マインドを変える③ ~環境を変えるのが先か、マインドを変えるのが先か~
仕事へのモチベーションが上がらない、やりたい仕事ができないと、多くのビジネスパーソンが
悩んでいます。組織が思ったように変わらない、会議で誰も意見を言ってくれないと、
多くの管理職の方が悩んでいます。
ビジネスでは、ロジカルシンキングやプレゼンテーション、ファシリテーションなどのスキルは
もちろん重要です。
最近ではDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が言われていますので、UXなどの
デザインスキル、データサイエンスに関するスキルを持った人材も求められています。
そんな様々なスキルが求められる現代。
古くからおこなわれ続けているマインドセットにできることは何でしょうか。
マインドセットには大きな力があります。
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自分を変える2つのパターン
自分を変えるとき、2つのパターンがあります。
1つは、自分の外側の環境に合わせて自分を変える。もう1つは自分を変えたことに外側の環境を
合わせていく。です。
外側→内側→外側への変化
すっぱい葡萄の話はご存知でしょうか。
きつねが葡萄を見つけ取ろうとしますが、高いところにあり取ることができません。
結局きつねは葡萄を「どうせすっぱい葡萄に違いない」と決めつけてその場を立ち去ります。
ビジネスパーソンに置き換えて考えます。
社内、社外で今の自分にはないスキルや経験が得られる仕事が必ずあります。
とてもやりがいが感じられそうな魅力的な仕事です。
そんな仕事をやってみたいと思っているだけで、実際に任されることはほとんどありません。
するとどうなるでしょう。
この会社は古い体質だから、どうせ新しいスキルが必要な事業なんて成功するはずがない、自分を認めてくれない会社だから転職してしまおうか、と自分の内側を変えてしまいます。
それだけでは終わりません。
人は、自分の内側の現実と外側の現実がズレることを嫌うので、周囲にも同じ感情を求めるようにふるまい始めます。
どういうことかというと、この会社は古い体質で何も変わらないよね、みんな頑張っているのに
正当に評価してくれないよね、と周囲に同意を求め始めるのです。
周囲がそれに同意しないと、私のことを分かってくれないと考えるようになり、
どんどん良くない方向に進んでいきます。
まだ続きます。
以前紹介したように、人は見たいと思うものしか見ようとしません。
例えば何かを買おうと口コミを調べている時、買いたいと思っているときにはポジティブな
レビューを、買いたくないと思っているときにはネガティブなレビューを探しがちでは
ないでしょうか。
仕事でも同様です。
この会社は変わらない、自分が頑張っても評価されない、と思っている人に、何か仕事を任せた
としても、ネガティブなマインドを前提に仕事に取り組みます。その大きな理由は、自分が
「変わらない」と思っている会社が「変わること」が許せないと考えるからです。
当然、人間関係にもよくない影響が出ます。
内側→外側への変化
外側の環境を、常に社員にとってポジティブに捉えられるものにし続けられるのであれば、
外側から変化をスタートさせてもよいですが、それは非常に困難です。
そこで、内側からマインドを変えることで、外側の環境を変えていってもらうようにすることが
重要になります。ですが、こちらもそう簡単ではありません。
マインドセットを難しくする3つの要因
マインドを変えて、行動を変えることを難しくする要因は、主に3つあります。
①マインドは過去からできている
②行動を変えても元に戻ろうとする
③矛盾が生じたときに元に戻そうとする
マインドは過去からできている
何かを変えようとするとき、未来を見がちですが、そうすると外側の環境のことにどうしても
目が向いてしまいます。ですが、今の自分を作っているのはすべて過去の情報です。
マインドを変えようとしたときには、自分を作ってきた過去の情報から振り返らなくては
なりません。
その情報には、自分で経験したことだけでなく、他者から言われたことも含まれます。
しかし、日々忙しく仕事に追われていると、自分の過去をじっくりと振り返る機会を持つことが
なかなかできませんよね。これがマインドセットを難しくする1つ目の要因です。
行動を変えても元に戻ろうとする
自分を変えようと行動しても、一時的には変わりますが、
それを継続させることができず、すぐに元に戻ってしまうことはよくあります。
これはその人が悪いわけではなく、誰にでも起こる当たり前のことです。
人は過去の情報を元に自分をつくります。そして、無意識にその自分を維持しようとします。
なぜなら、無意識で動けている現状のほうが心地よいからです。
「自分はこうやって成功してきたからそのやり方が正しいんだ」
「自分はこういう性格だからコミュニケーションが苦手なんだ」
「自分の仕事との向き合い方では管理職には向かないんだ」などと思ってしまうと、
そのとおりに現実を維持しようとします。
だからといって180度違うマインドを持てばいい、というほど単純ではありません。
そんなに簡単に今の自分と違った自分を想像することはできませんし、無理に想像して動いた
としても、すぐに元に戻ってしまいます。これがマインドセットを難しくする2つ目の要因です。
自分の無意識の行動が別の可能性を見えなくしていることは確かですので、定期的に自分の過去の棚卸しをして、別の可能性を探し続けることが必要です。
矛盾が生じたときに元に戻そうとする
あなたはバスケットボール観戦をして日本チームを応援しています。
日本よりも格上のチーム相手に善戦をしていて、なんと第4クオーター開始時点で日本がリード
しています。でも第4クオーターで逆転されて惜敗、なんていうシーンは他のスポーツでも良く
ありませんか。だからこそ格上相手に勝つと、ものすごいことが起きたと盛り上がりますよね。
仕事でも、普段イメージしている自分よりもよい結果が出そうなとき、
「自分がこんなにうまくいくはずがない」と思ってしまうことはありませんか。
人は誰しも、過去の情報からなる自分なりの基準を持っています。
その基準から大きく外れたとき、その矛盾をなくそうとしてしまうのです。
どうしても営業成績で勝てない人に勝てそうでしたが、結局最後は惜しくも負けてしまったとき、
まだまだ自分のスキルや実力が足りていないんだと、安易に思っていませんか。
本当にスキルや実力が足りていないのであれば、そもそも惜しくも負けるという土俵にすら
立てないはずです。
「この土俵に立っている以上、スキルや実力は足りている」。
そうやって自分なりの基準を正当に高めていかないと、いつまでたっても過去の基準に縛られて
行動するようになってしまいます。
ですが、自分のことを正当に評価し直す機会はなかなかありません。
これがマインドセットを難しくする3つ目の要因です。
マインドセット研修の意義
仕事の現場で、自分の過去を棚卸し、無意識から生じる自分の行動を確認し、自分の評価を
し直す、という機会を持つことは困難です。その上で新しいゴールを設定して動き出さないと、
行動変容は起こりません。
ここに研修の価値があります。
あえて仕事の現場から離れて研修を実施することで、過去の自分を振り返り、その日からの行動を変えてもらえる機会を与えることができます。
そして、過去を振り返るときに、受講者が共感できて心を開けるトレーナーをアサインすることが非常に重要です。
弊社では、個社ごとにフルスクラッチのカスタムメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが450名以上おり、個社ごとに合った
研修を、バリエーション豊富にプロデュースできます。
本記事を参考に、是非自社に合ったトレーナーで、マインドセット研修を実施してみては
いかがでしょうか。