企業文化を変革する必要性とは? 企業文化の変革を成功させるポイント、取り組み事例をわかりやすく解説
優れた企業文化は競争優位をもたらし、
企業の戦略や利益に大きな影響を及ぼす重要なものです。
このコラム記事では、
・企業文化を変革する必要性
・企業文化の変革を成功させるポイント
・取り組み事例
をわかりやすく解説します。
目次[非表示]
企業文化を変革する必要性とは?
グローバル化の進展や技術革新など企業を取り巻く環境は目まぐるしく変化しています。
とくにコロナ禍以降は、在宅勤務やデジタル化、国際情勢の不安定化、
社員やお客様の価値観の変容など、大きな変化が急速に訪れました。
そしてこうした急速な変化は、今後も続いていくと予想されています。
一方で、日本や日本企業の影響力は年々低下しているといえます。
その証拠に、日本の一人当たりGDPの順位や、
世界の時価総額トップ50に入る日本企業の数は大きく低下しています。
こうした事実は、日本企業の継続した発展が脅かされていることを示唆しています。
そんな環境変化に対応する戦略を実行するためには、
今の企業文化を大切にしつつも環境に適応していく変革が必要です。
企業文化とは何か
企業文化とは、それぞれの企業が持つ独自の価値観や行動の傾向を指します。
創業からの歴史、企業理念、社員の行動や実績などが定着していくことで醸成されます。
企業文化は、その企業で働く従業員の仕事の進め方や考え方に大きな影響を与え、
共通の規範をつくり、組織の一体感を生み出します。
そんな企業文化は長い年月をかけて醸成されるため、
一朝一夕で変革できるものではありません。
企業文化の変革には戦略的に取り組むことが必要です。
なぜ企業文化が重要なのか
企業文化、という言葉の意味は頭の中で理解できると思います。
ですが、その中身は非常にあいまいです。
実際、自社の企業文化を言葉で説明できる人はほとんどいません。
たとえば研修の中で、経営層や管理職の方々に自社の企業文化を聞いたとしても、
その答えがそろうことはありません。
これは、多くの企業で「戦略・戦術」を話す場は多い一方、
「理念・文化」について話す場が少ないことが要因のひとつです。
そんなあいまいなまま放置されがちな企業文化ですが、
実は企業のパフォーマンスを高めるために非常に重要な要因のひとつです。
たとえば、『マネジメントの父』といわれるオーストリアの経営学者
ピーター・F・ドラッカー氏は「企業文化は戦略に勝る」という言葉を残しています。
同じくドラッカー氏の言葉である
「企業とは人であり、その知識、能力、絆である」にあるとおり、
戦略を実現するのは企業に所属する“人”です。
ですが、適切な企業文化がなければ戦略は機能しません。
企業文化の変革はその企業の未来を左右する重要な取り組みであるといえます。
なぜ企業文化を変えることは難しいのか
「企業文化を変えていきたいのに、なかなか変わらない。」
とお悩みの方は非常に多くいらっしゃいます。
なぜ企業文化を変えることは難しいのでしょうか。
ここからは、その理由を2つ、簡単にご紹介します。
変化に対して不安を持つことは当たり前だから
企業文化は、企業が成功体験を重ねることで浸透していきます。
一定以上の規模を持ち、長い歴史を持つ企業ほど、
基本的には成功しているから存続していると言えます。
よって、その成功を達成する際の企業文化がより強固に根付いているということです。
私たち人間は、「過去の成功体験」から脱却し、
新しい考え方、価値観、行動を身につけることが苦手です。
それは、「変化することへの不安」を本能的に有しているからです。
▼変化することの難しさ、は以下の記事で詳しく知っていただけます。
企業文化を具体的に考えられていないから
先述のとおり、多くの企業では、「戦略・戦術」を話す場は多い一方、
「理念・文化」が話されることはほとんどありません。
良く分からないあいまいなものを変えようとしても、
そのプロセスは霧に包まれたままになります。
企業文化を変えようとするのであれば、
その前に、自社の企業文化を深く分析することが必要です。
企業文化を変革するための最初の一歩
企業文化を変革するためには、
変革の必要性を従業員に理解してもらう必要があります。
つまり、企業文化を変革しなければ、
企業が存続できないことを十分に理解してもらう必要があるのです。
そして、この「生き残りへの不安」が「変化することへの不安」よりも大きくなった時に、
企業文化の変革にドライブがかかります。
企業文化の変革を成功させるポイント
では実際にどのように企業文化の変革を進めたらいいのでしょうか。
ここからは、企業文化の変革を成功させるポイントを簡単にご紹介します。
変革の必要性と施策を組織全体に発信し続ける
企業文化の変革を実現するためには、
変革の必要性を従業員が十分に理解することが必要である、と前述しました。
そのためには、変革の必要性や施策を企業全体に周知して終わるのでなく、
従業員の意識と行動が変わるまで、根気強くメッセージを発信し続けることが大切です。
