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部下を“褒めて育てる”を失敗しないための「褒める」技術ってなに?

近年、ダイバーシティ&インクルージョンが推進されていることもあり、
社員一人ひとりの個性が重要視されています。

マネジメントの本には、部下の個性を尊重し、
強みを伸ばすことの大切さが頻繁に紹介されており、
そのために“褒めて育てる”ことがよくおすすめされています。

この、“褒めて育てる”は現在の人材育成のトレンドです。

リーダーや管理職には、部下を育成し、組織の生産性を上げるために、
「褒める」コミュニケーション力が求められます。

しかし、部下を褒めても思ったように生産性が上がらず、
組織によい影響を与えていないのではないか、
というリーダーや管理職からの悩みが増えています。


皆さんの職場にも、

・とにかく褒めてみているけど、嬉しそうな顔はされないし、手ごたえが感じられない
・上司である自分に褒められるために部下が行動している気がする
・褒めるところをうまく見つけられないし、褒める行為も少し恥ずかしい

など、
「褒める」コミュニケーションにお悩みのリーダーや管理職がいるのではないでしょうか。

褒めることはとても大切なことですが、やたらに褒めればよいというものではありません。

「褒め方」を知らないと、せっかく褒めても期待される効果が得られません。

こちらのコラムでご紹介した「叱る」コミュニケーションも重要ですが、
1つ叱るごとにその3倍は「褒める」ことが理想だといわれており、
上手に「褒める」スキルは管理職にとって必須です。

そこで今回のコラムではリーダーや管理職に必須のコミュニケーションのひとつである、
「褒める」について取り上げ、研修事例とともにご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.「褒める」とは何か
  2. 2.褒める目的とは何か
  3. 3.上手な褒め方とは
    1. 3.1.①褒める対象は具体的にし、否定語は使わない
    2. 3.2.②褒めるタイミングを見極める
    3. 3.3.③4つの要素を入れて褒める
      1. 3.3.1.1)承認
      2. 3.3.2.2)共感
      3. 3.3.3.3)称賛
      4. 3.3.4.4)感謝
  4. 4.部下を“褒めて育てる”ができるリーダー、管理職を育成するためには
  5. 5.OJTリーダー育成研修事例紹介

「褒める」とは何か

褒めるとは、「人の行動を良いと評価すること」を意味します。

たとえば、「今日、仕事で褒められた」という文章は、
「今日、仕事での行動を良いと評価された」と言い換えることができます。

努力や頑張りのような抽象的な行動ではなく、
できる限り具体的に行動を褒めることがポイントです。

なぜなら、「褒める目的」は「部下の好ましい言動を習慣化させる」ことだからです。

褒める目的とは何か

上述のとおり、「褒める目的」は「部下の好ましい言動を習慣化させる」ことです。

間違われやすいこととして、人は褒められると、
ドーパミンと呼ばれる快感ホルモンが放出され、気分が高まり幸せな気分になります。

すると、モチベーションが上がり、よい人間関係につながる可能性があります。

しかし実は、「褒める目的は」モチベーションを上げることではありません。

部下の言動、その中でも特に好ましい言動を強化し、習慣化させることで、
成長につなげるために、管理職は部下を褒めるのです。


上手な褒め方とは

相手の好ましい言動を習慣化するための
「褒める」コミュニケーションのポイントは大きく3つあります。

①褒める対象は具体的にし、否定語は使わない


先ほども説明しましたが、褒める目的は「好ましい言動を習慣化する」ことです。

褒めることが重要だと漠然と考えている方が多いですが、
部下の何を褒めるのかという対象を明確にしなくては、
相手はどの行動を習慣化していいのかわかりません。

部下にどんな言動を習慣化してほしいのかをしっかりと考えたうえで、
その言動に対して「褒める」必要があります。

たとえば、挑戦しやすい風土を作りたいのであれば、
「小さくても何か課題を克服した」ときに褒めると、
課題を克服する行動が習慣化されやすくなります。

また、褒めるときも
「よい仕事をしたね」や「この資料いいですね」のように抽象的な表現を使わず、

「いつも最新のデータをすぐに入力してくれるよね。
おかげで私もタイムリーに対策が考えられて助かるよ」

「先日作ってくれた企画書、強みやポイントが明確で
説明しやすいからマネさせてもらったよ」

のように、具体的に褒めないと相手には伝わりません。


さらに脳科学的には、人は否定語を理解しづらいと考えられています。

ですので、褒めるときに、「いつも納期に遅れないよね」のように、
〇〇しない、などの否定語を入れるのではなく、
「いつも納期前に資料を提出してくれるよね」と肯定語で褒めると、
何が好ましい言動か正しくインプットされやすくなります。

②褒めるタイミングを見極める


褒めるタイミングも重要です。
午前中に何か好ましい言動があったとして、ランチタイムに思い出したように
「あのときはよくやったね」と褒めても相手の心には響きづらいものです。

行動分析学では「60秒ルール」というものがあります。

行動に影響を与えるには、その行動の直後60秒以内が勝負といわれています。

褒めるべき言動が生じたら、とにかくその場で褒めることが効果的です。
褒めることをためらってはいけません。


また、褒める間隔も意識しなくてはいけません。
好ましい言動が生じるたびに、いつも同じように褒め続けていたら、
部下が褒められることに慣れてしまい、褒められたとしても心に響かなくなっていきます。

