研修計画ってどうするの? ~研修前後も含めた全体の流れやプログラムのつくり方、失敗しないためのポイントについて解説~
研修計画は、企業の発展を担う人材を育成するときに欠かせないものです。
労働生産人口が減少している現代では、企業が求める優秀な人材が採用しづらくなっています。
また、官民両方で人的資本経営という言葉が注目を集めており、人材育成への投資など、
人的資本に関する情報開示も求められるようになっています。
人的資本経営については、関連するこちらのコラムから詳しく知っていただけます。
このように、これまで以上に人材育成の重要性が叫ばれているなか、
人事は研修とその計画をどのように進めていけばよいのでしょうか。
このコラムでは、完全オーダーメイドで研修を提供してきた15年のノウハウをもとに、
研修企画の進め方と効果性の高い研修設計方法をご紹介します。
目次[非表示]
- 1.研修計画とは
- 2.研修を実施する目的とは
- 3.効果のない研修プログラムにさせない2つのポイント
- 4.研修プログラムを設計する前にやるべき3つのこと
- 4.1.■研修対象者を決める
- 4.2.■研修の目的とゴールを決める
- 4.3.■研修に最適な受講形式を決める
- 5.研修を内製するか外部委託するかを判断する4つの基準
- 6.研修当日のプログラム内容を設計する ~研修実施を難しくする3つのポイント~
- 6.1.①拘束時間が長い
- 6.2.②多様な受講者が集まる
- 6.3.③業務に役立ててもらえるようにする
- 7.研修プログラム設計の2つのステップ
- 7.1.①研修全体を構成する
- 7.2.②バリエーションを考える
- 8.研修実施後の計画を立てる ~PDCAを回せる研修にするための評価設定とは~
- 9.研修効果を持続させる研修転移とは
- 10.さいごに
- 11.社内講師育成事例紹介
研修計画とは
研修計画とは、
企業や組織全体で一年間に取り組む人材育成施策の全体計画を立てることを指します。
人材育成施策の軸となる階層別研修をはじめ、選抜研修やテーマ別研修など、
年間を通じて取り組むべき研修を中心にした育成計画を立てます。
階層別研修と選抜研修の違いについてはこちらのコラムから知っていただけます。
テーマ別研修には、コンプライアンス研修やD&I推進研修、DX推進研修など、
全社員を巻き込んで実施するものもあれば、
スキル研修のように、特定の部署や人に向けて実施するものもあります。
ほかにもキャリア研修のように、
社員の人生がより充実したものになるように実施する研修があります。
人事や育成担当者は、
これらさまざまな研修を組織の状況によって組み合わせたり取捨選択して、
「誰に対して」「どのような研修」を「いつ行うか」を整理し、
予算を調整しながら年間計画を立てる必要があります。
研修を実施する目的とは
研修は、受講者にとって必要だと思うことや喜んでもらえそうなことを
おこなえばいいというものではありません。
同僚や他社の教育担当者から、とある研修やトレーナーをおすすめされて、
事前に内容を確認したうえで研修を実施したのに、受講者の反応が良くなく、
アンケート結果も芳しくなかった、ということがよくあります。
このように、
「誰に対して研修をおこなうか」、「どんな研修を実施するか」から考えて
研修を実施すると、多くのケースで失敗してしまいます。
研修とは、中期経営計画や組織戦略、求める人物像などから求めるゴールを設定して、
なぜその研修なのか、から考える必要があります。
会社が置かれている状況や、
組織の人的課題や問題を解決するために実施するのが研修です。
ここでいう問題とは、目標と現状とのギャップのことです。
たとえば、「仕事が多くてタスク管理ができない」、
「上司と部下とのコミュニケーションがうまくかみ合わない」など
日々現場で働いている受講者の不安や課題と、
企業が目標とする人材像などを合わせて、
双方の問題を解決するための研修を企画して初めて、会社と受講者から喜ばれるのです。
効果のない研修プログラムにさせない2つのポイント
せっかく研修を企画・実施したのに一生懸命なのは研修企画側だけだった、
なんていうことがよくあります。
人事・育成担当者を悩ませる大きな問題のひとつに、
「研修を実施しても目にみえる効果が表れず、受講者やその上司から意味がなかったと
思われてしまう」ことがあるのではないでしょうか。
研修における費用対効果を定量的に測ることは難しく、
だからこそ受講者やその上司に「効果のない研修だった」と評価されてしまうと
その影響は大きく、育成担当者にとっては大きな痛手となってしまいます。
そんな評価を避けるためにも、効果のない研修プログラムに
ならないポイントを知ることは非常に重要です。
そのポイントとは、以下の2つです。
ひとつは、研修前と研修後を含めて設計しているか、
もうひとつは、研修と研修との「つながり」を考えて設計しているかです。
多くの場合、
