企画力とは 〜企画に必要な5つのスキルと、企画力のある人の特徴、鍛える方法、企画力研修事例をご紹介〜
「会社の仕事で企画を考える」こう聞いたとき、みなさんはどのような印象を受けるでしょうか?
会社で企画を考えるなんて聞くと「とても難しいイメージがある」という人もいれば、
「まだ誰もやったことがないものに挑戦できるなんて楽しそう」と考える人もいると思います。
「それは企画部の仕事だから自分には関係ない」と思う人もいるかもしれません。
しかし、「企画する」という仕事は、決して企画部の人たちだけにあるものではありません。
営業部、広報部、システム開発部、人事部…、
それぞれの部署には、それぞれの「企画する」場面があります。
今回のコラムテーマは「企画力」です。
ビジネスパーソンならば身につけたい企画力と、その企画力の高めかたなどについて解説します。
目次[非表示]
- 1.企画とは
- 2.企画力とは
- 2.1.企画力の意味①:課題に対して説得力のある解決方法を示す力
- 2.2.企画力の意味②:現状をふまえた実現可能なやり方を考える力
- 2.3.企画力の意味③:関係者から合意を得ながら、アイデアを「企画」という形にしていく力
- 3.企画力と提案力との違い
- 4.企画に必要な5つのスキル
- 4.1.企画に必要なスキル①:リサーチ能力
- 4.2.企画に必要なスキル②:分析力
- 4.3.企画に必要なスキル③:発想力
- 4.4.企画に必要なスキル④:コミュニケーションカ
- 4.5.企画に必要なスキル⑤:プレゼンテーションカ
- 5.企画力がある人の特徴
- 5.1.◆特徴その1:洞察力がある
- 5.2.◆特徴その2:段取りを考えている
- 5.3.◆特徴その3:今のやり方に囚われない
- 6.企画力を鍛えるトレーニング方法
- 6.1.定期的に仕事のやり方を見直す
- 6.2.仕事の費用対効果を考える
- 6.3.他の人の見解を聴く
- 7.企画に役立つフレームワーク
- 8.エナジースイッチの企画力研修事例紹介
- 9.社員の企画力を高めるならカスタムメイド研修をご利用ください
企画とは
「企画」という言葉を辞書で調べてみると、「ある事を実行するために計画を立てること」
または「その計画そのもの」という意味合いで書かれています。
つまり、企画とは「計画」という言葉にそのまま置き換えられるということです。
しかし、会社で「企画」という言葉をそのまま「計画」の意味で使っているかと言えば
そうではなく、「計画」とは若干ニュアンスが異なった使い方をしているのが一般的です。
「企画」とはこれまで実現されていない新しい取り組みを指すことが多く、
またその目的は会社の事業に関わるものや、業務改善などの重要なものもあるため、
企画には多くの人たちが関わるという印象もあります。
【企画】
これまで実現されていない新しい取り組みを考えること。重要度が高く、多くの人が関わる。
【計画】
その取り組みが初めてか否かは関係なく、取り組み全般の段取りや進め方のこと
企画力とは
「企画力」という言葉の意味も、辞書からの意味をそのまま使えば、
「計画する力」という意味になりますが、
会社で言う「企画力」には難易度が高めの能力が求められます。
企画力の意味①:課題に対して説得力のある解決方法を示す力
企画力とは、問題に対する単なる思いつきのアイデアを述べる力ではありません。
その課題が、なぜこれまで実現することができなかったのか?という原因と経緯を正しく認識し、その原因と経緯をふまえて解決方法を示せる力という意味合いがあります。
これまで解決されなかった課題は、仮に何か対処法を思いついたとしても、
「その方法が本当に有効かどうかは、やってみないとわからない」ということがよくあります。
簡単に実施できるものであれば、すぐにやってみれば良いのですが、
そこに多くの人が関わったり、費用が掛かるものだと、そういう訳にはいきません。
実際にやってみたものの
「思っていたような効果が出なかった」では済まされない場合もあります。
そのため良い企画の条件には、
関係者が「これなら解決できる」と本気で思える説得力を持った内容であることが必要です。
企画力の意味②:現状をふまえた実現可能なやり方を考える力
その企画がどれだけ画期的で、実施すれば成功間違いないアイデアだったとしても、
それが現状では実現できないものであれば意味がありません。
また、実現の可能性が全くないわけではないが、
実現するためにはいくつもの障壁をクリアしなければならないものであれば、
やはりその企画は絵に描いた餅と言わざるをえません。
たとえば、業務改善を実現するような企画では、
大量の人員を投入したり、高い設備投資をおこなって解決するアイデアが出てくることも
ありますが、これらのアイデアが採用されることは稀です。
