ノンバーバルコミュニケーションとは? 〜ビジネスパーソンがやってはいけないNGな振る舞い〜
私たちは仕事でも日常生活でも、言葉を使い会話することで、
周りの人とコミュニケーションをとっています。
しかし、コミュニケーションのすべてが言葉だけか
と言えば決してそうではありません。
実際、会話をするときは言葉以外にも相手から多くの情報を読み取っています。
それは相手の表情、声や仕草、視線、服装など、
会話以外の所作や雰囲気などです。
たとえば、眉間にしわを寄せた上司の表情と、
身振り手振りを使って必死に説明している同僚の姿は、
その場がとても緊迫した状況であることを物語っています。
嬉しそうな笑顔を浮かべて食事をする人を見たら、
その料理がとても美味しいのだと勝手に想像してしまいます。
これら非言語の情報から何をどう読み取るかは、
相手の感情や意図を理解することにとても役立ちます。
今回のテーマは「ノンバーバルコミュニケーション」です。
ビジネスパーソンとして周りの人と
円滑にコミュニケーションを取るためにとても重要なスキルを解説します。
目次[非表示]
- 1.ノンバーバルコミュニケーションとは
- 2.なぜノンバーバルコミュニケーションが重要なのか
- 3.ノンバーバルコミュニケーションが求められる場面と具体例
- 3.1.ノンバーバルコミュニケーションが求められる場面その1:「商談や交渉」
- 3.2.ノンバーバルコミュニケーションが求められる場面その2:「プレゼンテーションや会議」
- 3.3.ノンバーバルコミュニケーションが求められる場面その3:「日常会話や面談」
- 4.ビジネスパーソンが注意すべきノンバーバルコミュニケーションNG15選
- 4.1.NGなノンバーバルコミュケーション:その1 〜 その3「声のトーン、話し方」
- 4.1.1.◆ 声の音量が大きすぎる/小さすぎる
- 4.1.2.◆ 話すスピードが早すぎる/遅すぎる
- 4.1.3.◆ 話の抑揚がない/抑揚が過剰
- 4.2.NGなノンバーバルコミュケーション:その4 〜 その6「顔の表情、視線」
- 4.2.1.◆ 表情がない
- 4.2.2.◆ 過度な感情表現
- 4.2.3.◆ 相手の目を過剰に見る/目を合わせない
- 4.3.NGなノンバーバルコミュケーション:その7 〜 その8「服装、外見」
- 4.3.1.◆ 場にそぐわない格好
- 4.3.2.◆ 清潔感がない
- 4.4.NGなノンバーバルコミュケーション:その9 〜 その10「ジェスチャー、身振り手振り」
- 4.4.1.◆ 大袈裟な身振り手振り
- 4.4.2.◆ 攻撃的な動き
- 4.5.NGなノンバーバルコミュケーション:その11 〜 その12「姿勢」
- 4.5.1.◆ 猫背、姿勢が悪い
- 4.5.2.◆ 威圧的(腕組み、足組み)
- 4.6.NGなノンバーバルコミュケーション:その13 〜 その15「距離感」
- 4.6.1.◆ 距離感が近すぎる/遠すぎる
- 4.6.2.◆ 相手との間に障害物を置く
- 4.6.3.◆ 距離感が安定しない
- 5.社員の育成ならカスタムメイド研修をご利用ください
- 6.エナジースイッチのビジネスコミュニケーション研修事例
ノンバーバルコミュニケーションとは
ノンバーバルコミュニケーションとは、
言葉以外の手振り、表情、姿勢、視線などを用いて情報を伝える方法です。
このノンバーバルコミュニケーションの程度によって、
言葉の有無とは関係なく感情や態度が表現され、それが相手に伝わります。
ノンバーバルコミュニケーションをうまく活用すると、
自分の印象を相手に強く印象づけたり、
自分の言葉に対して説得力を持たせることも可能です。
たとえば、プレゼンテーションで、
手を使って重要なポイントを使って強調すると、
聞き手の注意を引くことができ、
声のトーンや声量を調整することで、
相手に安心感を与えることができます。