研修というと「どのような内容で研修を実施するか」だけに注目されがちです。
しかし、ウェストミシガン大学のロバート・ブリンカーホフ教授の研究では、
効果のない研修プログラムの原因と比重を以下のようにまとめています。
・上司の理解・支援、本人のレディネスなど(研修前準備)・・・40%
・プログラムの仕事との関連、双方向型かどうかなど(研修内容)・・・20%
・受講後の評価・追いかけ、実務での活用機会など(研修後)・・・40%
一般的に最も重要だと思われがちな「研修内容」が研修全体に与える影響は、
20%にしか過ぎないといわれています。
実際は、研修前の準備、研修後の振り返りのほうが重要なのです。
研修内容だけではなく、研修前と研修後も含めて設計することで、
PDCAサイクルを回し続けるあことができるようにもなるメリットもあります。
加えて、研修と研修との「つながり」も考えなくてはいけません。
たとえば、「女性管理職比率が増えない」という課題に対して
研修を実施する際、女性に向けたリーダー育成研修を実施することがあります。
その際、上司向けの、たとえば管理職研修のなかに、
自分がもっているアンコンシャスバイアスに気づくセクションをいれると、
異なる研修同士をつなぐことができます。
また、Aという研修でおこなったことの一部が、Bという研修にも含まれていて、
同じことを学ばされた、というのも受講者からよく出る不満です。
研修と研修の間は、しっかりと「つなぐ」必要があります。
研修プログラムを設計する前にやるべき3つのこと
全体的な研修計画をつくったら、次は個別の研修プログラムを設計します。
実際に研修プログラムを設計するときには、設計を始める前に
・研修対象者を決める
・研修の目的とゴールを決める
・研修に最適な受講形式を決める
ことが重要です。
■研修対象者を決める
研修の対象者によって、研修内容は大幅に変わります。
新入社員向けなのか管理職向けなのか、や、初級者向けなのか中級者向けなのかなど、
事前に対象者をしぼると、具体的な内容を検討しやすくなります。
それぞれの対象層に求められるスキルや能力は異なります。
研修を計画するときには、その前にまず対象者の区分けをすることが大切です。
■研修の目的とゴールを決める
受講者に意味がないといわれない研修にするためには、
研修そのものの「目的」と「ゴール」を設定することが必須です。
目的は「なぜこの研修を実施するのか」という問いから言語化します。
ゴールは、「研修後、受講者にどのような状態になってほしいのか、
またその達成状況はどの程度か」を知識、スキル、マインドの観点から明文化します。
前述のとおり、問題を解決するために研修を実施しますので、研修では
「わかる」で終わるのではなく、「できる」レベルまで
受講者を到達させることが目標です。
そのためには企業のことはもちろん、
受講者の現状も理解し、ゴールを決めることが重要です。
受講者の属性、仕事内容、勤続年数などの基本情報に加え、
習得しているスキルや意識レベル、モチベーション、現状抱えている課題など、
受講者のことを理解するからこそ、適切なゴールを決められます。
受講者が研修に参加した後、どのような状態になっているかを
具体的にイメージできるような研修ゴールを設定することがポイントです。
こうして決めた研修の目的・ゴールを、あらかじめ受講者やその上司と握ることで、
受講者に意味のある研修を提供できるようになります。
さらに、そうすることで、研修企画の土台ができ、研修設計・実施にブレがなくなり、
研修実施後の適切な評価にもつながります。
■研修に最適な受講形式を決める
コロナを経験したおかげで、研修の実施形式もバリエーションが出てきました。
受講者の移動や、会議室などの研修会場の確保、研修機材や備品の手配など、
集合研修をおこなうにはさまざまな面倒ごとがあります。
移動はもちろん、会場確保に費用がかかることもあります。
そこで最近では、
受講者や研修の特徴によって、最適な受講形式を選ぶ必要が出てきました。
つまり、集合研修がいいのか、オンライン研修がいいのか、
あるいは両者を組み合わせた研修がいいのか、を人事・育成担当者は選ぶ必要があります。
もちろん場合によっては、eラーニングのような、双方向になりにくい研修も有効です。
研修を内製するか外部委託するかを判断する4つの基準
ここまで決めたら、次は研修講師選びです。
研修講師を決めるにあたり、まず迷う点は、研修を自社の社員がおこなうのか、
それとも研修専門の会社に外部委託するのか、ではないでしょうか。
研修講師選びは、非常に重要な問題です。
「誰が話すのか」によって、同じ内容でも受け入れてもらえないことが多々あります。
研修を自社の社員でおこなうのか、外部専門家に委託するのか、の判断基準は、
以下の4つです。
・研修内容
・社内の組織事情
・コスト
・専門的な設備やツールを必要か
これら4つの判断基準の詳しい解説や、外部講師選定のポイントは、
