後も受講者同士でつながりを維持してもらいやすくもなります。
集合研修のデメリット
次に、集合研修のおもなデメリットを3つご紹介します。
①コストが高くなりやすい
集合研修のもっとも代表的なデメリットが、コストです。
集合研修やライブ型のオンライン研修では、
受講者が通常業務を離れて参加しますので、
生産活動に参加しないという人件費が発生します。
さらに集合研修では、
交通費にくわえ、場合によっては宿泊費や研修会場費も発生します。
また、外部に研修を委託する場合には、外部に支払うコストも発生します。
②手間がかかる
集合研修では、研修講師や受講者、研修会場、
運営する研修担当者の方々のスケジュールを調整しなくてはいけません。
スケジュール調整だけでなく、カリキュラム内容の調整や受講者リストの作成、
事前課題・事後課題の対応、当日のアテンドや欠席者対応など、多くの労力がかかります。
ただでさえ忙しい人事にとって、集合研修の準備は大きな負担となります。
ですので、研修をプロの外部に委託したほうが、
結果として費用対効果を高められるケースも多いです。
③打ち上げ花火のようなイベントで終わりやすい
研修当日は、いつもと違う環境で新しいことを学ぶことができ、
一時的にモチベーションも高まりますが、現場に戻ったら結局忘れ去られてしまう、
ということがよくあります。
集合研修では、研修前後を活用して学びを定着させる仕掛けをおこなわないと、
結果として何ひとつ業務で活かしてもらえなかった、となってしまいがちです。
対面で会って交流することを目的とする研修もありますが、
せっかく研修を実施するのであれば、研修での学びを現場で活かしてほしいですよね。
研修を打ち上げ花火のように終わらせないための研修企画のポイントは、
以下のコラムから知っていただけます。
https://energyswitch-inc.com/archives/column_training_plan
オンライン研修とは
オンライン研修にはライブ型と録画型の2種類がありますが、
ここでは、ZoomやTeamsなどのWeb会議システムを入れたパソコンやスマートフォンを
通じておこなうライブ形式の研修を、オンライン研修と呼びます。
つまり、遠隔拠点にいる複数の受講者に、同時刻に参加してもらい、
ライブ配信で研修をおこなうのがオンライン研修です。
オンライン研修には、
それぞれの受講者が自宅やオフィスなどから受講する『個別参加型』のものと、
会議室や社員用スペースなどから複数人が同じ場所で接続して受講する『多拠点参加型』
のものがあります。
e-learningとは
オンライン研修の1種ではありますが、
ここでは、あらかじめ録画された動画コンテンツや教材を配信する形式の研修を、
e-learningと呼びます。
ライブ配信をすることはないので、講師からのフィードバックを受けられませんし、
ほとんどのケースで受講者が同時に接続することもないので、
双方向のコミュニケーションは発生しません。
ただ、受講者はいつでもどこでも好きなときに研修を受講することができますし、
何度でも繰り返し視聴することも可能です。
集合研修とオンライン研修、e-learningとの比較
ここからは、集合研修とオンライン研修、e-learningとの違いを、
9つのポイントにわけてご紹介します。
①コスト
コスト面だけをみると、集合研修は、交通費や宿泊費、研修会場費、
研修講師やスタッフへのフィーなどが発生し、もっとも負担が大きくなります。
オンライン研修はPCさえ準備できていれば、交通費や宿泊費がかからず、
集合研修よりもコストを抑えて実施できます。
さらにe-learningは、費用を月額・1人当たりで設定している場合が多く、
繰り返し視聴することも可能なので、もっとも安価です。
一方で、研修の費用対効果で考えると、
必ずしもe-learningがもっとも良い選択肢となるわけではありません。
効果がなければ、安価だろうとかかった費用は無駄になるだけです。
実施したい研修の特徴をふまえて、もっとも効果的な研修を選択しましょう。
②研修場所
集合研修は会場が必要ですが、オンライン研修やe-learningはどこからでも受講できます。
ただし、ライブ型でおこなわれるオンライン研修では、
通信環境が悪いとまともに受講できずに時間を無駄にしてしまうことがありますので、
その点だけ注意しましょう。
③事務局の負担
研修準備は、少数精鋭であることが多い研修担当部隊にとって大きな負担です。
e-learningは、プラットフォームさえ導入してしまえば、スケジュール調整や
研修テキストの準備などをする必要がなく、負担を減らすことができます。
集合研修やオンライン研修の場合には、外注をうまく活用して、
事務局の負担を減らしつつ、効果の高い研修を実現することがおすすめです。
④向いている研修
集合研修やオンライン研修のメリットのひとつは、通常業務から離れた場所で、
同じ年代や悩みを抱える受講者を集めて、みんなで刺激しあえる機会を与えられることです。
インプット系や資格取得のための勉強などはe-learningでも十分ですが、
