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“組織への貢献意識が低い”若手社員と一緒に成果をあげるチームづくりのポイント

管理職やチームリーダーと今抱えている悩み について話をすると、

・経営サイドと現場チームとの板挟み
・自分自身の作業に手一杯でマネジメント業務まで手が回らない
・自分の説明力不足など

人間関係から自身のスキルの悩みまで様々なものを聞きます。
その数ある悩みの中でもよく聞くのが、若手社員に関する悩みです。

たとえば、
「若手社員に対して十分なトレーニングが出来ない」
「待遇を変えても離職率がなかなか下がらない」
「若手社員の貢献意識が低いと感じる」
などです。

いつの時代でも、どんな場所でも、世代間の価値観の違いはあるものです。
今の上司や先輩社員も、10年20年前は、当時の上司や先輩社員から、
「何を考えているかわからない」「貢献意識が感じられない」と言われていました。

つまり、このジェネレーションギャップは永遠のテーマであり、一朝一夕では解決できるものではないということです。しかし、完全に解決できないからといって、仕事の生産性や離職に
つながってしまうような問題を放置することも出来ません。

若手社員はこれからの会社を背負っていく大切な人材 です。
彼らと隔たりがあるままでは、組織全体の未来にも影響します。

今回のコラムテーマは「若手社員の貢献意識が低いと感じる」問題 についてです。
この問題を題材にして、上司や先輩社員が、若手社員との価値観の違いを乗り越え、
チームとして最大の成果をあげるためには何が必要なのかを考えましょう。

目次[非表示]

  1. 1.上司や先輩社員が求める「若手社員の貢献意識」
  2. 2.若手社員から見た「会社への貢献意識」とは
  3. 3.若手社員の価値観が尊重されるチームをつくる
  4. 4.お互いを知り同じ目標を持つことで貢献意識が高まっていく

上司や先輩社員が求める「若手社員の貢献意識」

上司や先輩社員の悩みにある「若手社員の貢献意識の低さ」とは、会社のために自分を犠牲にするとか、愛社精神をもっと出して欲しいといった類のものではありません。同じチームメンバーへの気遣いや協力する姿勢、自分自身の役割は責任を持って果たそうとする姿勢で、その姿勢を
普段から見せて欲しいというものです。

もちろん姿勢だけでなく、それに成果がついてくれば言うことなしですが、若手社員はまだ知識も少なく経験も浅いため、必ずしも成果が出せるとは限りません。上司や先輩もそれがわかっているため、若手社員に対して「貢献」という結果ではなく「貢献しようとする意識」を求めます。

<若手社員が求められている貢献意識とは> 
・自己犠牲までは求めていない
・愛社精神までは求めていない
・周りへのホスピタリティを発揮しようとする“姿勢”
・自分の役割を果たそうとする“姿勢”
・今は成果よりも、その“姿勢”を求めたい


この若手社員に求める“貢献意識の発揮“は、彼ら自身の成長を促進するためという理由と、
チーム全体の活性化という狙いもあります。ベテラン中堅社員は、すでに様々な役割を担い
活躍していますが、その一方で現状維持からステップアップできないという状況に陥りがちです。

このマンネリ感の空気こそ、若手社員に壊してもらいたいと考えています。
彼らの成長への意欲から見えるふだんの振る舞いがその空気を壊してくると考えています。

若手社員から見た「会社への貢献意識」とは

上司や先輩社員が若手社員に対して大きな期待をよせるなか、
若手社員はどう考えているのでしょうか?

もちろん若手社員の中には周りへ貢献する前に自分のことを考えたいという人もいれば、
貢献したくてもそれがうまくできなくて悩んでいる人もいます。

◆貢献の意識がない若手社員の考え方
会社へ貢献するということに意識がない、会社やメンバーから喜んでもらうことや、助け合うと
いう姿勢にピンときていない若手社員がいます。貢献意識がないからといって、仕事が出来ないということではなく、自分の責任範囲さえ出来ていれば良いというのが彼らの考え方です。

このような考え方を持っている背景には、会社の評価制度や組織体制、仕事全体の進め方などに
不満を持っている可能性があります。自分の理想の実現に応えてくれない会社に対しては、
自分からも一線を引き、積極的に関わろうとはしません。

また、会社への不満はなくても、会社のために時間や労力を使うよりも、
自身の勉強やプライベートの充実に価値を感じている場合もあります。

いずれにせよ、貢献意識が低いという認識すら薄く、会社とはこういうもの、
仕事とはこういうものと考えている傾向があります。

彼らへの対応で難しいところは、なかなか本音を見せてくれないところです。会社が若手社員の
気持ちを図り、ワークライフバランス重視でプライベートの時間が取れるように配慮しても、
しっかり働いてくれる人が評価されるように評価制度の見直しをしても、必ずしも彼らが
欲しているものにはまるとは限りません。