それとは逆に今の現場の人たちが、今の作業環境のままで業務改善に取り組むというものでも、
彼らは普段の業務もこなしながらになるため、これもまた実現可能性が低いアイデアと言えます。
現状をふまえた実現可能なやり方を考えられるかも、
その人の企画力を測るひとつの物差しとなります。
企画力の意味③:関係者から合意を得ながら、アイデアを「企画」という形にしていく力
企画とはあくまで仕事のひとつであり、そこには必ずその企画の関係者が存在します。
いくら良いアイデアが浮かんでも、それを誰に話すこともなく自分ひとりで勝手に実行して
しまっては、もはやそれを企画とは呼ぶことはできません。
企画とは、その対象となる仕事の関係者にその取り組み内容や意義を理解してもらい、
またその企画遂行に協力してもらうことで、最大限の効果を目指す取り組みです。
この取り組みを実現するために、関係者との日々のコミュケーションや、
プレゼンテーション能力を発揮することも企画力に含まれます。
企画力と提案力との違い
企画力を簡単にまとめると、
課題を見つけ、その課題を解決するプロセスを設計し、
関係者から合意を得ながら解決策を形にしていく力のことだといえます。
この企画力と似た意味で使われる言葉に、提案力があります。
提案力とは、提案する企画内容を相手に正確に理解してもらい、
自分の考えを受け入れてもらう力のことです。
企画力と提案力は、相手に何らかの価値を提供するという目的は同じですが、
企画力では「企画内容を創造する力」が重視されることが多い一方、
提案力では「企画内容を相手に伝える力」が重視される傾向にあります。
▼提案力に必要なプレゼンテーションのコツは以下の記事から知っていただけます。
https://energyswitch-inc.com/archives/column_presentation-tips
企画に必要な5つのスキル
企画には、課題解決や新しい取り組みという、普段の仕事とは違う少し特別な意味合いが
含まれますが、そこで求められるスキルは決して特別なものではなく、
普段の仕事でも必要とされるものばかりです。
企画に必要なスキル①:リサーチ能力
問題を正しく捉え、現状に則したアイデアを考えようと思ったら、
その対象について企画を考えるだけの十分な情報が必要です。
またある程度の情報が揃った状態で企画を考え始められたとしても、
そこから企画をさらに良くするためにアイデアを練りこんでいく際には、
さらに情報を補完しながら考えていく必要があります。
こうした理由から、良い企画には企画の対象やその周囲について、
十分な情報を適宜収集できるリサーチ能力が必須となります。
企画に必要なスキル②:分析力
企画を考える際、ある程度の情報収集ができたら、
それらの情報を整理して、そこから因果関係を導き出したり、
仮説を立てこれから先の状態変化もふまえた対策検討をおこないます。
ここで必要となるのが情報の分析力です。
情報の分析力とは、情報の抽象度をそろえたり、類似点からグルーピングでまとめたり、
時系列や前後関係などで整理する力と、整理した結果から、因果関係や新たな共通点、
相達点を発見することができる力です。
企画に必要なスキル③:発想力
新しいアイデアを考えようと思ったら、
これまでの思い込みを捨てて、できるだけ柔軟な発想で考えることが求められます。
しかし、これはただ漠然と考えていてもなかなか思いつくものではありません。
これまでタブーとなっている方法であえて考えてみたり、
まったく関係のない業界のアイデアを持ち込んだらどうなるかを考えてみたり、
なにか連想のきっかけとなるものを探し、
そこから着想を得て新しいアイデアをかたちにする発想力が必要になります。
企画に必要なスキル④:コミュニケーションカ
問題の原因や解決のためのアイデアが一般論で良く、
関係者もその一般的な企画を肯定するというのであれば、
企画の情報収集やアイデア検討はネット検索だけでことが足ります。
しかし、実際の企画がそのレベルで済むはずがなく、
当然ながら問題を正しく捉えた意味のある企画が求められます。
そして本当に意味のある企画を作ろうと思ったら、その現場にいる当事者の方たちから
意見を聞き、それを企画に反映していかなければなりません。
つまり、良い企画をつくるためには、
関係者との意見交換ができる十分なコミュニケーション力が求められます。
企画に必要なスキル⑤:プレゼンテーションカ
どんなに正しい分析結果でも、そして良いアイデアだとしても、
それが関係者に伝わらなければ意味がありません。
そのため企画をかたちにするには、企画を関係者に伝えられるだけの説明力が必要になります。
また、企画を推進していく際には、関係者をその企画の「協力者」に変えなければなりません。
そのためには、その企画に対して関係者に「その気」になってもらう必要があり、
