「20代は、論理的思考力を鍛えろ!」
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論理的思考力とは?
ビジネスパーソンには、「論理的思考力」が必要だと言われます。
ビジネススクールでも、「ロジカルシンキング」や「クリティカルシンキング」というタイトルのついた講座は必須で組み込まれています。
優秀で、アタマのよさそうな人に対して、「さすが、ロジカルだなぁ」
「論理的で分かりやすいプレゼンだった」と褒めることがあります。
では、「ロジカル」「論理的」とはどういうことなのでしょうか。
論理=LOGICです。LOGICの語源は、LOGOSと言われておりLOGOSとは、「言葉」です。
「言葉」とは何でしょう?言葉とは、事象や物体を指し示すものです。「豆腐」という言葉は、
大豆からできた白くて四角い柔らかい食べ物を示します。それを、適当な大きさに切って、
お皿に載せて、シソやミョウガや鰹節などの薬味を添えると「冷奴」になります。
「言葉」が変わります。その事象や物体を的確に表すことができるのは、「言葉」があるから
ということになります。
では、「豆腐」は、どの時点で「豆腐」から「冷奴」になるのでしょうか?
その境界線は、どこにあるのでしょう?「冷奴」も「豆腐」だから、厳密にいえば、「冷奴」は「豆腐」に包括されているということになります。さて、お皿に載せた豆腐は、
「豆腐」でしょうか?「冷奴」でしょうか?薬味を用意すると「冷奴」になるのか?
お皿に載せると「冷奴」なのか?その境界線は曖昧です。
その曖昧な状況を「言葉」によって、境界線を引くことが「論理的」ということになります。
事象や物体を、境界線を引いて、定義するということです。「豆腐」のような「冷奴」のような、そのような何かでは、定義できていませんし、他者に正確に伝えることはできません。
「言葉」をたくさん知らないと、正確に定義し、伝えることができません。
ボキャブラリーがないと、論理的にはなり得ないということです。
「言葉」を覚えたての子供は、「論理的」と言えるでしょうか?
「その子は、論理的だねぇ~」という話はあまり聞いたことがありません。
中学生から高校生くらいになると、「論理的」な発言も聞かれるようになってきます。
それは、ボキャブラリー、語彙が増えたからです。定義し説明できる語彙が増えたことで、
「論理的」になったのです。「論理的」になるための大前提として、語彙を増やす、
語彙力をつけることが必要なのです。
なぜ、論理的思考力が必要なのか?
では、なぜビジネスにおいて、「論理的思考」「ロジカルシンキング」が必要なのでしょうか?
説明するまでもありませんが、ビジネスにおいて必要なのことは、「コミュニケーション」です。
社内でも社外でもお客様やクライアントに対しても、言葉によるコミュニケーションは
欠かせません。ほとんどのコミュニケーションは、「言葉」によって成り立っています。
コミュニケーションとは、相手に伝わることです。相手に理解してもらうことが
コミュニケーションです。
日本語の「伝わる」と「伝える」は、あまり差がないように捉えている人も
いるかも知れませんが、その意味において大きく異なります。
英語にするとその違いは一目瞭然です。「伝わる」は、「communication」ですが、
「伝える」は、「tell」です。日本語以上に、言葉の印象が異なりますよね。
まったく違うニュアンスに感じます。「伝える」は、一方的に発しているだけなのです。
相手が受けとめてこそ、「伝わる」=「communication」になります。
「ロジック」は、「言葉」でしたが、「論理的思考」「ロジカルシンキング」は、「筋道」です。
「言葉」と「言葉」の繋がり、どのような流れで思考しているかが、「論理的思考」
「ロジカルシンキング」です。
A=Bであり、A=Cでもある。ということは、B=Cである。とは、筋道です。演繹法ですね。
ロジカルシンキングセミナーで解説される、ロジックツリーやMECEという考え方も、どのように考えればよいかという思考の筋道を示しています。
例えば、サンマの漁獲量が減少したのはなぜか?サンマ自体の数が減少したか?サンマは今までと同じくらいの量がいるのだけれど、捕獲することができなくなったのか?いずれかです。
サンマ自体の数が減少したとすると大量に死んだのか?孵化する数が減ったのか?いずれかです。
死んだのは、寿命か?、捕食されたのか?、病気か?とどんどん続いていきます。
このように、漏れなくダブりなく考えていくことが、MECEと言われる思考のフレームで、筋道を立てて考えることができます。
「論理的思考」においては、「言葉」で事象や物体を定義する語彙力と、言葉の繋がり、
思考の筋道が重要となります。「論理的」に考えることで、取るべき行動、避けるべき行動が
明確になります。どんな戦略を立てれば、成功の可能性が高まるのか、失敗を避けることが
できるのかが見えてくるのです。
ビジネスにおいて、コミュニケーションだけでなく、戦略を立てる上でも、「論理的思考」は
欠かせないのです。
論理的思考力の鍛え方
では、どうすれば「論理的思考」が開発されるのでしょうか?冒頭で、LOGICの語源は、
LOGOS=言葉であるとお伝えしました。「論理的思考」を身につけるために必要なものは、
語彙力です。多くの言葉を知ることです。
つまり、本や新聞を読むことなのです。さまざまなジャンルの本を読むことが必要です。
新聞も語彙力を増やすために有効です。ネットニュースよりも、紙の新聞をお勧めします。
ネットニュースの場合は、本人の興味関心を反映させたニュースを集めて表示します。
本人の興味関心に合わせてしまうので、本人の知らない、触れる機会の少ない分野の言葉は
表示されにくくなります。
それでは、語彙力は増えません。
紙の新聞(ネットでも紙面表示で読めば紙でなくても構いません)では、自分の興味がない
ニュースも自然と目に入ります。さまざまな分野のニュースやコラムに触れることで、
本人が思いもよらない言葉や知識が増えていきます。
人の話を聴くことも同様です。専門分野をもつさまざまな人の話を聴くことで、語彙や知識は
どんどん広がっていきます。10代から20代の脳は、新たな知識の蓄積に長けているので、
多くの書籍や新聞を読み、専門家の話を聴くことをお勧めします。今は、ネットで気軽に
さまざまな専門家の講演を聴くことができるので、ぜひ有効活用することをお勧めします。
さらに、「論理的思考」を鍛えるためには、「書く」ことが必要です。文章を書くことです。
書けないということは、考えていないのと同じだとも言われます。自分のアタマの中にある考えを文章にすることが必要なのです。書くことで、思考が深耕され、書いた文章を読むことで、自分の思考を俯瞰で捉えることができます。客観的に、自分の考えを眺めることができるのです。
そうすることによって、意味の繋がらないところ、深く理解していないところが明確になります。
常日頃から、自分の考えていることを文章にすることをお勧めします。
20代のうちに、ロジカルシンキングを習得することで、ビジネスパーソン同士の
コミュニケーションが円滑に出来るようになり、今後の社会人人生にとって間違いなくプラスに
なります。是非論理的思考力を鍛え、ロジカルな人になることを目指してください。