また、会話の中で視線を合わせたり、適度にうなずくことで、
会話をよりスムーズに進めることも可能です。
ただし、これらは自分が意図していないものまで相手に伝わることがあります。
たとえば、やる気のない表情や、だらしない服装、
相手に不快感をあたえるような振る舞いは、
自分から相手に伝える意思はなくても、
相手が悪い印象で受け取ってしまうことがあるため、
普段から注意が必要です。
なぜノンバーバルコミュニケーションが重要なのか
ノンバーバルコミュニケーションは、
ときに言葉を超えて相手に自分の意見を伝えます。
意見だけでなく、その人の印象の形成にまで強い影響を与えることもあります。
実際、メラビアンの法則によると、人と人とのコミュニケーションにおいて、
言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%のウェイトで
影響を与えるといわれています。
たとえば、仕事仲間を心配して「大丈夫?」と声をかけるとします。
言葉と表情やしぐさが合っていれば言葉以上に心配していることが伝わります。
一方で言葉と表情やしぐさがズレていれば、
「本当に心配してくれているとは思えない」となってしまい、
かえって信頼関係を崩すことになります。
言葉を超えて相手に強い印象を与え、
それが信頼関係の構築にも影響を与えることが、
ノンバーバルコミュニケーションが重要な理由です。
ノンバーバルコミュニケーションが
求められる場面と具体例
ノンバーバルコミュニケーションが
求められる場面その1:「商談や交渉」
商談や交渉では、こちらのビジネスに対する姿勢をしっかり伝えつつ、
相手から信頼される必要があります。
そしてそれは時に、
話の中身とは関係ないノンバーバルコミュニケーションが
大きく影響することがあります。
たとえば、相手の発言に対して肯定的な身振りや話しかけ、
会話の中での目の合わせ方などです。
また、交渉相手からの非言語的サインを読み取り、
適切に反応することも大切です。
会話全体の雰囲気を良くすることで、効果的なコミュニケーションを促進し、
商談や交渉の成果にもつながります。
ノンバーバルコミュニケーションが
求められる場面その2:「プレゼンテーションや会議」
重要なポイントを強調したり、
自信のある話し方は、プレゼンテーションの内容に説得力をあたえます。
たとえば、プレゼンテーションでビジョンやコンセプトについて話す時は、
姿勢を正し、ゆっくりとしたテンポで話しながら、相手を話の中に引き込み、
商品やサービスについて話す時は、
少し早口で前のめり気味で話すことで、相手の感情を盛り上げます。
このように話し方を調整することで、プレゼンテーションを演出することができます。
ノンバーバルコミュニケーションが
求められる場面その3:「日常会話や面談」
職場での日常的にする会話や、
面談などでのやり取りにもノンバーバルコミュニケーションは欠かせません。
表情や身振り、姿勢、相手との距離感などは、適切におこなうことで、
言葉だけでは伝えきれない情報を補完してくれます。
相手とのコミュニケーションをより円滑にし、信頼関係を構築するためには、
欠かせない手段のひとつといえます。
ビジネスパーソンが注意すべき
ノンバーバルコミュニケーションNG15選
NGなノンバーバルコミュケーション:その1 〜 その3
「声のトーン、話し方」
◆ 声の音量が大きすぎる/小さすぎる
普段の会話やプレゼンテーションの中で、
声の音量はとても重要な役割を果たします。
もしも音量が大きすぎれば、
威圧感をあたえて相手を不快にさせる可能性があります。
またその逆に、小さすぎる声は聞き取りにくく、
相手は話を聞くだけで疲れてしまいます。
また、伝えようとする意思も感じられないため、
こちらの仕事に対する姿勢まで疑われてしまうかもしれません。
◆ 話すスピードが早すぎる/遅すぎる
ビジネスコミュニケーションにおいて、
