プロジェクトマネジメントに必要なスキルと高め方とは?~仕事ができるプロジェクトマネージャーが持つ10個のスキル~
会社では、日々たくさんのプロジェクトが進行中であり、
それぞれのプロジェクトには、
それを遂行するチームメンバー、プロジェクトの発注元である顧客、
プロジェクトの承認者となる上長など、
さまざまな人が関わっています。
そしてその関係者の中でも、
プロジェクト全体を管理し仕切っていく立場である
プロジェクトマネージャーの役割は最も重要であり、
プロジェクトマネージャーの仕事の出来具合が、
プロジェクトの成否に直結するといっても過言ではありません。
会社によっては、プロジェクトマネージャーによって
プロジェクトの成功確率が変わることを避けたいため、
プロジェクト推進のマニュアルやルールを細かく決めているところもあります。
しかし、どれだけ細かい手順やチェック項目が定められていたとしても、
いつどこで何が起きるかわからないプロジェクトです。
安定した予定タスク消化、問題が起きたときの速やかな対処、
関係者との確実なコミュニケーション、
これらを実現するためには、
プロジェクトマネージャーには一定レベルでの知識・スキルが求められます。
今回のテーマは、「プロジェクトマネージャーに必要なスキル」です。
プロジェクト全体の推進や、成功確率にも関わってくる知識やスキルについて解説します。
目次[非表示]
- 1.プロジェクトマネージャーに求められるスキル
- 1.1.テクニカルスキル6選
- 1.1.1.プロジェクトマネジメントスキル(プロジェクトライフサイクルの知識)
- 1.1.2.ITスキル(システム知識/ITリテラシー)
- 1.1.3.ビジネスアナリティクススキル(ユーザー業務の知識)
- 1.1.4.タイムマネジメントスキル
- 1.1.5.リスク管理スキル
- 1.1.6.コスト管理スキル
- 1.2.ヒューマンスキル4選
- 1.2.1.コミュニケーション力
- 1.2.2.リーダーシップ
- 1.2.3.思考力
- 1.2.4.問題解決力
- 2.プロジェクトマネジメントスキルの高め方
- 2.1.OJTをしながら経験を積ませる
- 2.2.育成プログラムを策定する
- 2.3.資格取得の支援をおこなう
- 2.4.社内のナレッジ共有をおこなう
- 2.5.研修を実施する
- 3.エナジースイッチのプロジェクトマネジメントスキル研修事例
- 4.プロジェクトマネージャーの育成ならカスタムメイド研修をご利用ください
プロジェクトマネージャーに求められるスキル
テクニカルスキル6選
プロジェクトマネジメントスキル
(プロジェクトライフサイクルの知識)
プロジェクトの各工程、実施タスク、
関係者とのコミュケーションなどを適切に管理し、
プロジェクトを成功に導くためには、プロジェクトの全体的な流れ、
すなわちプロジェクトライフサイクルについて
理解しておく必要があります。
プロジェクトライフサイクルとは、
プロジェクトの立ち上げから始まり、
企画段階、計画の策定、各タスクの実行、実行中の状態監視、
振り返りも含めたプロジェクト完了までの一連の流れのことです。
プロジェクトを俯瞰で見れば、
どんなものでも立ち上げや企画段階があり、
計画を作成してから実行フェーズとなる自然な流れがあるため、
そこまで強くプロジェクトライフサイクルを意識する必要はありません。
しかし実際にプロジェクトに参画してみると、
顧客の要望や組織の状況によって、
このプロジェクトライフサイクルが大きく歪められることがよくあります。
たとえば、曖昧な計画のまま見切り発車し、
後になってから詳細な内容が決まるケースや、
各タスクの実行に人手が取られ、
タスクの状態監視をしないままプロジェクトが進行するケースなどです。
そしてこれらのケースは、
後になってからプロジェクトにとって致命的な問題を
起こしてしまうことがよくあります。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
顧客のニーズや組織の状態を理解しつつも、
プロジェクトライフサイクルに即したマネジメントを着実におこないます。
ITスキル(システム知識/ITリテラシー)
どんなプロジェクトでも、
プロジェクトからのアウトプットでITスキルを必要としないものはありません。
たとえば、企画書や計画書作成では文書作成ソフトが必要となり、
関係者との連絡をおこなうためには、
メールソフトやチャットアプリなどが必要になります。
ましてやこれがシステム開発を行うプロジェクトであれば、
OSやブラウザなどのプラットフォームがあり、
そこで動作するプログラム、データベース、それらを繋ぐネットワーク、
安全に使用するためのセキュリティなど、より高度で専門的なものが介在します。
もちろん、ここまで専門的な分野になってくると、
それをメインで担当する別のプロジェクトメンバーがいるため、
