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人材育成につながる行動変容へのアプローチ

研修を実施する際に、結果としてよく求められる行動変容。
研修を実施する側は、ある課題を解決したいと研修を企画しますので、研修で学んでもらったことを現場で活用してほしいと考えています。また、研修を受講した側も、研修で学んだことを活かし行動につなげていきたいと、よくアンケートに記入しています。しかしその一方で、実際に行動を変えることが難しいという声も多く耳にします。

今回は、研修を実施する側も受講する側も求めてやまない、行動変容についてのコラムです。

目次[非表示]

  1. 1.行動を変えるための研修手法
  2. 2.環境を変えると行動が変わる?
  3. 3.自分の習慣を知る
  4. 4.情動記憶を利用して行動を変える
  5. 5.ゴールを設定する

行動を変えるための研修手法

研修の際、以下のようなワークを経験したことはありませんか?

・よくある日常の場面を思い起こして自分の習慣を書き出す
    例)つい選んでしまう服の色や柄、つい買ってしまうお菓子
・仕事の場面での習慣やクセを書き出す
 例)慣れている業務の手順、商談するときの会話の順番
・続けたい習慣や減らしたい習慣、新しく増やしたい習慣を書き出す
 例)非効率なやり方を変えて残業時間を減らしたい、会議で積極的に発言したい
・嬉しかった体験や悔しかった体験などの、感情が想起される体験を書き出す
 例)あなたとならまた一緒に仕事をしたいと言われた、同期に営業成績で負けた

実はこれらのワークは、「行動変容」につなげるためにおこなっています。
実際の研修では、個人ワークやグループワークの時間を設け、全体共有の場で発表をしてもらう
などしながら感情にアプローチしていきます。

では、このようなワークがなぜ「行動変容」につながるのでしょうか。


環境を変えると行動が変わる?

パーソルキャリアが運営するdodaの調査によると、2019年度に転職をおこなった約10万人の
転職理由の第1位が、「ほかにやりたい仕事がある」でした。
給与や評価、人間関係への不満も挙げられていますが、ほかにも
「幅広い経験・知識を積みたい」、「市場価値を上げたい」といった理由が転職理由TOP10
の中に見られます。
現状が嫌、現状から抜け出したいというのは、転職理由の話としてはよく耳にする話だと
思います。環境を変えることで自分を変えられると期待している方は、特に若手に多いですが、
果たして本当にそうでしょうか。

中には早く転職したほうがよい場合もあるでしょう。
マイナビの2020年12月の調査によると、転職して良かった点の第1位が「年収アップ」ですが、
第2位が「スキルアップができた」、第3位は「やりがいアップができた」でした。

一方で平成27年の厚生労働省の調査によると、転職後1年以内で辞める人が20%近くもいます。
2年以内で辞める人は約35%です。その理由の第1位は、「仕事が想像と違った」でした。
一時的に環境が変わって喜びはしますが、長続きしない方も多くいるようです。

長続きしない原因の1つとして、自分を取り巻く環境だけでなく、自分の内側にも、自分を変えることを妨げているものがあるからなのではないでしょうか。

自分の外側に目を向けることは簡単ですが、自分の内側に目を向けることは意外と難しいもの
です。そのような場合に有効的なのが、先ほど挙げたワークです。
ワークを研修などでおこない、自分の内側を知るきっかけを作ります。


自分の習慣を知る

以前のコラムでも紹介したように、マインドは心と脳の両方を指します。
そして、マインドを変えることは認知の歪みを外すことというお話をしました。

また、そのためには現状からかけ離れたゴールを決めることの重要性についても
紹介しました。

今回は、もう少し認知の歪みについて詳しく紹介します。
認知の歪みを作り出すのは、我々の脳ですが、その脳にはたくさんの情報が保存されています。
その情報には、勉強して学ぶような、数学、歴史、英語などの記憶以外に、思い出のような、
喜怒哀楽の感情とセットになって保存されている情動記憶も含まれます。
これらの情報が認知の歪みを作り出し、我々が行動したり判断したりするときの基準となります。

そして、記憶された情報をもとに、無意識の行動、無意識の判断が生まれます。
これが思考や行動のクセ、もしくは習慣と言われるものです。

この無意識の行動や判断は非常に重要な機能です。例えば一度自転車に乗ることができたら、
乗り方について考えるまでもなく、無意識でパッと乗れるようになり忘れることはありません。

野球では、ピッチャーが投げたボールがホームベースに到達するまで0.4秒~0.5秒です。
バッターはそのボールを打つわけですが、このボールを意識的に知覚するのに0.5秒必要です。
つまり、見て判断していたら打つことはできません。
無意識に打った後に、ボールを見たと知覚しているのです。

仕事でも同じです。最初は難しかった仕事も、回数をこなすことによって徐々に慣れていき、
最終的には意識しなくてもできるようになります。
仕事の内容に意識を取られているうちは、時間がかかったりミスが多かったりしますよね。

無意識の行動や判断があるからこそ、できるようになることや、効率がよくなることが
たくさんあります。ですが、無意識の行動や判断が変わらなければ、人は同じことを
繰り返すことになります。

そこで、行動を変えようとするときに必要なステップが、自分の習慣を知ることです。
そのために、研修では習慣を書き出すワークがあります。


情動記憶を利用して行動を変える

習慣を変えると行動が変わります。その時にうまく利用したいのが情動記憶です。
情動記憶は、無意識の行動や判断を作り出す上で、非常に重要な役割を果たしています。
怒られたり悲しんだりした情動記憶がある場合、
「また同じことが起きたらどうしよう」、「もっと嫌な思いをするかもしれない」
などネガティブな思考が生まれてしまい、行動しない選択を取ることがあります。
逆に、楽しかったり嬉しかったりした情動記憶がある場合には、
「また同じ思いをしたい」、「もっと嬉しい気持ちを得たい」など
ポジティブな思考が生まれ、積極的に行動しようとします。

最初に紹介したワークでも、嬉しかった体験などを書き出すものがありましたよね。
情動記憶は、うまく活用すると「行動変容」の手助けになります。

無意識の行動や判断を変えることは難しいものです。
「自分がやってきたことは正しい」、「自分の知識や経験は間違いない」と
誰しもが思っています。そこで情動記憶を思い起こし、現状を変えることに対して
ポジティブな感情を想起させるのです。


ゴールを設定する

補足ですが、行動変容を定着させるためにゴールを設定することも必要です。
新入社員の頃は与えられた仕事をこなせるようになることがゴールで、 それを達成する過程で
無意識の行動や判断が出来上がっていきます。 この行動や判断を変えるためのゴールを新しく
設定し、情動記憶を活用すると、 最初のぎこちない行動や的を射ない判断の時期を乗り越え、
新しい行動や判断が定着しやすくなります。
このようにして自分を変えられると、環境を変えなくてもやりがいを 感じられるようになるのではないでしょうか。 そんな機会を提供することで元気なビジネスパーソンを増やしていきたいと、 弊社は日々研修を実施しています。

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