◆貢献の意識はあるがそれが発揮できない若手社員の考え方
出来るものなら会社に貢献したい、みんなからも喜ばれて評価もされたいと考えている
若手社員もいます。

みんなへ貢献したいという意識はあるものの、それに見合う能力まではないと認識しているので、へたに手をあげて失敗したら、余計に周りに迷惑がかかる。自分よりも適した人がやった方が良いというのが彼らの考え方です。この消極的な考え方は、その人自身の性格によるところが大きく、
仕事でいくら経験を積んでもなかなか変わりません。

しかし、消極的だからといって仕事が出来ないということではなく、地道な根気がいるような
作業をひとり黙々とこなしてくれたり、以前に経験した作業であれば、誰もやりたがらないようなものでも手をあげてくれることもあります。

貢献したいという意識がベースにあるので、相性の良い人と組めれば力を発揮できますが、
彼らに適したチーム体制がいつも取れるとは限りません。

上司や先輩社員は、なんとか独り立ちして活躍してもらいたいと期待しますが、
なかなかそうはならない彼らに歯痒い想いをすることがよくあります。

若手社員の価値観が尊重されるチームをつくる

上司や先輩社員が、若手社員に対して貢献意識をもっと持つように期待しても、なかなかうまくはいきません。それは彼らの価値観や性格が根底にあるためで、これらは誰かに何かを言われて
簡単に変わるようなものではないからです。

この時、彼らの考え方を無理矢理変えるために、会社の方針や上司の考え方を押し付けても、
逆効果になり最後には彼らが会社を去っていくだけです。この問題は捉え方を変えて、
若手社員が彼らの価値観や性格を変えずとも、彼らの力を最大限に発揮するためにはどうすれば
良いかと考えるべきです。

そしてこのテーマにもっとも適した取り組みが「チームビルディング」です。
チームビルディングとは、チームメンバーそれぞれのスキルや能力、経験を最大限に活かし、
個人では達成できないような大きな成果をチームとして果たすための取り組みです。

このチームビルディングの取り組みでは、最初に現状確認として、自分たちがチームとして
どの段階にいるのか、どれだけ成熟したチームになっているかを確認します。

ここでは組織の成長段階を示した「タックマンモデル」で考えます。
この心理学者のブルース・W・タックマンが提唱した「タックマンモデル」では、
組織の成長段階は「形成期」「混乱期」「統一期」「機能期」「解散期」の5つにわかれます。

<タックマンモデル:組織成長段階>
1:形成期:チームが形成された間もない時期、お互いをまだよく知らない
2:混乱期:メンバーの価値観の違いにより、チームの活動の中で衝突や混乱が生じる
3:統一期:メンバーがお互いの価値観の違いを認め、同じ目標を認識しまとまり始める
4:機能期:各自のスキルが最大限に発揮され、チームとして成果をあげる
5:解散期:チームとしての目標を果たし、次のステップのためにチームが解散する

若手社員の貢献意識が低いと感じるような状況は、このタックマンモデルで言うと
形成期と混乱期の間にいるような状態です。これをチームビルディングの取り組みにより、
統一期、機能期にあてはまるようなチーム状態に引き上げていくことが必要です。

お互いを知り同じ目標を持つことで貢献意識が高まっていく

チームの状態を認識したら、その状態に応じた取り組みをチームメンバー全員でおこないます。
各段階でそれぞれどんな取り組みをすれば良いかは、チームの状態から自ずと決まります。
取り組みの方針が決まれば、あとは具体的に何をするかをメンバー全員で話し合います。

<チームの成長段階別で取り組むべき活動>
1.形成期:お互いを知る活動、意識的に会話の機会を増やす
2.混乱期:お互いの価値観を知る活動、研修なども活用しながら関係を深める
3.統一期:価値観の違い理解しつつ同じ目標を考える活動、 チーム内の目標会議を開催する
4.機能期:メンバーの特性を活かしてより効果をあげていく工夫を考える

この段階別の取り組みにあてはめて考えてみると、まだ人となりが掴めていない若手社員に
対して、会社への貢献意識を求めるということは、形成期や混乱期ですべきことをやらずに、
統一期でやるような活動をいきなり求めるようなもの
ということがわかります。

チームがより機能していくためには、チームの「前提」と「目標」の2つについてメンバー間で
認識を合わせる必要があります。前提とは、このチームはお互いの価値観を理解しそれぞれが
尊重されるチームであるということです。

そして目標は、
チームがいつまでに何を成し遂げようとしているのか?
どんな状態になろうとしているのか?です。

この2つがチーム全体で共通認識となれば、チームは自然と生産性の高いチームに
生まれ変わります。定期的に若手社員が参画してくるチームでは、その都度、チームの状態が
形成期や混乱期に戻されるようなこともありますが、ここで若手社員をチームの一員に
迎えられるチームビルディングができれば、若手社員はきっと期待に応えてくれるチームメンバーに成長してくれるでしょう。

エナジースイッチでは、チームの状態に合わせて、
チームをより良くするための人材育成メニューをご用意しています。
詳しい人材育成方法については、ぜひ以下の関連するコラムをご覧ください。

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