プロジェクトマネージャーは、
これらに関する知識のすべてを熟知する必要はありません。
しかし、これらの知識が不足していると、
それを担当するメンバーとの会話がままならず、
適切な指示もできないため、
仕事がメンバーに丸投げになってしまうこともよくあります。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
自身が直接担当しない範囲のものでも、
マネジメントのために必要なITスキルであればそれを身につけ、
メンバーへの指示や顧客との打ち合わせを適切におこないます。
ビジネスアナリティクススキル(ユーザー業務の知識)
プロジェクトマネージャーにとって、
顧客やユーザーの業務について詳しく知ることは非常に重要です。
何故なら、プロジェクトの目的やプロジェクトのゴールは、
そのプロジェクトに関わる顧客やユーザーの業務に対して、
何らかの改善をねらいとしているものがほとんどだからです。
そのためプロジェクトとして達成すべき要件は、
それによって改善される業務と直結し、顧客の期待値は、
その改善によってもたらされる効果をイメージしています。
しかし、プロジェクトマネージャーの顧客業務への理解が不足していると、
プロジェクトの要件を漏らしたり、
顧客の期待値を誤解しても、
それに気づかないままプロジェクトを進めてしまいます。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
顧客がおこなっているビジネスの目的から構造までを熟知し、
顧客の期待に応えるだけでなく、
時には顧客も思いついていない改善提案までおこないます。
タイムマネジメントスキル
プロジェクトには必ず最終期限が設定されており、
期限が設定されていないものは、プロジェクトと呼びません。
そしてプロジェクトマネージャーは、
この最終期限までプロジェクトの要件を完遂させるために、
実施すべきタスクを洗い出し、
それらタスクに予定開始日と予定終了日を設定して、
タスクのスケジュール管理をおこないます。
スケジュール設定では、
最低でも工程の前後関係や作業手順を理解する必要がありますが、
プロジェクトマネージャーに求められるものはこれだけではありません。
スケジュール決定後も、
それが予定どおりに進行にしているかを監視し、
もしも予定期間内に終わらないタスクや、
予定していた作業メンバーに欠員が出たら、
タスクの優先順位や残り期間を考慮した
速やかなスケジュールの調整が必要になります。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
状況の変化に応じて、
常に与えられた時間を最大限に活かすタイムマネジメントが出来ています。
リスク管理スキル
プロジェクトには必ず、
そのプロジェクトで初めて実施するタスクや
初めて経験するものがあります。
これをプロジェクトの独自性と言います。
そうした初めて経験する取り組みでは、
まったく予想していなかった事態や、
対処法すらわからないアクシデントが起きることがあります。
そしてこのようなアクシデントが起きてしまうと、
そのアクシンデントからプロジェクトを立て直すために、
予定外の作業や時間を使ってしまいます。
その結果、それまで順調に進行していたプロジェクトが
一気に大ピンチに陥ることも珍しくはありません。
そのためプロジェクトマネジメントには、
想定外のリスクに備えるリスク管理が欠かせません。
このリスク管理とは、
計画段階から考えられるリスクを洗い出し、
リスクを発生させないための事前対策の実施、
発生したときの事後対策の検討、
リスクの起因となるものの状態監視です。
たとえば、顧客の要望がはっきりしないままで、
この先要件が変更となるリスクがあったとします。
ここでプロジェクトマネージャーに求められるのは、
顧客に対して要件変更のデッドラインを伝えたり、
要件変更が起きた場合でも変更の選択肢を事前にすりあわせておくなど、
プロジェクトへの影響を最小限にする取り組みです。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
事態の変化や危険を敏感に察知するだけでなく、
万が一の事態を想定し、転ばぬ先の杖を用意しています。
コスト管理スキル
仕事でおこなうプロジェクトには、
そのプロジェクトの予算であるお金の限度額が決まっています。
この予算の使い道は、
たとえばプロジェクトのタスクを担当してもらう協力会社への仕事の依頼料、
設備の購入費やレンタルであればその使用料、
また社内プロジェクトであっても、
プロジェクトメンバーがプロジェクトに費やす時間と労力は、
彼らの給与や残業代という人件費に換算されます。
またプロジェクトの実行が会社にもたらす利益という面で考えれば、
プロジェクトに掛かる費用だけでなく、
その費用に対してどれだけの効果があったかが
