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ファシリテーションに必要なスキルとは? 〜議論を活性化させ、参加者の満足度も高める5つのビジネススキル〜

私たちの周りにはさまざまな人たちがいます。

立場が違う人、世代が違う人、異なる経験を持つ人、性格や考え方が異なる人、
そしてこれら多様な人たちが集まり、同じ目的に向かって働いているのが、会社や組織です。

またこうした人たちが、さまざまな意見を出し合うからこそ、その多様性が活かされ、
より実用性のある方法が考えられたり、革新的なアイデアが生まれるのです。

しかし、その一方、議論の場でみんなの意見を聞いていると、
話の収拾がつかなくなり、とても悩ましくなるケースもあります。

そんな時に不可欠となるのが、「ファシリテーション」です。

今回のコラムは、議論を活性化し、それぞれの意見を尊重しながら、
効率的な合意形成ができる「ファシリテーション」に必要なスキルについて解説します。


目次[非表示]

  1. 1.ファシリテーションとは?
  2. 2.ファシリテーションのメリットとは?
  3. 3.ファシリテーターの役割とは?
    1. 3.1.参加者の意見を整理する
    2. 3.2.意見の対立状況を打開する
    3. 3.3.時間を管理する
    4. 3.4.結論を導く
  4. 4.ファシリテーションの進め方
    1. 4.1.目標の共有
    2. 4.2.場づくり
    3. 4.3.アイデア出し
    4. 4.4.論点の絞り込み
    5. 4.5.合意形成
  5. 5.ファシリテーターに求められる5つのスキル
    1. 5.1.傾聴力
    2. 5.2.時間管理力
    3. 5.3.コミュニケーション力
    4. 5.4.論理思考力
    5. 5.5.感情コントロール力
  6. 6.エナジースイッチのファシリテーション研修事例
  7. 7.社員の育成ならカスタムメイド研修をご利用ください

ファシリテーションとは?

ファシリテーションは、ただ司会進行をするという意味ではありません。

ファシリテーションとは、会議やプレゼンテーションの場において、
効率的な議論とグループ内コミュニケーションを促したり、
参加者全員の意見を集約し、効果的な意思決定を促進する手法です。

特に意見の対立がおきるような場面では、ファシリテーションをおこなうことで、
目的の明確化、意見の調整、話し合いをより深くするなどの効果があります。

ファシリテーションのメリットとは?

ファシリテーションがおこなわれる最大のメリットは、
会議などの議論の場が参加者の知恵を集める創造的な場となることです。

その結果、会議自体の時間も冗長にならなくなりますし、
無駄と思われる会議が減り業務効率も上がります。
 
たとえば、プロジェクトの企画会議において適切なファシリテーションがおこなわれる場合、
まずそのプロジェクトの目的と、この会議での議題が明確にされます。

次に、参加者からプロジェクトに関する疑問や意見などを平等に引き出し、
それらをまとめて共有することで、参加者全体がプロジェクトに対する理解を深めます。

また、議論が偏らないように誘導したり、異なる視点を尊重することで、
より多くのアイデアを生み出すことにも貢献しますし、参加者の当事者意識も高まります。
 
もしも会議で、適切なファシリテーションがおこなわれないと、
参加者によってプロジェクトの目的の捉え方が違ったり、特定の人しか話さなかったりと、
話し合いとしても噛み合わない議論になってしまいます。

企画や計画づくりの会議では、参加者の知識やアイデア以上に、
ファシリテーションの上手下手が重要になることもあります。

ファシリテーターの役割とは?