話すスピードは相手の理解と関心を引くための重要なテクニックのひとつです。
しかし、話す時に極度に緊張してしまったり、
他のことが気になってしまったりすると、
それは話のスピードにも表れます。
たとえば、話すスピードが速すぎると、
聞き手が内容に追いつけず理解できないことがあります。
一方で、遅すぎる話し方は聞き手を退屈させたり、
相手にとって聞きたい内容がなかなか出てこないので、
それを待っているだけでストレスを感じさせてしまうこともあります。
話のスピードは、相手の反応を見ながらスピードを適切に調整し、
自然なペースで話しているように振る舞うことが大切です。
◆ 話の抑揚がない/抑揚が過剰
話し方の抑揚は相手の関心を引きつけ、
メッセージの理解を深めるために重要です。
抑揚がない単調な話し方をしてしまうと、
重要なポイントでもそれが相手に伝わらず、相手の関心も次第に薄らいでしまいます。
適切な抑揚を加えることによって、話の重要な部分を強調し、
そうでない部分は軽く流して次の話に繋げることが出来ると、
相手はその話の要点を理解しやすくなります。
また抑揚のつけ方で、
こちらの説明が感情的なメッセージとして伝わることもあります。
これをうまくコントロールできれば、こちらの熱意を相手に伝えることができます。
NGなノンバーバルコミュケーション:その4 〜 その6
「顔の表情、視線」
◆ 表情がない
プレゼンテーションや相手への説明する際、
極度の緊張や、話す内容に集中するあまり、
表情を出さずに淡々と話をしてしまうことがあります。
話し手にまったく表情がないと、
それだけで話す内容がつまらなく感じてしまったり、
相手に対して冷たい人という印象を与えてしまうこともあります。
話の流れの中で、自然な表情の変化によって、
こちらの気持ちを伝えることが理想的なコミュニケーションです。
◆ 過度な感情表現
ビジネスコミュニケーションにおいて、
自分の感情を過度に出してしまうと、それだけで相手から、
「この人はプロとしての振る舞いができない人」
という印象を与えてしまいます。
もちろん仕事では、
こちらの熱意や自分達の商品やサービスに対する自信などは、
相手にしっかり伝える必要があります。
しかし、そういった場面でも、
感情はしっかりコントロールされていて、相手に伝えるべき情報と、
自身の感情を混同させないように注意する必要があります。
◆ 相手の目を過剰に見る/目を合わせない
相手と会話をしている時、相手の目を見て話すことは、
相手の話を聞いているというサインにもなり、
適度には必要なノンバーバルコミュニケーションといえます。
しかし、必要以上に相手の目を見てしまうと、
それによってプレッシャーを与えたり、
相手にとって話しにくい状態にしてしまいます。
しかし、この逆にまったく目を合わせないと、
今度は話に対して無関心という印象を持たれてしまいます。
話をする時の視線は、うなずきの時のみ相手の目を見るなど、
適度な割合でおこなうことで、会話がより円滑に進みます。
NGなノンバーバルコミュケーション:その7 〜 その8
「服装、外見」
◆ 場にそぐわない格好
相手との交渉やプレゼンテーションの場、重要な会議、普段の職場など、
それぞれのシチュエーションには、
その場に応じた服装や格好というものがあります。
その場にそぐわない格好をしている人がいると、
その場の全体の空気に違和感が生じ、
そこにいる人たちの居心地も悪くなってしまいます。
自分にとって仕事がしやすい服装でいることが大切と考えがちですが、
その場の空気を壊さずに、そこにいる人たちと協調して仕事をしていくことは、
一人のビジネスパーソンとして持つべき大切な感覚です。
◆ 清潔感がない
ビジネスパーソンにとって清潔感は、
相手に与える第一印象に大きく影響します。
また注意が必要なのは服装のみならず、
髪型やネイル、体臭や口臭にも気を配る必要があります。
清潔感のあるビジネスパーソンは、