なにより重要なポイントです。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
そのプロジェクトに掛かる費用を意識するだけでなく、
そこに掛かった時間や労力と、
そこから生まれた価値まで想像し、
常に費用対効果を最大限にする努力をしています。
ヒューマンスキル4選
コミュニケーション力
プロジェクトの中でさまざま人と関わり合いながら、
情報収集、報告、提案、内容説明、作業指示などをおこなう
プロジェクトマネージャーにとって、
コミュニケーション力が必要なことは言うまでもありません。
またこのコミュニケーション力こそが、
プロジェクトマネージャーにとって
最も必要なスキルと言っても過言ではありません。
コミュニケーション力というと、
相手の話を正しく理解する力、
わかりやすく説明できる力、
相手のニーズなどを聞き出す質問力、
相手との会話をはずませる雑談力などをイメージするかもしれません。
もちろんこれらもコミュニケーション力の一部ではありますが、
良いコミュニケーションのベースにあるのは、
相手との信頼関係です。
そして相手との信頼関係を築くためには、
自ら自己開示していく姿勢、
相手の話に対しては常に傾聴を意識する心がまえ、
そして相手の価値観に共感する気持ちなど、
自分自身の姿勢がとても大切です。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
関係者との表面的なコミュニケーションだけでなく、
相手との信頼関係を築くことを大切にしています。
リーダーシップ
会社やプロジェクトチームによっては、
プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーで
役割をわけるところもあります。
たとえばメインで担当する人をプロジェクトリーダー、
スケジュールやコスト管理だけをおこなう人をプロジェクトマネージャー
という役割分担のかたちです。
しかし、このように役割を分けても、
原則、プロジェクトマネージャーはそのプロジェクトの責任者であり、
プロジェクトを成功に導くためにリーダーシップを求められる立場にあります。
プロジェクト推進で求められるリーダーシップとは、
プロジェクトの方向性やゴールのビジョンを示したり、
判断が求められる場面での意思決定などですが、
それだけではありません。
誰よりも責任感をもって仕事に取り組んだり、
顧客のニーズを最大限に実現するために努力するなど、
そのプロジェクトへの姿勢もリーダーシップのうちに含まれます。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
プロジェクトメンバーに求めたい姿勢があれば、
まず自分から率先して行動したりお手本を示して、
プロジェクトチームの常に先頭に立って行動しています。
思考力
プロジェクトの立ち上げや企画段階では、
これまでの考えに捉われない自由な発想力。
計画段階では
経験からくる油断や安易な見積もりを排除した客観視できる考察力。
プロジェクト進行中では、
実施したタスクや成果物が、期待値と整合が取れているかの判断力など、
プロジェクトマネジメントでは、
それぞれの場面に応じた考察やアイデアが求められます。
そして自由な発想、客観的な考察、
整合性の判断などをするためには、その内容に応じての
論理的思考、批判的思考、垂直思考、水平思考などが必要となります。
これら思考法のスキルはどんな仕事においても役立つものですが、
特にプロジェクトマネジメントにおいては、
さまざまな情報を扱いそれをもとに判断や意思決定をおこなうため、
これら思考法のスキルは欠かせません。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
目的によって使い分ける思考法の引き出しを持っており、
内容や状況に応じて効率の良い思考をおこなっています。
問題解決力
会社や仕事ではさまざまな問題が発生します。
そしてその問題を解決するためのプロジェクトが
立ち上げられることもよくあります。
また問題解決とは関係ないプロジェクトでも、
そのプロジェクト推進の中で、
プロジェクト失敗につながるような問題が発生し、
問題解決の対処を余儀なくされるケースもあります。
このようにプロジェクトマネジメントという仕事では、
問題解決について考えることは日常茶飯事であり、
常に問題解決のことばかり考えている(問題解決に追われている)
プロジェクトマネージャーも珍しくはありません。
問題解決で必要なことは、
問題の特定、原因の分析、解決策の検討、
この3つのステップを着実に順番どおりにおこなうことです。
問題の特定を間違えれば、
それを元にした原因分析も間違えます。
問題特定が正しくできても、原因分析が不完全であれば、
効果のない解決策になってしまうかもしれません。