こちらのコラムから知っていただけます。ぜひご覧ください。
研修当日のプログラム内容を設計する ~研修実施を難しくする
3つのポイント~
ここまで、研修プログラムをつくる前に人事・育成担当者が実施する準備について
説明してきました。
次はいよいよ研修当日のプログラム内容づくりです。ここからは、
研修実施を難しくするポイントと、研修設計のステップをご紹介します。
研修は、受講者の方から「つまらなかった」と言われがちです。なぜ、研修がつまらない、
となってしまうのでしょうか。研修に特有の難しさには、以下の3つがあります。
①拘束時間が長い
研修は多くの場合、2時間以上と長時間にわたって複数の受講者を拘束します。
複数の相手を長時間拘束することへのリターンが求められ、
下手な研修では満足度が大きく下がり、研修の効果も著しく減少します。
また、研修ではさまざまな話を聞きますので、途中で目的を見失うこともよくあります。
②多様な受講者が集まる
研修では多様な受講者が一度に集まります。
ダイバーシティ&インクルージョンが推進されてきたこともあり、
受講者の個性はさまざまです。
ですので、受講者の個性に合わせて研修講師や研修内容を調整する必要があります。
また、大人は子ども以上に飽きやすいともいわれています。
双方向のやり取りが生じる進行にするなど、飽きさせない工夫も必要です。
特に階層別研修やキャリア研修など、
年代や階層で分けて受講者を集めて実施する研修の場合には、
モチベーションが大きく異なる受講者を上手に巻き込まなくてはいけません。
③業務に役立ててもらえるようにする
研修は、受講者の成長を促すために実施されます。
研修後には、知識・スキルの習得やマインドの変化が期待されます。
一方、大人が学習する時には、過去の自分のやり方を反省するなど「痛み」が伴います。
結果、ネガティブな感情が生まれ、斜に構えて自分ごとにしない受講者もいます。
そんな感情を乗り越え研修後に行動が変わるように、受講者をうまく巻き込みながら
研修を実施し、さらには「元気づけて」現場に戻すことが必要です。
研修プログラム設計の2つのステップ
繰り返しになりますが、研修は、会社や受講者の問題解決のために実施されます。
そのため、研修前の受講者像と研修後の受講者像の変化を具体的にイメージする必要があります。
ですので、研修は、研修特有の難しさを考慮しながら、
受講者が変化する様子を思い浮かてストーリーをつくらなくてはいけません。
ストーリーのある研修を設計するための2つのステップをご紹介します。
①研修全体を構成する
研修は大きく分けるとオープニング、研修本編、クロージングの3部構成です。
一般的に、オープニングでは研修ゴールの確認や受講者に関する情報収集をおこない、
メインアクティビティで受講者の問題解決を目指し、
クロージングで今後の目標や計画の立案などを通じて学びの定着をねらいます。
特に重要なのがオープニングです。
本心ではは面倒くさいと思いながらしぶしぶ研修に参加する受講者もいますし、
慣れない場に落ち着かない受講者もいます。
そんな受講者の緊張の壁を取り払いつつ場に巻き込むファシリテーションが求めれます。
また、研修冒頭に研修の目的やメリットなどを説明することで、
研修参加の意義を明らかにすることで、受講者の目線を合わせます。
研修本編では、「90・20・8の法則」を意識して
プログラムを組み立てるのがコツです。
・90:人が理解しながら話を聴けるのは90分まで
・20:人が記憶しながら話を聴けるのは20分まで
・8 :人が飽きずに集中して話を聴けるのは8分まで
という法則です。
この法則を意識しながら、飽きられないような研修本編を設計します。
クロージングでは、研修内容をおさらいし、
受講者が学んだことを現場で実践してもらえるよう元気づけて送り出します。
研修の最後が最も記憶に残りやすいといわれており、丁寧なデザインが必要です。
②バリエーションを考える
先ほどから説明している通り、研修には多様な受講者が参加します。
人によって得意とする学び方はさまざまです。
そのため、なるべく多様な学び方をミックスしたほうが、
多人数で集まる研修では効果が見込めます。
研修での学びを促す手法としては、グループディスカッションやケーススタディ、ワーク、
ロールプレイ、診断ツールの活用などがあります。
講義に加え、これらの手法をうまく配置することで、学びや対話を促し、
受講者に気づきを与え、
実務での活用イメージを持たせられるようストーリーを組み立てます。
効果の高い研修本編を設計しようとすると、
研修について詳しくない社内講師では難しい場合もあります。
自信がない場合は、研修プログラムの設計は、
出来ればプロに相談したほうが研修効果を高める研修プログラムが出来上がります。
また、社内講師を育成する支援もございます。
無料の情報収集にも喜んで対応いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!