それだけで自己管理能力があることが感じられ、
プロとしても一人前であるという印象を相手に与えます。
この逆に清潔感が感じられないビジネスパーソンは、
自己管理能力が低く、仕事のレベルも決して高くないという印象を相手に与えてしまいます。
NGなノンバーバルコミュケーション:その9 〜 その10
「ジェスチャー、身振り手振り」
◆ 大袈裟な身振り手振り
話をしている際に、過度なジェスチャーや、
話の内容以上に大袈裟な身振り手振りをしてしまうと、
相手に「わざとらしい」という印象を与えてしまいます。
そしてそのわざとらしさは、話している内容とは別の何かを隠したり、
過剰に演出しているという疑念につながってしまいます。
しかし、その一方でまったくジェスチャーが少なすぎると、
無関心や退屈さを感じさせてしまいます。
ジェスチャーや身振り手振りは、
会話の重要なポイントを強調するために適度に用いることが効果的です。
◆ 攻撃的な動き
相手との会話やプレゼンテーションなどで、相手に対して指を指したり、
乱暴と思えるような手の動きなどをしてしまうと、
相手に対してとても攻撃的な印象を与えてしまいます。
そしてこの攻撃的な動きは、
相手に対して威圧感を与えるだけでなく、話への集中力を低下させたり、
相手に対するリスペクトの低さとして認識されることもあります。
相手とのコミュニケーションでは、相手に安心感を与えるような、
落ち着いた身振り手振りが必要です。
NGなノンバーバルコミュケーション:その11 〜 その12
「姿勢」
◆ 猫背、姿勢が悪い
仕事をする際の、極端な猫背や姿勢の悪さは、
ビジネスパーソンとして、仕事に対する自信の無さや、仕事での疲れ、
仕事を遠ざけたいという否定的な印象を相手に与えてしまうことがあります。
この逆に真っ直ぐ伸びた姿勢は、
プロとしての自信の表れや仕事への積極性として伝わり、
姿勢を正すだけで相手に良い印象を与えることがあります。
◆ 威圧的(腕組み、足組み)
話をしている最中に腕を組んでしまうと、こちらにその気はなくても、
それだけで相手に対して威圧感を与えてしまうことがあります。
また、話しや考えに集中するあまりに足を組んでしまうと、
相手にはそれがとても偉そうな態度に見えてしまい、
大きな不快感を与えてしまうことがあります。
NGなノンバーバルコミュケーション:その13 〜 その15
「距離感」
◆ 距離感が近すぎる/遠すぎる
ビジネスシーンにおける相手との距離感は、
相手との信頼関係を築く上でとても重要です。
相手と近すぎる距離で話をしてしまうと、
相手は自身のパーソナルスペースに侵入されたと感じ、
それだけで圧迫感や不快感を感じてしまう可能性があります。
逆に相手との距離が遠すぎる場合は、
相手に対する関心がないように見えてしまい、
コミュニケーションの障壁となることもあります。
相手との距離感を適切に維持することで、相手に安心感を与え、
効果的なコミュニケーションが促進されます。
◆ 相手との間に障害物を置く
相手と会話をする際、
相手との間にデスクや会議テーブル、パソコンのモニター、資料の山、
仕切りの板などの障害物がある場合があります。
これらの障害物は、相手との距離感を適度に調整する効果を持ちますが、
この障害物も過剰になってしまえば、円滑なコミュニケーションの弊害になります。
また、これらの障害物の存在は、
当人たちも気づかないケースが多く、
両者の信頼関係構築を阻害する心理的な壁となっていることがあります。
◆ 距離感が安定しない
相手との会話などで、距離感が近くなったり遠くなったりと、
不規則で安定しない場合は、相手に緊張感や不信感を与えることがあります。
相手が快適と感じるゾーンを尊重し、一貫した距離感を保持することで、
相手も安心してコミュニケーションを取ることができます。
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