このような事態にならないためにも、
問題が発生した際は、
どこにどんな問題が発生しているのかを正しく捉え、
その原因について直接原因と根本原因を明らかにし、
直接原因に対しては即効性のある対策、根本原因に対しては
時間が掛かっても再発が防止できる対策をそれぞれ検討する必要があります。
仕事ができるプロジェクトマネージャーは、
どんな問題が起きたとしても、
問題解決までのステップに例外がないことを理解し、
着実にひとつずつ問題解決のステップをこなしています。
プロジェクトマネジメントスキルの高め方
ここまでプロジェクトマネージャーに必要な10のスキルについて
解説してきました。
では、実際に
プロジェクトマネジメントスキルを高めるためにはどうしたらいいのでしょうか。
ここでは、組織で取り組みたい施策をご紹介します。
OJTをしながら経験を積ませる
プロジェクトマネジメントに必要なスキルは多岐にわたり、
プロジェクトごとの独自性もあります。
そのため、プロジェクトマネジメントスキルを磨くためには、
実務経験を数多く積ませることがもっとも効果的です。
異なる業界や分野でのプロジェクトを経験し、
成功体験・失敗体験を積むことでどんどんスキルが高まっていきます。
また、とくに最初のうちはOJTをしながら体験させることが有効です。
育成担当者と二人三脚でプロジェクトを実施することで、
より早くスキルを身につけることができます。
育成プログラムを策定する
経験を積ませるだけでは、
自己流になってしまったり、
偏った見方ややり方になってしまう可能性が高まります。
そこで、属人的になりにくいよう、育成プログラムをつくることも重要です。
プロジェクトマネジメントに必要な能力やスキルを洗い出し、
組織や個人に合わせた育成ができるよう、スキルマップをつくります。
そうすることで、社員のレベルを底上げでき、
一定レベルの水準を保ってプロジェクトを管理できるようになります。
資格取得の支援をおこなう
プロジェクトマネージャーの能力によって、
プロジェクトの成否は大きく左右されます。
そんな重要なプロジェクトマネージャーの能力を高めるための
一つの手段として、PMPやP2Mなどの資格を取得することが有効です。
資格取得を通じて、
プロジェクトマネジメントに必要なスキルを体系的に学ぶことができます。
社内のナレッジ共有をおこなう
会社内で、
プロジェクトマネージャー同士のコミュニティをつくり、
成功事例や失敗事例を共有し合うことは、
スキルを高めることにつながります。
また、組織全体でナレッジを共有することで、
属人化を防ぎ、
会社全体としてのプロジェクトの成功率や効率を高めることもできます。
研修を実施する
会社内で効率的にプロジェクトマネジメントスキルを高めるためには、
研修実施もおすすめです。
研修にはe-learningと集合して実施する研修の2種類があります。
前者はプロジェクトマネジメントの全体像を伝えるのに適しており、
後者はとくに足りないスキルを習得させたい場合に適しています。
エナジースイッチの
プロジェクトマネジメントスキル研修事例
エナジースイッチは、研修成功の2大要因である
「研修プログラム」と「トレーナー」の両方を、
フルスクラッチでゼロから提案しています。
これまで提案したプログラムにひとつとして同じものはなく、
協力いただいている外部のトレーナーも450名以上と非常に豊富です。
対応しているテーマも幅広く、
階層別研修やテーマ別研修、
キャリア研修などあらゆる研修に対応いたします。
ここからは、
15年の実績があるカスタムメイド研修のカリキュラムのなかから、
プロジェクトマネジメントスキルに関連した研修事例をご紹介します。
プロジェクトマネジメントに必要なスキルのなかで、
リスク管理スキル、コミュニケーション、リーダーシップに、
とくに焦点を当てて実施した研修事例です。
プロジェクトの実行段階において、
プロジェクトマネージャーが人を巻き込み
マネジメントしていくためのポイントを理解することができます。
▼以下のページから、詳しいカリキュラムをしっていただけます。
プロジェクトマネージャーの育成なら
カスタムメイド研修をご利用ください
プロジェクトマネージャーの育成プログラムの情報収集をされている方は、
ぜひエナジースイッチをご利用ください。
エナジースイッチは、研修成功の2大要因である
「研修プログラム」と「トレーナー」の両方を、
フルスクラッチでゼロから提案している、
業界でも非常に珍しい研修会社です。
「研修をカスタマイズします」
というのはどの研修会社も使っていますが、
その中身は実は会社ごとにまったく異なります。
せっかく費用をかけて研修を実施するのであれば、
自社にできる限りフィットした研修を実施していただきたいと考えています。
以下の資料に、自社に100%フィットする研修会社の選び方をまとめています。
ぜひご活用ください。