経営者、役員が率先して取り組む
変革の必要性を理解したとしても、新しい考え方や価値観を取り入れ、
行動する人がいなければ、新しい企業文化は浸透しません。
まずは経営者、役員が率先して、変革に取り組み、従業員に見本を示す必要があります。
管理職の協力を得る
一般の従業員と日々接する管理職の協力も必要です。
管理職が新しい企業文化を体現するロールモデルになるとともに、
新しい文化に適応した従業員を称賛する、高く評価することで、文化の浸透を促進させます。
従業員の意見をよく聞く
変革に対する従業員の理解を深めるためには、
会社から一方的にメッセージを発信するだけでなく、
従業員との対話を重ねることも大切です。
このプロセスを通して、従業員の疑問や不安を解消することで、
新しい企業文化の浸透を進めることができます。
従業員との対話の際は、ファシリテーションスキルの高い経営幹部、管理職、リーダーなどが
主導することで、浸透効果をより高めることができます。
企業文化を変革した事例紹介
日本航空
日本航空は2010年に2兆3221億円の負債を抱えて倒産しました。
そして、日本航空を再建するために稲盛和夫氏が役員報酬なしで会長に就任。
企業文化を改革し、見事に日本航空を再建しました。
稲盛氏が会長に就任した当時の日本航空は、社内に危機感がなく、
まるで会社更生法が適用されていないような雰囲気だったと言います。
また、当時の日本航空は一握りの経営幹部が指示を出し、
組織全体がそれを守り実行するという官僚的な組織でした。
稲盛氏が掲げた新しい企業理念には
「全社員の物心両面の幸福を追求」という言葉を盛り込まれていました。
これは「社員が幸せでなくては、お客様を幸せにできない」という
稲盛氏の考えを反映したものです。
そして、企業理念の実現と、自ら考え行動できる文化を醸成するために
「自律型リーダー研修」を導入し、
「問題が起きた時に、自分に何ができるか考え、ピンチを自分の出番にする」という
新しい企業文化と行動を社内に浸透させました。
ヤマト運輸
ヤマト運輸は古くから「鍛える文化」の会社でした。
鍛えてこそ社員は育つという文化で、
上司や先輩が部下、後輩を厳しく指導する伝統がありました。
2011年に社長に就任した木川眞氏は、褒められて嫌な気分になる人はいない、
世代も代わり、従業員のモチベーションと定着率向上を目指すためには、
「褒める文化」へと変えていく必要があると考えました。
そこで木川氏は「満足BANK」という仕組みを取り入れました。
イントラネットに記名式で、
誰が誰を褒めたのか、その理由は何かが全部見られる仕組みです。
この「満足BANK」は、木川氏が「褒める文化」に変えたいと訴え続けたところ、
ある幹部社員が仕組みを考えてきて
「社長、これをやりましょう」と言ってきたことからスタートしました。
この施策以外にも、10年間以上かけて、社員の気持ちや満足度を測る、
それをもっと進化させる仕掛けや仕組みの導入をいくつも試し続けました。
このような仕掛けを組み合わせながらやることで、
19万人の従業員を抱える大組織でありながら、企業文化の変革を成功させました。
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業界でも非常に珍しい研修会社です。
「研修をカスタマイズします」というのはどの研修会社も使っていますが、
その中身は実は会社ごとにまったく異なります。
せっかく費用をかけて研修を実施するのであれば、
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とくに企業文化の変革は、個社特有の風土、社内政治事情などが加わり、
効果のある人材育成施策を実施することが非常に難しい領域です。
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これまで提案したプログラムにひとつとして同じものはなく、
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企業文化の醸成に大きな影響力をもつのが、管理職層の人材です。
古い企業体質が残り、社内からイノベーションを起こすことができない、
という課題に対して、そんな影響力の大きい管理職の意識変革を目指して実施しました。
イノベーションを起こす文化を醸成するために必要なことを理解し、
アンコンシャスバイアスへの対処法を学んでいただいた講演事例となります。
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まとめ
今回の記事では、企業文化を変革する必要性、
変革を成功させるポイントについてご紹介しました。
企業文化は一朝一夕で変えることはできませんが、
入念な計画を立てて、根気強く取り組むことで可能となります。
エナジースイッチでは、そのために必要な研修やトレーニングでご支援をしています。
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