ファシリテーターとは、ひと言で言えばファシリテーションをおこなう人です。

議論の場において、参加者グループやチーム内のコミュニケーションを促進し、
効果的な意思決定を支援する役割があります。

ここからは、そんなファシリテーターの役割を4つの視点からご紹介します。

参加者の意見を整理する

ファシリテーターは、各参加者が自分の意見やアイデアを共有する際に、
発言内容を注意深く聞き、その要点が何なのかを考えます。

その後、要点を要約し、内容が正しいかどうかを参加者全員に代わって発言者に確認します。

このプロセスによって、参加者間での要点の認識違いを防ぎます。

意見の対立状況を打開する

意見の相違や参加者同士の対立が生じた場合、
ファシリテーターは双方の異なる意見を論理的に整理し、意見の共通点などを見つけます。

さらにお互いの立場やこれまでの経緯を踏まえて、
対話を促す質問を投げかけながら、対立を平和的に解決します。

時間を管理する

会議の全体的な流れや各アジェンダを進行する場面では、
ファシリテーターは各トピックに割り当てられた時間を守るための
タイムキーピングをおこないます。

議論が長引きそうな場面では適切なタイミングで、
次の話題に移行することを促したりもします。

結論を導く

ファシリテーターがこれまで説明したような役割を果たすことで、
議論が脱線したり、過剰に対立したりすることなく、会議はより効率的に進行します。

また、参加者も自身の意見を率直に発言することができたり、
他者の意見も冷静に捉えられるようになります。

そうした場をつくり、最終的に発散した意見を収束させることで、
効率よく結論を導くのがファシリテーターです。


ファシリテーションの進め方

ファシリテーターは、実際にどのようにファシリテーションを進めたら良いのでしょうか。

ここからは、ファシリテーションの進め方を5つのステップにわけて説明します。

目標の共有

会議などの議論の場において、事前準備は非常に重要です。
会議の成否は事前準備によって決まる、と言っても過言ではありません。

ファシリテーターは、会議で「何を」したいのか、それは「なぜ」なのか、
「何について」議論するのかなどを事前に決めます。

そして最後に、
会議で「どこまで」進めるのかという目標を設定し、参加者全員に共有します。

場づくり

会議は、参加者の知恵を集める創造的な場です。

そうなるためにファシリテーターは、
参加者が発言しやすい場をつくらなくてはいけません。

ファシリテーターは、あくまでも中立の立場に立ち、
発言者が偏らないように配慮しながら会議を進行します。

また、意見の相違を快く受け入れ、メンバー同士の話し合いを促すことで、
発言しやすい場をつくります。

アイデア出し

会議では、アイデアが出れば出るほど結論の質が上がり、参加者の納得感も高まります。

たとえば、何かの問題解決を目指して会議を開催する場合、
現状の分析と問題の抽出がさまざまな視点からおこなわれたほうが、
より良い解決策を導き出せる可能性が高まります。

ただし、会議の時間には限りがあります。
論点がズレたときなどは、会議の方向性を修正することも必要です。

論点の絞り込み

アイデアが出れば出るほどいいとはいえ、
会議は最終的に「結論」を出さなくてはいけません。

結論を出すための最初のプロセスとして、
ファシリテーターは出たアイデアをまとめて論点を絞り込みます。

たとえば、各アイデアの上位概念を見つけて切り口をまとめる手法や、
マトリクスやツリーなどのフレームを使って情報を整理する手法が用いられます。

合意形成

会議の参加者全員が共有する結論を導き出すことを合意形成といいます。

会議では、全員の意見が一致することはほとんどありません。

対立意見があるなかで合意形成をおこなうために、
ファシリテーターは選択する基準を決めます。

基準は、会議の目的から考えて決めたり、コストや時間などの制約条件に注目したり、
一般的に使われる汎用的な基準を使ったりして決めます。

汎用的な基準としてよく使われるものには、
ペイオフマトリクスや星取り表などがあります。


ファシリテーターに求められる5つのスキル

傾聴力

ファシリテーターの「傾聴力」は、会議やワークショップの成功に不可欠な要素です。

このスキルに長けたファシリテーターは、参加者の意見をただ聞くだけでなく、
その意図を正しく理解し、彼らの感情も感じとります。

そして参加者の意見に適切に反応することができます。

これにより参加者は、自分の意見が真剣に受け止められていると感じるだけでなく、
ファシリテーターに対する信頼感が高まります。

そして参加者が安心して議論に参加できるため、
議論はよりオープンで生産的なものになります。
 
また、ファシリテーター自らが積極的に質問をすることもあります。

参加者の異なる意見をたくさん引き出すことで、
参加者間のブレインストーミングを活性化させる効果があります。

たとえば、新しいプロジェクトのアイデアを出す会議で、ファシリテーターは
「このプロジェクトが成功するために必要な要素は何だと思いますか?」
といったオープンな質問を投げかけたり、
異なるアイデアが提示されたときは、ファシリテーターは
「それを実現するにはどのような課題がありますか?」
といったフォローアップの質問をおこないます。

