ダイバーシティ・コラム② 「ワーキングファザーに必要な ワークライフマネジメント」~シングルマザー保育士の観点から~
男性の育児には、ソーシャル活動が欠けていることが多い
ワーキングファザー、要は、お子さんのいる既婚男性のビジネスパーソンに向けて、
エナッチとして、プラス個人的にも発信したいことはそれなりにあります。
でもまず一番に提言したいことは、「ワークライフマネジメント」とか「ワークライフバランス」と言っても、「ライフ」って、そもそもどうなってるんでしたっけ?ということです。
彼らのライフは、個人で楽しむ趣味や、子供を休日公園に連れ出したり、家族でどこか行楽地に
出掛けたり、ということはあっても、いわゆる、サードプレイスがあまりないように見受けます。
一方、ワーキングマザーは、子連れでママ友に会ったり、
子供の友達一家と家族ぐるみで集まったり、なんてこともよくあるのですが。
(そこにパパがおまけみたいにくっついてくることは時々見受けます)
エナッチの研修では、この領域を「ソーシャル活動」と表現しています。
ワークとライフに加えた「ソーシャル」PTAとか少年野球とか、
自治会や青年部のような地元のコミュニティなどです。
なので、まず、最初の第一歩は「ライフ」を広げる、つくる、ということです。
つまり、仕事と家庭に加えて、さらに人生に彩りを加えるソーシャル活動です。
そしてそこは、やっぱり、「父親」という属性をもったうえでのソーシャル活動が、
ワーキングファザーとしてのバランスにはお薦めです。
そのような場所、時間は、仕事にも還元される、と、
弊社のワーキングファザー向け研修に登壇するトレーナーは力説しています。
そのために、エナッチがまず最初に、強くお勧めしたいのは「挨拶」です。
はい、いい年したオジサマに、なんじゃそりゃ、なんですけど・・・
でも、挨拶しない“お父さん”は、すごくすごく多いんです。
ちなみに、挨拶しない“ビジネスマン”はそんなに多くありません。
この“ギャップ”です。
会社では、仕事では、挨拶なんて当たり前。部下や後輩にも指導するし、そもそも、新入社員研修でもまっさきにすり込まれます。
ですが、マンションのエレベーターで居合わせた人、保育園の送迎で一緒になった人、たまたま駅で出会った我が子の同級生の保護者、沈黙したり、ましてや、気づかないフリをしていませんか?
ここで、保育士として大切なことをお伝えします。
直接的しつけと間接的しつけ、
つまり、「挨拶しなさい」と言うことと、挨拶している姿を見せること、どちらが子供のしつけに効果が高いと思いますか?
はい、圧倒的に、後者です。
だから、パパと登園しているお子さんは、
朝、こちらが挨拶してもちゃんと挨拶できない子が多い印象があります。
だって、パパも、先生の前に来るまでは、ずっと伏し目がちに沈黙で、先生にだけ小声で挨拶。
パパの挨拶は必要最小限で、子供も触れる機会が滅多にない希少モノですから。
人間関係は、まず、挨拶からです。そこから、少しずつ話を交わすようになり、お互い知り合い、気が合う・合わないということになっていくのではないでしょうか。
もう少し詳しいことを知りたい方は、自社の新入社員研修のテキストをご覧ください。
(エナッチの新入社員研修も非常に好評でお薦めです!)
もうひとつ、挨拶にはとても重要な効用があります。
そうして広がった自身のコミュニティは、子供のコミュニティも拡張する、ということです。
実際、ワーキングマザーは、子供のために挨拶し、
ネットワーキングを形成している面もあります。
親同士の繋がりで、子供の遊び相手ができたり、子供のために情報収集ができるのですから。
なぜ、共働きなのに、
マザーの方が、ファザーより子供のクラスメイトや交友関係を把握しているのか。
それは、“子育ての視野”です。
ワーキングマザー向けの研修では、
「ママとパパでは、情報量が異なるから、わかってて当たり前と思わない」と伝えています。
が、パパは、関心を持ってないからわからない、知ろうとしていない、とも言えるのです。
で、マザーのイラつきや、戦力外視に繋がっていることもあります。
ちなみに、エナッチの某マザーは、あるパパさんととても仲良くしているそうです。
が、彼は、言葉が通じません。
ネイティブで、日本語がまったく話せないアメリカ人です(彼女の英語力はさておき・・・)
でも、彼は、彼女をみかけるやいなや、すぐに声をかけてくれます。
彼女も大好きなので、遠くにいても、声をはりあげて呼びかけます。
イクメンとか、在宅勤務で家事をやるとか、色々ありますが、ぜひワーキングファザーの皆さん、挨拶をしてみてください。気づいてないフリしたらだめですよー、あれ、バレバレですからね。
ワーキングファザー向け研修では、
「『一本足打法』から、ワーク、ライフ、ソーシャルの『三本柱の生き方』にすることで、
人生が強く、豊かになる!」というメッセージを伝えています。
まずは、挨拶から。気づけば、“お友達”が増えて、楽しくなるはずです!