和を成す = 人の力を借りる力も自分の力 = 関係性開発(Relationship Development)
私は、20歳代後半までは、どちらかと言えば、抱え込むタイプでした。
かっこ悪い自分、いけてない自分とは向き合いたくない思いが強く、背伸びをして、目いっぱい走り続けてきました。
体育会系で、アメリカンフットボールのプレイヤーとしての経験も影響していたからか、
ちょっとでも、痛い素振りをしていると、そこを相手側に狙われるため、痛くても痛い素振りは一切見せない。
体育会系の昔のしごきの中で育ってきた私は、厳しい環境、つらい環境、ハイプレッシャーの中でこそ、
人は育つという考え方のもと、部下に対しても、指示・命令型のリーダーシップスタイル一辺倒でした。
ところが、自分で抱え込んでいたり、指示・命令型の一辺倒だったりすると、
自分の能力の限界がお預かりしている組織の能力の限界になってしまう。
すると、その限界値に達した時に、今までの成長路線からは一転して、下降が始まる。しかもその下降に歯止めがきかない。
その時は、相当、苦悩しました。悩んで悩んで悩み抜いた結果、ふと自分の中で生まれた言葉が、「人の力を借りる力も自分の力」でした。
世の中を広く見れば、知っていることよりも知らないことの方が多い。できることよりも、できないことの方が多い。
だったら、知っている人のお知恵をお借りし、できる人のお力をお借りできれば、さらなるパフォーマンスや成果を創出できるはず!
まずは、“馬鹿である自分”、“いけていない自分”と向き合うことからがスタートしました。
表現を変えて言えば、「何にでも感動できる力」は、とても大切だとの考えに至ったのです。
それからは、本当にいろいろな人たちのお知恵やお力をお借りできるようになりました。
すると面白いことに、自分の能力の限界が、自分のパフォーマンスや成果の限界ではなく、
そのパフォーマンスや成果が、無限に広がっていくのです。
年々、そのパワーは増している実感を持っています。
そもそも、なぜ、組織開発の領域に興味を持ち、その道に自らの歩みを進めたのか?
これも、アメリカンフットボールでの体験がベースです。
高校時代の顧問の先生は、今は、人生最高の恩師ですが、当時の私からすると“鬼”。
練習も厳しく、先輩たちからのしごきも、当たり前のようにありました。
でも、チームとしては、インターハイの常連校でした。
チームメンバーは皆、アメフトの選手としては身体は大きくはないのに、なぜ、常連校であり得たのか?
実は、“鬼”の顧問の先生のマジックがそこにあったのです。
本番の試合前になると、チームメンバーの気持ちを上げて、「よっしゃぁ!いくぞ!!」という状態にするのが、
とても上手な先生で、試合になると、持てる力の120%発揮できてしまう!
これって、どんなマジックだ!? その原体験から、組織心理や、組織開発の領域に興味関心が強まり、探求が始まりました。
そして、30歳になったときにふと振り返ってみると、自分自身が携わってきたこと、関心を持って取り組んできたことが、
まさに、親からちょうだいした名前である和成=「和を成す」であることに気づいたのです。
それが、今の私の専門領域でもある「和を成す」= 関係性開発(Relationship Development)につながり、
今は、「チームビルディング」「コラボレーション創出」「巻き込み力」等のテーマを扱っていたり、
社会人対象だけではなく、アウトドアリゾートの経営においては、
「家族の絆」「仲間との絆」を深める場・機会づくりにつながってきているのです。