研修実施後の計画を立てる ~PDCAを回せる研修にするための
評価設定とは~
前述のとおり、研修後の振り返りも、効果のある研修にするためには重要です。
研修実施後の計画もあらかじめ立てておくことで、
受講者の変化や成長などを確認したり、設定した研修ゴールに対する効果を見極めて
PDCAを回し、より良い研修にしていくことができます。
研修効果の測定法として最も有名なのが、
以下の図で有名なカーク・パトリックの4段階評価法です。
ここでは、レベル1~レベル3でどのような確認方法があるのか簡単にご紹介します。
もっと詳しく知りたい方は、こちらのコラムをご覧ください。
■レベル1:Reaction
受講者アンケートを使い、研修直後に研修内容やトレーナー、
テキストに関する「満足度」や「有益度」を測定します。
この受講者アンケートは最も広く活用されており、簡単に測定できますが、
受講者満足度が高いからといって、研修効果のインパクトが大きいとはいえません。
■レベル2:Learning
こちらも比較的簡単に測定ができます。
たとえば、研修前後でテストをおこない受講者の理解度や改善レベルを測定したり、
研修中にロールプレイを通じて受講者のスキル習得度を把握する方法があります。
受講者アンケートでの満足度調査よりも、研修効果のインパクトは大きいといえます。
■レベル3:Behavior
だんだんと測定の難易度が上がってきますので、
ここまで実施できるかは企業ごとによって異なります。
ですが、これを測定し、改善していけると研修効果に対する影響は非常に大きくなります。
たとえば、研修後に受講者の態度や行動に変化がみられたか本人はもちろん、
その上司に確認したり、
研修中に立てたアクションプランを受講者がどの程度実践したかを確認します。
確認する期間も、研修直後だけではなく
1か月後、3か月後、6か月後と長期にわたり継続的に測定していきます。
研修効果を持続させる研修転移とは
研修の効果は、時間が経つにつれて減少していきます。ですので、
行動評価の仕組みをつくるのと同時に、
研修で学習した内容を行動につなげる施策の実行も必要です。
研修で学習した内容を行動につなげる施策を考える上で、
非常に参考になる考え方が研修転移(ラーニング・トランスファー)です。
研修転移(ラーニング・トランスファー)は、2018年にダイヤモンド社から発刊された書籍
「研修転移の理論と実践」(中原淳・島村公俊・鈴木英智佳・関根雅泰共著)
で紹介されて以来、学習を行動に活かす考え方として注目されています。
研修転移(ラーニング・トランスファー)とは、
研修で学んだことがしっかり身に付き、仕事で役立てるものに変わることです。
研修の効果を定着させるために最も重要なことが
「研修前の上司との関わり」といわれています。
次いで「研修前の研修講師との関わり」、「研修後の上司との関わり」と続いていきます。
一般的には研修中に講師から何を学べるか、に注目されがちですが、
研修の効果を定着させるためには研修前後の上司の関わりが、とくに重要なのです。
ですので研修講師は、たとえば事前課題を通じて受講者に上司のインタビューをしてもらい、
研修後に上司へ報告をしてもらうなどの工夫をしています。
人事・育成担当者は、研修効果を持続させるために、
研修の企画から運営に至る全体を管理することが必要です。
研修は、やりっぱなしの一時的なイベントだと思われることがありますが、
実はそうではなく、長期にわたり色々な関係者が関与する
「プロジェクト」のようなものといえるのです。
さいごに
「70:20:10の法則」という言葉は有名なので、
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
アメリカのリーダシップ研究の調査機関ロミンガー社による、
大人の学びや成長を決める要素を比率で表したものです。
学習の70%は、実際の仕事経験によって起こり、
20%は他者との関わりによって起こり、
残りの10%は教室での学習機会によって起こる、
とする考え方です。
このことから分かるように、
大人の学びや成長には教室での学習機会に含まれる研修だけでは限界があります。
研修は万能薬ではありません。
せいぜい漢方薬程度にしかなりません。
ビジネスパーソンのほとんどが、仕事での修羅場体験を通じて成長を実感します。
ただ、たとえば職場で修羅場を経験したときに、その壁を乗り越える人もいれば、
スルーして見ないふりをする人、壁を前にして折れてしまう人もいます。
そんな、人によってさまざまな課題に対する向き合い方を、
研修によって修羅場を乗り越えようとするビジネスパーソンのマインドに醸成すること
は出来ると考えています。
また、多くのビジネスパーソンは日々目先の業務をこなすことに精一杯だったり、
結果のチェックばかりでPDCAが回せない状況になってしまうと、
視野狭窄やマンネリ、改善意欲の減退、停滞が起こります。
そんなときに威力を発揮するのが、日常の仕事を離れて実施される研修です。
研修を通じて他の受講者やトレーナーと関わり、
視野が広がったり“気づき”を得ることができます。
弊社では、個社ごとにフルスクラッチのカスタムメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが450名以上おり、
個社ごとに合った研修を、バリエーション豊富にプロデュースできます。
本記事を参考に、ぜひご一緒に、自社に合った研修を設計してみてはいかがでしょうか。
お問い合わせもぜひお待ちしております!