参加者はこれらの質問について考えたり、
意見したりすることで、議論をさらに深めることができます。
 
このほかにも、ファシリテーターは、参加者の身振り、目の動き、声のトーンなど、
非言語的なサインにも注目する必要があります。

なぜなら、これらの様子から参加者の感情や態度を理解することができ、
それは議論をより円滑に進めるためのヒントになるからです。

時間管理力

効果的な会議やワークショップを実現するためには、
ファシリテーターの進行時間の管理がとても重要です。

時間を適切に管理することで、全員が発言する機会を持て、
より公平で生産的な議論ができるようになります。

また、限られた時間内で、会議の目的を達成するためには、
議論を効率的に進める必要があり、これはファシリテーターの主要な責任の一つといえます。
 
ファシリテーターがすべき時間管理は、議論のタイムリミットをチェックするだけではなく、
議題の優先順位付けなどもおこないます。

これにより、重要なトピックには十分な時間を割き、
各議題が適切な時間配分で議論できるようになります。

また、予定されていた議題から逸脱することがあっても、それが有益ならば適切に取り入れ、
時間の制約を念頭に置きながらも柔軟性を持って議論全体をコントロールします。
 
ファシリテーターが時間管理をすることで、結論やアクションプランが効率的に決まります。

そして予定時間通りに会議やワークショップが終了すると、
参加者も議論の成果を実感することができます。

議論の成果が感じられれば、参加者の満足度も自然と高まり、
彼らの仕事へのモチベーションの向上にもつながります。

また、時間を守ることは、参加者全員の時間を尊重することを意味しているため、
これは長期的な目でみれば、チーム内の信頼関係構築にも役立ちます。

コミュニケーション力

ファシリテーションで求められる「コミュニケーション力」は、
会議やワークショップを円滑に進行させる上でも欠かせない要素です。

このスキルの有無により、参加者同士の意見交換や理解を深める対話が活発になり、
生産的な議論ができるようになります。

また、異なる意見を上手く調和させ、グループの合意形成をサポートすることも、
ファシリテーターの重要な役割と言えます。
 
まず、効率的な議論をおこなうためには、
さまざまな意見によって生じる参加者の混乱を防ぐことが必要です。

ファシリテーターは会議の冒頭だけでなく、
議論の途中でも必要に応じて議題の意図や会議の目的を参加者に伝えます。

これにより参加者は議論の方向性を見失わず、
また、自分の意見やアイデアを効果的なタイミングで発言できるようになります。
 
意見の対立が生じた際は、
この対立を上手に緩和させつつ、有益な議論に導く必要があります。

この場面でファシリテーターは、参加者とうまくコミュニケーションを取り、
彼らの感情をうまく緩和させたり、ファシリテーターからの意見なども加えて、
客観的な視点で議論ができるサポートをおこないます。
 
また、ファシリテーターが参加者の意見やフィードバックを受け入れ、
それを活用すると、参加者は自分たちの声が尊重されていると感じます。

これは参加者の会議への参加意識を高め、より積極的な発言を促す効果があります。

論理思考力

ファシリテーターにとっての「論理思考力」は、
効果的な会議やワークショップを実施する上で不可欠であり、
あらゆる場面で求められるスキルです。

たとえば、参加者から出てくるさまざまな意見は、議論を通じて丁寧に整理し、
結論も含めて明確な構造に落とし込む必要があります。

そのため、ファシリテーターは議論の中で、意見をカテゴリ別に分類したり、
メリット・デメリットという要素を加えて整理をしたりします。

この整理の際に論理思考力が不足していると、
偏った視点で考えたり、整合性のないまとめ方をしてしまい、
参加者を混乱させるだけでなく、議論を本質からずれたものにしてしまいます。
 
一方で、参加者からの説明が不十分であったり、
コメントが簡潔すぎると、他の参加者がその意図を正確に理解できない場合があります。

この場面でファシリテーターは、参加者の表面的なコメントを分析し、
その背後にある理由や意図を探る必要があります。

そして質問を通じて、そのコメントの背景や関連情報を明らかにし、
参加者全員がより議論を深く理解するためのサポートをおこないます。
 
また、問題解決をテーマにした議論では、問題の特定や原因分析がうまくできずに、
議論が行き詰まることがあります。

ここではファシリテーターは率先して、問題を明確化したり、
原因分析の掘り下げをおこなって、議論が前に進むようにサポートします。

感情コントロール力

ファシリテーターは、議論において常に中立的な立場なければなりません。

そのためにも、議題や参加者からの意見によって生じる、
ファシリテーター自身の感情の変化を抑える必要があります。

もし、ここでファシリテーターも一緒になって感情的になってしまうと、
その場が、反対意見が出にくい状態になってしまったり、
お互いの感情をぶつけるような議論をしてしまいます。

こうなってしまうと冷静で論理的な議論を行うことは困難になり、
議論の質そのものが低下してしまいます。
 
参加者同士が感情的に対立するような場面では、
ファシリテーターが落ち着いた状態で接することで、
対立している両者だけでなく、他の参加者にも安心感を与えます。

ファシリテーターは、
自身の感情をコントロールするだけでなく、参加者の感情に対して適切に対応し、
参加者全員が快適に参加できる環境を作り出す必要があります。


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