ここで求められるのは、企画を相手の心に響かせるプレゼンテーション力です。
企画力がある人の特徴
普段から良い企画を考え、それを関係者と共有し、
日々の問題解決や業務改善に貢献している人は、もちろん企画力がある人と言えるのですが、
日々の仕事が「企画」ではなくても企画力を持っている人はいます。
ここでは普段の仕事の取り組みかたなどから見える、企画力がある人の特徴を3つ紹介します。
◆特徴その1:洞察力がある
企画力がある人は、
特に問題がなくても、日ごろから周りの人たちの言動や、状況の変化を良く見ています。
そして何か問題が生じたり、新しい取り組みを始める時は、現在の状況をふまえて、
周りが納得できる適切な意見を述べることができます。
周りに対して日ごろから目を配っているので、そこから新たに気づくメンバーの個々の特性や、
仕事の問題点などが見えており、自身が持つ情報を常にアップデートしています。
◆特徴その2:段取りを考えている
企画力のある人は、仕事の大小に関係なく、誰かと一緒に仕事をする際は、
必ずその段取りを整理し、一緒に作業をする人とその段取りを共有します。
これは、
常に仕事を始める前に段取りやその方法を考える習慣がついているからこそできるものです。
逆に企画力のない人は、段取りについてしっかり考える前に仕事を始めてしまい、
やりながら次の作業が何かを考えがちです。
この習慣が染み付いていると、誰かと一緒に仕事をするような場合にも、
事前に相談することが難しく、結果的に間違った進め方をしてしまうこともよくあります。
◆特徴その3:今のやり方に囚われない
企画力のある人は、それまでのやり方に囚われず、常に最善のやり方を考えようとします。
そのため、何か仕事を頼まれた際も、そのやり方について聞くだけでなく、
必ずその仕事の目的を確認します。
そしてその目的をふまえて、今のやり方が最善かどうか?もっと良い方法がないかを考えます。
逆に企画力のない人は、言われたとおりのやり方でしかやろうとせず、
時には目的の確認すらしないまま、その仕事に取り掛かることもよくあります。
また、仮に目的だけを伝えられ、やり方については特に示されなかった時は、
とりあえず仕事ができあがることを優先して取り組む傾向があり、
効率的なプロセスや、効果を高めることについてあまり考えません。
企画力を鍛えるトレーニング方法
企画力を鍛えるには、問題解決や業務改善について、
具体的な企画を考えることが何より有効な方法と言えますが、
今の仕事が企画そのものではなくても、日々の仕事からも企画力を向上させることができます。
定期的に仕事のやり方を見直す
何度も繰り返しやっているような仕事になると、
改善すべき点やもっと効果的に進められるやり方があっても、
それに気づかず慣れた方法で済ませてしまう傾向があります。
このような慣れた仕事を対象に、
定期的にやり方を見直す機会をつくり、現状の問題点を探したり、
新しいやり方を考えることで企画力に必要な分析力や発想力が鍛えられます。
慣れた仕事ということもあり、考え始めるだけの情報はすでに持っています。
そのため深く考えたり、新しい発想について考えやすいので、
企画力のトレーニングに効果的な題材と言えます。
仕事の費用対効果を考える
今の仕事にかかっている作業量で、それに見合った効果が発揮されているか、
その仕事をしただけの成果となっているかを考えます。
たとえば、日々のメール確認や会議参加、プロジェクトに関わる資料作成など、
自分が1日の仕事で何にどれだけの時間を使っているかを明らかにし、
それぞれ掛けた時間に見合った仕事の成果となっているかを確認します。
仕事の費用対効果を考えると、実施効果の低いものから高いものへと時間配分を見直すように
なったり、仕事のやり方そのものを見直すことにも繋がります。
この問題発見から対策検討は企画そのものを考えるトレーニングになります。
他の人の見解を聴く
今の仕事の問題点、課題の優先順位、改善のためのアイデアなどについて
、他の人の見解を聴いてみると、自分では気づけなかったポイントや、
新しい着眼点があることに気づかされます。
しかし、仕事では特に質問の必要性などがなければ、最初から最後まで周りの人と
会話しないまま、ひとりで仕事をやりきってしまう人も少なくありません。
たとえ質問などなくても、周りの人の意見を聞いてみるという習慣をつけると、
仕事に対する考え方の幅が広がるだけでなく、企画力に必要な
コミュニケーション力、プレゼンテーション力、リサーチ力なども向上します。
企画に役立つフレームワーク
発想力を引き出すフレームワーク「オズボーンのチェックリスト」
なにか新しいアイデアについて考える際、
なかなかこれまでの発想から抜け出せないことがあります。
そんな時にこのオズボーンのチェックリストにそって考えることで、