社内講師育成事例紹介
研修を外注して実施するだけではなく、研修を内製化するために社内講師を育成することも
増えています。
社内講師は多くの場合、社内にも見識があり、経験もある方が選ばれるので、人前で話をする
プレゼンに慣れている方がほとんどです。ですが、長い場合には丸一日しゃべり続ける研修講師に必要なスキルとプレゼンスキルは似て非なるものです。
研修での場づくりや学びの設計について知ることで、社内でおこなわれる研修をより意味のある
ものにすることができます。
今回は弊社が実施した事例の中から、インターバル課題を活用しながら全5回に分けて
研修の設計から実践、振り返りまでをおこなった社内講師育成研修をご紹介します。
【研修事例】
テーマ:
社内講師育成プログラム
ねらい:
・社内講師の方に「研修の企画・設計・評価」に関する一連のプロセスを体系的に理解する
・社内講師の方が効果性の高い研修プログラムを完成させられるようになる
内容:
①DAY1:研修の企画
オープニングで「人に教えるスキル」を教わることがめったにないことを説明し、経営層の方からメッセージをもらうことで、社内講師を担うことに対するモチベーションを高めます。
本編では研修企画の基礎を学んでいただき、受講者に「意味がない」といわれない研修にするためには、研修ゴールを設定することが重要だということを理解してもらいます。
最後に、社内講師として研修を実施する時に、受講者の現状と目標を考えるために必要な項目を
説明し、次回研修までのインターバル課題に取り組みます。
②DAY2:研修の評価
取り組んだインターバル課題を共有しあい、
・ターゲットとなる「受講者」は明確に絞り込まれているか
・「研修ゴール」は研修内で達成できるものになっているか
など、研修企画をブラッシュアップするために必要な観点をフィードバックします。
本編では、実施した研修の効果を測定するものさしと測定方法について学び、効果を持続させる
ために講師ができることや、研修設計時に考えておくべき仕掛けや、研修効果を高めるための工夫を考え、インターバル課題に取り組みます。
③DAY3:研修の設計(前編)
取り組んだインターバル課題を共有しあい、
・効果性を高める工夫にはどんなものがあるか
・その施策は自身が想定している研修時間内で出来る内容になっているか
などについてフィードバックします。
本編では、長時間話す研修の難しさについて理解した後、受講者を意図した「研修ゴール」
に導くために必要な、研修設計の3ステップを習得します。インターバル課題では、
研修設計フォーマットをもとに、自身がおこなう研修を設計することに取り組みます。
④DAY4:研修の設計(後編)
取り組んだインターバル課題を共有しあい、研修設計では、研修のオープニング部分も
重要であることをフィードバックします。本編では、受講者の方を巻き込む場づくりのための
オープニングの手法を習得し、研修教材のポイントについても学びます。
ここまで4回の研修を通じて、研修づくりを体系的に理解していただき、研修のPDCAが回せる
研修設計の習得を通じて、インターバル期間で研修を実際におこないます。
⑤DAY5:研修の実施
実際に社内講師として研修をおこなったことを通じて、オープニングからクロージングまでの
進め方と、研修中におこった受講者の変化について考え、
・受講者を「受け身にさせない」始め方のポイントが理解できている
・受講者に「学びと気づきを促す」進め方が理解できている
・受講者の「集中力を持続させる」進め方のヒントが得られている
状態にしていき今後「自信」と「想い」を持って社内研修を提供できるようになってもらいます。