それ以外の階層別研修やスキル研修、キャリア研修などの多くの研修は、
集合研修やオンライン研修のほうが効果を高められることが多いです。
そのなかでも対面でおこなう集合研修では、とくに受講者同士で関係構築しやすいため、
同年代や同じ役職の人を集める研修や、
企業風土をより良くしようとするダイバーシティ推進研修などで活用されています。
⑤研修受講回数
e-learningは何回でも受講できるのが大きなメリットです。
集合研修やオンライン研修は基本1回きりですが、
オンライン研修では復習用に動画を用意することもあります。
ただし、何回も受講できることと、現場で活かされることは別問題です。
1回だけの集合研修やオンライン研修でも、
研修前後の設計をしっかりと考えることで、効果を高めることが可能です。
⑥受講姿勢
e-learningでよくあるお悩みが、プラットフォームを準備したものの、
結局特定の少数の社員しか活用していない、というものです。
受講者は日々の業務で忙しく、あえて研修動画を見ようという人は限られます。
集合研修やオンライン研修では、強制的に日常の業務から離すことができますので、
受講姿勢を前向きにしやすくなります。
⑦講師との関わり
集合研修やオンライン研修では、
講師からその場でフィードバックをもらえたり、質問に答えてもらえます。
また、集合研修では、講師が受講者の顔やワークの手元をみることができますので、
受講者から何か発言しなくても、フォローしてもらえる機会が増えます。
⑧インタラクティブなやりとり
集合研修では、周りがざわざわしているなかでグループワークなどに取り組めますので、
インタラクティブなやりとりが活発になりやすいといえます。
とくにグループワークでは、講師が研修会場全体を俯瞰してみることができますので、
講師の介入が得られやすくなり、より学びを深めることができます。
オンライン研修でも、チャットや投票、ホワイトボード機能などを活用して
インタラクティブなやり取りを促進できます。
みんなのなかで発言することをためらう受講者も多く、
オンライン研修のほうが多く質問が出ることも多いです。
それぞれのメリットを活かせるように、研修形式を決めることがおすすめです。
⑨受講者同士の関係構築
集合研修では、受講者同士の交流を通じた関係構築が促進されやすいといえます。
集合研修のほうが、共感が生まれやすいといわれているからです。
お互いをより深く理解しあったり、
研修後も受講者同士のつながりを維持してほしい場合などには、集合研修を活用しましょう。
集合研修を最大限効果的にするポイント
集合研修は、
ただ新しい知識をインプットしたり、スキルを習得することだけが目的ではありません。
外部講師と触れることによって視野を広めることもできますし、
ほかの受講者と関わることによって考えが深まったり、新たな気づきを得ることもできます。
また、チームワークの向上や、企業理念への共感を深めることなども目指せます。
では、集合研修を最大限効果的にするにはどうしたらいいのでしょうか。
ここでは、2つのポイントをご紹介します。
①オンライン研修やe-learningとうまく組み合わせる
ブレンディッドラーニング、という言葉も使われていますが、
集合研修とオンライン研修、あるいは集合研修とe-learningを組み合わせて実施します。
たとえば、
・事前のインプットを動画によっておこない、集合研修ではグループワークなどの
インタラクティブな交流を中心におこなう
・研修後の振り返りを動画でおこなう
・複数日程の研修の場合は、集合研修とライブ型のオンライン研修のメリットを
それぞれ最大限に活かせるよう組み合わせる
などをおこなうと、集合研修の効果を最大限高めることができます。
②研修に一貫性をもたせる
研修前後の取り組みを設計したり、
別の研修での学びをうまく接続したりするなど、実施する研修に一貫性をもたせ、
研修をプロジェクトのようにすると、研修効果を高めることができます。
そのために重要なのが、研修プログラムをカスタマイズでつくることと、
それぞれの研修でベストな講師に登壇してもらうことです。
内製したほうがいい場合もありますが、自社内で研修の設計〜実施までおこなうことは、
研修担当者にとって負担が大きく、かえって費用対効果が悪くなることもあります。
とくに研修前後の取り組みまで設計したり、
別の研修での学びをうまくつなげたりすることは至難のわざです。
そこで、より効果的な研修にするためには、プロの力を借りることも大切です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきたことで、多くの研修担当者の方が、
「どの形式の研修を選択するのがベストか分からない」
とお悩みを抱えています。
集合研修には集合研修の、オンライン研修にはオンライン研修のメリットがあり、
それはe-learningも同様です。
この記事では、集合研修のメリットや向いている研修、
オンライン研修とe-learningとの比較をご紹介しました。
この記事が、研修効果を最大化するために、
どの形式の研修を選ぶか迷っている研修担当者の方のお悩みの解決に
少しでもお役に立てましたら幸いです。