とはいえ、褒めなくなると「誰も認めてくれない」となり、言動を維持する気力が
失われていきます。

人や言動によって違うので一概にはいえませんが、言動を定着させる初期の段階では
なるべく連続して褒め、定着した後、その行動を維持する段階では
数回に1回の頻度に減らして褒めると、効果が高いといわれています。

③4つの要素を入れて褒める


褒めることが上手な人は以下の4つの要素を「褒める」コミュニケーションに盛り込んでいます。

1)承認


承認は相手の存在を認めることです。
相手がそこにいること、行動したこと、発言したことなどを、
「気づいているよ」「見ているよ」などとしっかりと相手に言葉で伝えます。

「なるほど。そういう考え方もあるよね」
「最近、積極的に会議で発言するようになったね」
「新規の契約が取れたそうだね」
など主観を入れず中立的な表現を使うことがポイントです。

2)共感


共感とは、他人の考え、主張、感情を、自分もその通りだと感じることです。

「その考え方は確かにそのとおりだね」
「最近うまくいかないことが多かったからうれしいよね。その気持ちよくわかるよ。」
など、楽しい経験だけでなく、辛い経験やそれを乗り越えてきた経験を共有することで、
話がグッと伝わりやすくなります。

3)称賛


称賛は、優れた点を褒めることです。

「とても勉強になったよ」
「うまくいかない時期を乗り越えるために、忙しいのにこんなにコツコツ努力できるなんて
すごいね。感服だよ。」
など、行動や結果はもちろん、相手の信念や価値観を認めると、心に響きます。

4)感謝


最後に「ありがとう」と感謝を伝えるとさらに褒める効果が高まります。

単純に、「すごいね」と褒めるのと、
この4つを組み合わせながら褒めるのとでは、まったく効果が異なります。


部下を“褒めて育てる”ができるリーダー、管理職を育成するためには

特に新任のリーダーや管理職にとって、部下を目的に沿って褒めるという行動は経験が浅く、
上手に褒めることができず悩む方は多くいらっしゃいます。

「褒める」ことも行動です。

部下からの反応がよくないと、褒める行動がなかなか上達しない負のスパイラルに陥り、
いつの間にか褒めることをやめてしまいます。

そこで重要なのが新任リーダーや管理職の上司です。

新任リーダーや管理職が、
部下を褒めることで好ましい言動を習慣化していくのと同じように、
褒めるという行動もその上司によって習慣化されていく必要があります。

褒めるという行動は、部下を育成し、組織の生産性を上げるマネジメント行動です。

組織の中に好ましい言動を習慣化していくために、正しい方法で上司から部下へ、
そしてまたその部下へとよい循環を生ませることが重要です。

ただ、「褒める」行動に対する知識とスキルを練習する機会を与えなくては、
効果的に褒められるようにはなりません。


OJTリーダー育成研修事例紹介

そこで今回は、「褒める」技術の習得をプログラムに入れた、
OJTリーダー育成研修の事例をご紹介します。

OJTリーダーは、新人を育成し、組織の生産性を上げる重要な役割を担っていますが、
部下指導の経験が浅い方も多く、「褒める」ことを含めてコミュニケーションに
悩みを抱えてしまいがちです。ぜひ参考にしてください。

テーマ:
OJTリーダー育成研修(1日間)

目的:
OJTリーダーとしての意識・役割を確認した上で、効果的にOJTを実践するための
考え方・スキルを身につける

ねらい:
・OJTリーダーとしての役割を理解し、新入社員育成の心得を身につける
・新人と効果的なコミュニケーションを取るためのスキルを身につける
・自分らしい育成スタイルを明らかにする

学びのポイント:
・若い世代の特徴や、良い指導と悪い指導について考え、指導者としての意識を考察する
・信頼関係構築の仕方を、3つのステップに分けて体感する
・傾聴や質問、動機づけ、褒め方や叱り方のスキルを習得する

内容:
①育成の意義を考える

なぜ自分がOJTリーダーを任され、何を期待されているのかを考え、研修参加のレディネスを
醸成します。その後、新人の能力向上、人間関係構築、経営理念の浸透などの観点から、
OJTリーダーの役割や育成の意義を考察していきます。

②信頼関係を構築する
トラストウォークという体感ワークを通じて、新人との信頼関係構築の仕方を、
1)指示指導型2)協働支援型3)委任見守型の3つのステップに分けて体感し、
信頼関係構築手法を習得します。

③OJTリーダーに必要なコミュニケーションスキル
新人と効果的なコミュニケーションを取るために必要な傾聴と質問のスキルを身につけます。
また、相手を動機づけ、動かすために必要な“意味付け”のスキルも学びます。さらに、新人の成長を支援するために必要なフィードバックスキルとして、効果的な褒め方と叱り方を習得します。

④育成ポリシーと行動計画作成
最後に、今後の育成ポリシーを3つ定め、それを達成していくための行動計画を立てて宣言し
コミットを高めます。

弊社では、個社ごとにフルスクラッチのカスタムメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが450名以上おり、
個社ごとに合った研修を、バリエーション豊富にプロデュースできます。
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リーダーや管理職がチームや組織で成果を上げるために必要なマインドセット研修、
​​​​​​​コミュニケーション研修のバリエーションも豊富です。
本記事を参考に、是非自社に合った研修を実施してはいかがでしょうか。

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