シニア活躍が求められる背景とシニアのキャリア自律を促す研修とは
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今、シニアの活躍が求められている背景とは
ダイバーシティ&インクルージョンの取り組みの中でも、
今、シニア世代の活性化が盛んに
叫ばれています。
シニア世代の活躍が求められる理由は、
少子高齢化社会における雇用問題の解決です。
厚生労働省が2021年5月に発表した、2021年1月~3月の出生数は、
前年同期と比べて9.2%も減り、
当初の想定を上回るペースで少子化が進んでいます。
また、総務省のデータによると、
日本の人口は2008年をピークに減少を続けており、
人口が多い団塊ジュニア世代が引退する頃になると、
働き手不足の問題が深刻になるのではと予想されています。
そんな中、平成25年には高年齢者雇用安定法が改正され、
雇用を促進するための様々な取り組みがおこなわれてきました。
それを更に促進するために、2021年4月からは
改正された高年齢者雇用安定法が施行されています。
一方でシニア世代も労働意欲を持っていることが、
2019年の内閣府の調査で分かっています。
現在仕事を持っている60歳以上のうち、
36.7%が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答し、
「70歳まで」~「80歳まで」を加えると
87.0%のシニア世代の方が働きたいと答えています。
会社としても、シニア世代の豊富な経験、
優れた知見や技能は失いたくないリソースです。
シニア世代が働くことにやりがいを感じ、会社で活躍してくれることは、
ダイバーシティ&インクルージョンを進めるうえで
非常に重要な問題になっています。
2021年4月に施行された「高年齢者雇用安定法」のポイント
2021年4月から施行された高年齢者雇用安定法のキーワードは「70歳」です。
以下5つの措置が努力義務とされています。
①定年を70歳に引き上げ
②70歳まで継続雇用する制度の導入
③定年制の廃止
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業
現実的には④と⑤は難しく、①~③の対応をしている企業が多いようです。
シニア活躍の取り組み事例紹介
努力義務として、
対応“しなければならない”とややネガティブに受け取られがちなシニア活躍
ですが、シニアが活躍することは若手への良い影響も期待されています。
シニアが活躍してくれてよかった、
という事例を、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が発表している
「高年齢者雇用改善事例コンテスト」の上位企業から2つご紹介します。
【株式会社大津屋の事例】
コンビニエンスストアや観光物産課事業をおこなっている大津屋では、
70歳定年制を導入し、
コンピテンシー評価を活用した人事評価を実施しています。
多様なライフスタイルに合わせた働き方を用意し、
6ヶ月ごとに面談を実施することで、
役割や責任を明確にし、モチベーション向上につなげています。
ペア就労という制度では、
若手社員への指導を高齢社員が担当することで、
人生経験を踏まえた優しい指導がおこなわれ、
若手層の定着や、世代を超えてよい影響を与えることに成功しています。
【栄興株式会社の事例】
工業用セラミックの加工・販売を中心におこなっている栄興では、
シニア世代の持つ卓越した技術を継承しようと、
希望者全員を70歳まで継続雇用し、さらに70歳を超えてからも継続して
働くことができる柔軟な雇用形態を取り入れています。
シニア社員の持つ「自分のやり方」の手順を最新の技術を取り入れて
標準化・統一化することで作業スピードアップを実現し、
若手社員とペアを組んで技能を伝えています。
また、若手社員育成を通じてシニア社員間でも競争意識が芽生え、
指導意欲が向上するなどの相乗効果が生まれています。
シニア向け研修事例紹介
シニア向け研修でのご相談として多いのは、
・シニアのキャリア自律を促したい
・年下上司などとのコミュニケーションを円滑にしたい
というものです。
多くの企業でシニア層の大半を占める、
非管理職の50代社員、役職定年者、定年再雇用者の
活性化に課題を持っている人事担当者が多いです。
役職を持たない非管理職においては、
目標喪失が生じた結果、惰性で業務をおこなうようになり、
パフォーマンスの低下するシニア社員も少なくありません。
役職定年者・定年再雇用者においては、
立場の変換、待遇低下、職務変更などにより、
モチベーション低下が起こり、大きくパフォーマンスを下げてしまうケースや、
直属の上司との立場も依然と逆になり、
指導していた元部下が上司になるなど、心理的にコミュニケーションが
図りづらくなる場合もあり、
円滑なコミュニケーションができないというケースも多く見受けられます。
そんな中、今シニア層へのマインドセット研修が注目を集めています。
弊社では、個社ごとにフルスクラッチのカスタムメイドで研修をご提案しております。
パートナーとして協力いただいている外部トレーナーが450名以上おり、
個社ごとに合った研修を、
バリエーション豊富にプロデュースできます。
本記事を参考に、是非自社に合ったシニア人材活性化研修を
実施してみてはいかがでしょうか。
【場をつくる】
立った状態で円の形に並んだ受講者がトレーナーの合図に従って、
3つのパターンで体を動かします。
自分たちの動きや言動を振り返り、自分たちの思考の特徴や傾向を知ります。
また、自己紹介でお互いの共通点や相違点を明らかにしたり、
率直な愚痴を思いのままに吐き出すことで、
一体感をつくる雰囲気を醸成し、コミュニケーションが活発に出る場づくりをします。
【すべきを受け止める】
職場からの声として、上司や同僚からのメッセージを読みます。
普段のコミュニケーションでは伝えられていなかった感謝の言葉や、
率直な意見を受け取る事ができます。
その後、メッセージの意図や背景を深く理解するために、
個人ワークを通じて自身の振り返りをおこないます。
【したいと向き合う】
自分自身の人生曲線を描くワークをおこないます。
仕事における印象的な出来事を時系列で、
その時の自身の感情の浮き沈みを波線で記載します。
受講者同士で人生曲線について発表し合いお互いへの関心を深め、
自身のことも振り返り、ありたい自分をイメージします。
【ビジョンを描く】
5年後、10年後、20年後、30年後の未来図を描き、
それを簡単な演劇手法で演じながら発表します。
そうすることで感情をともなった具体的なイメージの定着を図ります。
【“できる”を整理する】
“できる”を業務技能・一般技能・態度・基礎能力の4つの項目に分けて考えます。
自身の「ありたい将来像」を元に“できる”ことの棚卸しをおこない、
不足しているものを具体的に見える化します。
不足をどのように補うのかを考え、社内の活用できるリソースを受講者同士で
情報交換します。
【成長を計画する】
課題解決思考で成長のためのプロセスを具体的につくり、
明日からの行動変容につなげます。