新しい発想を強制的に引き出します。
このフレームワークは、アイデアを考える対象について、
それを「別のものに転用したらどうなるか?」「それを拡大させたら?」
「別のものと置き換えてみたら?」といった感じで、考察対象について「転用」「応用」「変更」「拡大」「縮小」「代用」「置換」「逆転」「結合」の9つの変化をあてはめて、
そこから連想できるものを考えます。
このオズボーンのチェックリストは、複数のアイデアを考える際に有効ですが、
いろんな角度から考察対象について考えることになるので、考察対象の理解も深まります。
分析力を引き出すフレームワーク「なぜなぜ分析」
ある問題に対して、それはなぜ起きてしまうのか?という問いかけを繰り返すことで、
その問題の根本原因を明らかにしていくフレームワークです。
たとえば、いつも記入間違いや漏れなどのミスがある連絡資料があったとします。
この記入ミスという問題について、「なぜ記入ミスが起きるのか?」という問いを作ります。
そしてその答えが「記入項目が多すぎてチェックしきれない」となったら、
次に「なぜ記入項目が多いのか?」という問いを作ります。
そしてまたこの答えについて、その次の「なぜ」を考えていきます。
この「なぜ」を繰り返すことで、記入ミスという、ただのケアレスミスが、
連絡そのもののやり方に問題があったなど、意外なところに原因があったことに気付かされます。
どんな問題でも表面上の原因のさらに深いところに本当の原因が隠されていることが
よくあります。
この「なぜなぜ分析」はそうした深い根本原因を探るのに役立ちます。
エナジースイッチの企画力研修事例紹介
ここからは、弊社で実際に実施した研修事例をご紹介します。
若手社員を対象にした研修で、
企画に必要なスキルのなかでとくに“発想力”に焦点をあてた半日間の研修事例です。
演習を通じて頭を柔らかくし、
出たアイデアを企画というかたちにする力を身につけることをねらった研修です。
また、企画力には、課題を発見する力や、解決策を想像する力、解決策を伝える力、
周囲を巻き込み協働する力なども求められます。
これらは、会社の将来を担う中堅社員にぜひ身につけてほしい能力です。
以下の資料から、中堅社員育成の全体像と身につけてほしい能力を知っていただけます。
【研修事例】
テーマ:
企画力向上
ねらい:
・企画力の意味を理解し、企画をする具体的なイメージをもつ
・柔軟にアイデアを出し、そのアイデアを企画に落とし込むことができるようになる
内容:
①オリエンテーション
トレーナーから研修の目的と進め方を説明し、研修のねらいと、研修で何を学ぶべきかを意識してもらいます。また受講者同士の自己紹介を通して発言しやすい雰囲気をつくります。
②企画の種類
なぜ企画力が必要なのかを理解したうえで、企画の種類について学びます。
漠然とした言葉である“企画”を分解して説明することで、企画のイメージを具体化します。
③発想を広げる
発想法で使われるツールを使いながら、実際に演習をおこない、
視野を広げ、思考を柔軟にします。
④アイデアを磨く方法
アイデアができたとしても、それが売上や利益など、
そのときの目的にかなうものにならなくては意味がありません。
アイデアを企画にするために必要な視点を学び、
アイデアを磨く演習を通じて、実際に企画をつくります。
⑤まとめ
企画力を磨く演習を通じてみえてきた自分の課題を選び、
その解決と行動定着に向けたアクションプランを作成します。
トレーナーから一人ひとりにメッセージを送ることで、
実際の実践につながるよう背中を押します。
今回ご紹介した以外にも、
エナジースイッチのカスタムメイド研修の導入事例は、
こちらのページで多数ご紹介しております。
https://energyswitch-inc.com/solution/custom
また情報収集をご希望の方は、
こちらのお問い合わせページから、1分で無料相談の申し込みをしていただけます。
https://energyswitch-inc.com/contact
社員の企画力を高めるならカスタムメイド研修をご利用ください
社員の企画力を高めるための育成プログラムの情報収集をされている方は、
ぜひエナジースイッチをご利用ください。
エナジースイッチは、研修成功の2大要因である
「研修プログラム」と「トレーナー」の両方を、フルスクラッチでゼロから提案している、
業界でも非常に珍しい研修会社です。
「研修をカスタマイズします」というのはどの研修会社も使っていますが、
その中身は実は会社ごとにまったく異なります。
せっかく費用をかけて研修を実施するのであれば、
自社にできる限りフィットした研修を実施していただきたいと考えています。
以下の資料に、自社に100%フィットする研修会社の選び方をまとめています。
ぜひご活用ください。